20/03/06 23:27 (:貝木泥舟)
  不毛な会話833〈魔界篇〉

話題:妄想を語ろう

白くぼんやりした部屋

ベッドに横たわり 傍らに目をやる

傍らには椅子

その無機質な椅子に
これまた無機質な男が腰かける。

視線は上へ

口角のグッと下がった男が揺れる

(なんだろう‥怖いな)

黒いスーツを身に纏い

鋭い目を持つ男が怖く‥なんとも言えない気まずさと不安から男に背を向ける

「なんだ、気がついたのか?」

(‥しまった!)

逃れようとした その腕を掴み

抱き寄せる男

「分かるか」

男の胸に抱かれ 数秒

記憶の渦がまるで怒濤のよう

瞬く間 脳に焼き付けられた

「‥貝木さん‥?」

彼女の声が聞こえて すぐ

背骨が折れる程 抱き締める貝木

彼女の悲鳴

貝木の腕をタップする主

「ちょ‥かい、キ‥さん!」

「魔界に馴染み記憶を失っていたんだ」

パンドラの箱をトンネルとして

魔界に来た者は

現世を忘れ 消える存在

「‥大丈夫だ。連れ戻しに来た」

彼女の指が貝木に触れる

「‥主」

グッ

ネクタイを掴み意識を手放す主

焦り彼女を蘇生する貝木氏

気絶し30分後 目覚める女

彼女の中には2人居る

主、本人と貝木の意識

実際の彼女の状態は

ひとり静かに眠る

意識が消えるまで あと少し





















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