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図書室の海

夜のピクニックが始まる前、兄弟二人の意気込み。
六番目の小夜子へ鍵を渡す役の想い。
理瀬と校長が初めて会った日の事。

恩田陸作品の番外編。理瀬が稔と亘に思っていた事。やっぱり麦の海に沈む果実とは繋がっていたんだという確信と共に、恩田陸の書く理瀬がかっこいいなぁと。

『図書室の海』
著者 恩田陸
発行元 新潮社
ISBN 4-10-397104-5

火星に住むつもりかい?

住民が監視し合い通報する安全地区が回ってきた仙台。首都から派遣されてきた平和警察は、四ヶ月に一度市民の前で、危険だと判断した住民を処刑する。

この世には正義などない。市民の安全を守るはずの警察は、人の恨み妬みを元手に暴行を繰り返し、やってもいない罪をでっち上げ、殺していくのだから。
この状況で生き抜くか、もしくは火星にでも住むつもりかい?

警察官の、そして市民の感覚が麻痺する世界で、自分の顧客だけは守ろうと決めた理容師は、顧客の一人が盗んだ強力な磁石を武器に、平和警察と戦う。

『火星に住むつもりかい?』
著者伊坂幸太郎
発行元 光文社
ISBN 978-4-334-92989-3

まるでないとは言えない世界。ホント、伊坂幸太郎は上手いですね。きっとこんな世界にはならないだろうに、必ずそうとは言いきれない。
昆虫の話が好きな頭のキレる捜査員・真壁鴻一郎の、警察官というより探偵のような立ち居振舞いと、理容師のお父さん、お祖父さんの正義に対する考え方から学ぶ理容師の姿勢。立場は違うけれど、考え方は同じような気がしました。

正義とはなんなのか?考えろ!
きっと伊坂幸太郎は常に、それを発信してるんでしょうね。
面白いというよりは、危機感を覚えた作品でした。

夢をかなえるゾウ 3 ブックガネーシャの教え

部屋の中で目を閉じ3分間、必要な物を言う。言わなかった物は全て処分する。
ちょっと欲しいものばかりがあふれる部屋に住めば、本当に欲しいと思うものは一生手に入れれられない。

人生は二つある。すぐ止めてしまう人生、頑張って一度でも自分の限界を越えて楽しく成長する人生。

自分で自由に出来る仕事を作る=今の私の仕事は自分で決められる事は殆どないけど、業務が終わってからあいた時間なら、自分だけの仕事を作れるかもしれない。

自分にとって勇気が必要な事を一つ実行する

優れた人に相談し、直接教えてもらう

人に楽しく働いてもらう。一緒に働いている人に感謝の言葉を伝える。=幸せな気持ちになる

自分の考えを疑う=仕事の質を上げる為、完成された仕事を疑う習慣を身につける

成功する為に一番大事な事は、小さな勇気。普通の人が不安で避けてしまうところを前に進む勇気。これがあれば色んな経験が出来、そうすれば何が正しくて何が間違っているか身をもって知る。これを繰り返せば必ず正しい道を歩ける。


『夢をかなえるゾウ 3 ブックガネーシャの教え』
著者 水野敬也
ISBN 978-4-86410-390-9

木洩れ日に泳ぐ魚

奔放な父に妊娠を告げず一人で双子を育てていたが、金銭的に苦しくなり千明を手放した母。やがて大学生になった千明と千浩は出会い、兄妹としてルームシェアを始めるが、互いに恋愛感情を抱いてしまう。

二人の父親がやっているという山登りに、新婚夫婦として会いに行く悪ふざけを考え付き実行した二人は、千浩が口を滑らせた事から自殺してしまう。

双子の兄妹だと周りにも思い込まされていたが、千浩の妹は事故死し、その妹として従兄弟の美雪が千明として生きていた。
そして千浩の父は千浩と同じく弱虫で、千浩が自分を尋ねてきた事を妻に悟られ、妻に弁明しようとし足を滑らせたと推理した千明は、もはや千浩に対する愛などなかった。

兄妹だと信じていたからこそ愛していた。そんな千明は元カレにそれを伝えて、推理する鍵となった自分の記憶通り、公園に、千浩の妹ではなくなった千浩のナイフを埋める。

千明が賢くて推理がどんどん進み、面白かった。

『木洩れ日に泳ぐ魚』
著者 恩田陸
発行元 中央公論新社

ロミオとロミオは永遠に

産業廃棄物だらけになった地球に、日本人だけが残されひたすら地雷や産業廃棄物の処理をさせられている未来。人生を変えるチャンスは、治外法権の学校に入学し、そこで卒業生総代となる事だけだった。

総代となれば家族の生活も保証される為、皆学園に入学する事を目指していた。兄が入学した後、失踪したと知り兄に何が起こったのかを知る為入学したアキラは、そこでシゲルという親友を得る。

楽しい学園生活を予測していたはずが、そこで待っていたのは人権無視の強制労働だった。兄も脱走したのだと知り、自分も脱走しようとするアキラ。だが、教師に目をつけられて脱走どころか卒業したら即、地雷撤去の人生となる最下位の新宿クラスへ落とされてしまう。

そこでアキラは人を信じたり裏切られたりしながら、アキラとシゲルは脱走し、東京オリンピックの年にタイムスリップする。

自分達が生きていた最悪の未来にならないよう、先にタイムスリップしたであろう兄との再会を夢見て、アキラは違う未来を作ろうと生きていく。

『ロミオとロミオは永遠に』
著者 恩田陸
発行元 株式会社早川書房
ISBN 4-15-208437-5
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