『ジャイロスコープ』
著者 伊坂幸太郎
今までどこかに寄稿した短編をまとめたもの。
流行ってないスーパーの駐車場の一角で相談聞きます、や、新幹線の清掃など、懐かしく読んだ。
『札幌アンダーソング 間奏曲』
著者 小路幸也
何代もの記憶を持つ天才と、罪を犯す山森の対決再び。
雪捨て場に死体を埋めたという挑戦状を受け取った警察は、山森の仕業かと思うがどうにもきな臭い。
秘密裏にデリヘルを運営していた山森は、その従業員に、飼い犬に手を噛まれた形となった。
『白蛇島』
著者 三浦しをん
小さな島故に、独特の文化がある島出身の悟史は、その閉鎖的で盲信的な島の暮らしを息苦しく感じ、島の外の高校に通う。
年が近いので持念兄弟としてそだった光市は、島から出ていきたいと思う悟史を羨ましく思う。
「逃げ出したい場所があって、でもそこにはいつまでも待っててくれる人がいる。その二つの条件があって初めて、人はそこから逃れることに自由を感じられるんだ」
『陽気なギャングは3つ数えろ』
著者 伊坂幸太郎
陽気なギャングシリーズの3作目。
銀行強盗をした後、雪子の息子が働くホテルで女優を追う三流記者に、銀行強盗ではないかと疑われ、追われる成瀬達。
三流記者の借金をチャラにすると見せかけ、悪いやつには悪いやつをぶつけるあたりが、さすがだった。
「言葉には理屈と感情とかがくっついてくるからさ。素直にごめん、と言うべき箇所なのに、『俺がどうして頭を下げなければならないんだ』と思うと、言葉が変わってくる。だからうまくいかないんだ。言葉は、頭の中の上司の決裁をいくつももらった後でようやく外に出ていくようなものだからね。素直になれない」
久遠の言葉がずっしり来た。
やっぱり伊坂作品好きだなぁ。
『ほかに踊りを知らない。』
著者 川上弘美
頭のてっぺんからつま先まできっちりしているホストのふたりが、ビニール傘を持っている。ただそれだけのことを、色っぽいと感じる力が小説家の観点なのかなぁ。