スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

真夜中のパン屋さん 午前0時の恋泥棒

弘基が不良をやっていた頃、ひどく傷付けた元彼女・佳乃が、弘基を頼ってやってきた。追われているという佳乃を、安請け合いして招き入れた暮林と希美に呆れながらも、弘基は佳乃が何をしたのか、希美に言われて調べ始める。

結婚詐欺師となっていた元彼女・佳乃は、お金持ちだけを狙っていたが、両親が生活の為にと思いながらも手放せずにいたマンションを買い戻す為、焦って騙した相手は裏社会を成り上がった男だった。

「バレようがバレまいが、犯罪は犯罪だ。前科はつかなくても、人の恨みは溜まってくし、テメェの心だって歪んでくんだよ。人を踏みにじるってのは、そういう事なんだ。そんで踏みにじったもんに、いつか足を掬われるんだよ」

佳乃に本気だったストーカー脚本家の頼みで、弘基達は佳乃を助けにいくと決める。
そしてパン屋に佳乃だと偽って来た姉の綾乃と共に、佳乃を助け出した弘基は、佳乃を助けるため、結婚しても良いと言うが、佳乃も綾乃も、本当に弘基を好きだった訳ではないと気付く。

『真夜中のパン屋さん 午前0時の恋泥棒』
著者 大沼純子
発行元 株式会社ポプラ社
ISBN 978-4-591-12751-3

真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ

夜中だけ開店するパン屋・クレバヤシに、托卵先として預けられた、亡くなった妻の姪っ子である女子高生・希美は、子供の頃から母のネグレクトにより色んな人の家に預けられて育った。他人の家でいじめられながらも生きていく為、ひねくれて育ってしまった希美だが、人を疑う事を知らない暮林と自信過剰なパン職人・弘基は暖かく歓迎される。

奔放だった希美の母と自分の父が不倫していると勘違いした同級生にいじめられながらも、彼女の未熟さと、両親に甘えられる環境に嫉妬して苛立っていた。
それを見抜いた上で、希美の為に暮林が作ったパンを踏まれた事で喧嘩になり、希美は彼女を殴ってしまう。怒って乗り込んできた彼女の両親に対峙した暮林と弘基は上手くおさめ、希美は少しずつ愛を知ることとなる。

ある日、パン屋に入ってきたパン泥棒・こだまは、母に虐待され、食べ物も与えられていなかった。かつては虐待が原因でこだまは施設に離された事もあったという。男と共に生きていく為、こだまを放置したが、こだまは母にどんなにひどい事をされても母が好きなのだ。托卵でたくましく育つしかなかった希美は、こだまにイライラするが、暮林や弘基は、子供の母への愛情をこだまを通して希美に思い出させる。

パンの配達も始め仲良くなったストーカー気味の脚本家や、オカマと仲良くもまれながらも希美は曲がってしまった根性を、少しずつ形成される。

こだまの母がこだまを置いていったのは、自分がされてきたように、こだまに手を上げてしまうから離れようと思ったのだと知り、こだまの母が父が亡くなった今も、父の呪縛から逃れられずにいた。こだまの父が虐待を聞き付け、こだまを引き取ると言い、こだまへのネグレクトを隠したのも罪に問えるのだからこれ以上、こだまに関わるなと言うこだまの父に対し、暮林は虚をつく。

「あなたの言葉は、殆どがコントロールと脅しなんですね。そういう中で、生きてこられたって事なんですかな?」

「もしそうやとしたら、同情します。そんな中で生き抜く事は、難儀やったと思います。ただ、そうやからって、それが人を貶めていい理由にはなりませんけど」

「他人やろうとなんやろうと、関係ありません。この子の人生が損なわれるような場所に、この子を置いていける訳がない」

そしてこだまは希望通り、母親の元で暮らせる事となる。


『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』
著者 大沼純子
発行元 株式会社ポプラ社
ISBN 978-4-591-12479-6

ナモナキラクエン

4人兄弟の長男・サンは、異母兄弟の中で育った。
父が亡くなり、4人は父の遺言通りに遺品整理をし、自分の母に会いに行く。

“恨むことは、自分の心を低くするからやめろ。生きるってことは前に進むことだ。恨みは前に進むエネルギーを奪う。やめとけ”

歓迎されないかもしれない。だから行かなくてもいい。そう残した父の気持ちに応え、長男として母達に会いたいという妹弟と共に旅に出る。
父が亡くなったのはわかっていたように、でも子供達のこれからの生活がどうなるのかを心配した様子もない。

旅を続ける内に、兄弟の出生の秘密にたどり着いたサンは、自分が父の代わりに秘密を背負っていく事を決め、真相を聞く。

なんだか微妙な話で。こういう家庭の話って、自分は経験してないからわからないし、想像するしかないんだけど、にしても出来すぎな感じがある。
どんなに仲が良くたって、きっと喧嘩もするし全てをわかり合ったり許し合ったりはしてない日もある。それが全て抜け落ちて、綺麗なものだけ集めたような感じがした。多分これが、父の言うラクエンなんだろうけれど…桃源郷よろしく、たどり着くのが難しいからこそ、楽園と呼ばれる。それを作り上げるなんて、可能なんだろうか。

『ナモナキラクエン』
著者 小路幸也
発行元 株式会社角川書店
ISBN 978-4-04-110266-4

夢のような幸福

漫画好きな三浦しをんのエッセイ集。
少女漫画ネタが多く、少女漫画を読まないのでよくわからなかった。


『夢のような幸福』
著者 三浦しをん
発行元 大和書房
ISBN 4-479-68152-3

短歌ください その二

・問い詰める視線のまわりを囲まれて息したらもう有罪だった
作者のコメントより、学校の終わりの会に冤罪で名指しされて、今でも気分が悪くなるとの事。思わず情景が目に浮かんだ。

・どこまでものびてゆくクレヨンの線は真正面から見たらただの点

・どこにでも行ける気がした真夜中のサービスエリアの空気を吸えば

・ジャージ着た七三分けの先生に服装検査される屈辱
変な恰好の人が、お洒落な人の服に文句付けて威張って怒る。確かに変な風習だ。

・俺なんかどこが良いのと聞く君はあたしのどこが駄目なんだろう
俺なんかどこが良いのは、一見控え目なようで、実は深い拒絶の言葉。あたしは駄目だと君が言ってる

・何回もキュキュッと直すポニーテールあなたが好きな高さどのへん?

・サウナ室鯉の入れ墨兄さんに痛かったかと聞いたこの口
画鋲を踏むよりは痛くないらしい

・「そのコート素敵な闇の色ですね」君に心を持って行かれる

・あいつらが結婚したということでますます町は小さく見える

・動物は何も言わずに死んでゆく人間だけがとてもうるさい

・間違えて手を振ったらば返されただから君じゃないと気付きました
あの人なら手を振り返してはくれないと気付くきっかけになった

『短歌ください その二』
著者 穂村弘
発行元 株式会社KADOKAWA
ISBN 978-4-04-066368-5
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2014年12月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カテゴリー