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輝く夜

クリスマスイブにちなんだ、幸せになる短編集。

【魔法の万年筆】
人に譲ってばかりの恵子は、文句を言わない大人しい性格故にリストラされ、クリスマスイブに一人でとぼとぼ歩いていた。ふと目についたホームレスにハンバーガーを恵むと、ホームレスは自分はサンタクロースで、3つだけ願いを叶える事が出来る魔法の鉛筆をもらう。
嘘だと思いながらも使うと、どうやら本物らしく、恵子は色々考えた挙げ句、他人の幸せばかりを願う。それにより職が安定した若者は、恵子に憧れていたのだと求婚する。

【猫】
ずっと派遣社員として生きてきた私は、とても良い会社に派遣されていたが、契約期間満了となってしまう。引き抜きをしたいという社長に、私は飛び上がるほど喜ぶ。
しかし、私が拾って飼っているという猫は、社長の不注意で逃げてしまった社長の飼い猫だったのだ。公私を混同しないポリシーの社長は、私に引き抜きの話を白紙にし、交際を申し込みたいと言うのだった。

【ケーキ】
19歳という若さで癌になってしまった女性は、親に捨てられた事をバネに生きてきたが、若いから癌の進行が早く、夢の道半ばでベッドにふしていた。
クリスマスイブの日、女性は平凡でも良いからもっと生きていたいとサンタクロースに願う。すると夢の中で癌が治り、大往生する人生を堪能する事が出来る。

そして女性はベッドの上で一日にして白髪になり歳を取り、息を引き取る。

【タクシー】
旅行先で出会った男にスチュワーデスだと嘘をついてしまった私は、とても良い人で惹かれていくのだが、嘘をついているから会うのが辛くなる。しかし、本当の事を手紙に認め投函したが、行き違ってしまう。

30歳になりクリスマスイブに女友達と呑んできた帰りに乗ったタクシーは、無口な人だった。
酔っていた事もあり、5年も前の昔話をしてしまう私は、全てを話し終えた後、異変に気付く。まさに今話していた男こそ、タクシー運転手だったのだ。私を探し続けていてくれた男と再会した私。

『輝く夜』
著者 百田尚樹
発行元 株式会社講談社
ISBN 978-4-06-276778-1

こんな気持ちが恋だった

川柳集。
“そうだったこんな気持ちが恋だった作戦も練れないくらいドキドキする”
あ〜懐かしい気持ちですね。

“わたしさえOKだせば実る恋言っとくけどあなたは短縮番外よ”
こんな風に楽にいけたらいいのにな

『こんな気持ちが恋だった』
著者 益田ミリ
発行元 株式会社春陽堂書店
ISBN 4-394-90201-0

最悪のはじまりは、

ギャンブル依存症の無職が、パチンコ屋で会った男女に持ちかけられた強盗話により、人生を転がり落ちていってしまう物語。

資産家なのだというおばあさんに金を借りていて、それで何でも言うことを聞かなければならないという女を可哀想だと思い、恋愛感情を持ってしまう俺は、どんどん外堀を埋められ強盗になってしまう。

資産家としか見てなかった俺は、やがて女の義母だったと知る。そして、手に入った金を巡り、男に襲われ、不可抗力で亡くなる。
男の遺言通りに元妻に金を渡しに行き、人から盗んだ金を平然と渡そうとした俺は、襟を正される。

しかし、一度転がり落ちた人生のやり直しは、服役しかないのだ。

『最悪のはじまりは、』
著者 塔山郁
発行元 株式会社宝島社
ISBN 978-4-7966-9618-0

なんか暗い話だったけれど、ギャンブルなんて全くやらない私も、世界がわからないから面白くないなぁと思いながらも、著者の力量で読まされた感じがした。

明日の子供たち

90人が共に暮らす児童養護施設・あしたの家は、今となっては珍しい、大所帯の施設だ。沢山の職員がいても、その分子供達もいるので、中々全員にまで目が配れない事も多い。そして、その多忙さとやるせなさから、いきなり辞めてしまう職員も多い。

営業マンだった三田村慎平は、テレビで観た児童養護施設のドキュメンタリーに感動し、転職してきた。普通の家庭で育った慎平は、子供は当然、甘えられる存在がいるものだと思っていた。だから余計に、親に捨てられ、なついていた施設の先生も寿退社の為去ってしまう…そんな状況を観て、“かわいそう”だと思っていたのだ。
施設でも特に問題のない子だった奏子に、どうして職員になったのか?と聞かれ、その事を正直に話した慎平は、施設に向けられる偏見の目を持つ人だと思われ、壁を作られてしまう。そんな奏子を見ていた久志は、「みんな自分が持ってるものを持ってない人がかわいそうに見えるんだよ。慎平ちゃんもきっと恵まれた人なんだろうね」
それでも久志は慎平が好きだと言う。
「だって、持ってない事を『何で持ってないの?』って訊かれる方が困るじゃん。慎平ちゃんみたいな人って、俺達みたいなのを見ると、自分が色んなものを持ってる事に引け目を感じちゃうんだと思うよ。自分が持ってるものに引け目を感じちゃう人って、気立てが優しいんだろうなぁって思うよ」

『明日の子供たち』
著者 有川浩
発行元 株式会社幻冬舎
ISBN 978-4-344-02614-8

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。
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丹生都比売 梨木香歩作品集

 ニオツヒメ
『丹生都比売 梨木香歩作品集』
著者 梨木香歩
発行元 株式会社新潮社
ISBN 978-4-10-429910-2

短編集。
本棚にならぶという短編があり、ぶつかった衝撃と同じだけの肉体が消失するという話でした。
腕ならまだマシだが、目を消失したら大変だよな。と。
相変わらずの梨木香歩ワールドでした。
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