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葬送学者 鬼木場あまねの事件簿

『葬送学者 鬼木場あまねの事件簿』

著者 吉川英梨

民俗学の一部である葬送を専門に勉強したいという大学院生のあまね。
葬式で起こる事件を鮮やかに解決する。
あまねの母親が下品で飛ばし読みしてしまった。
あんまり面白くなかった。

女子漂流 うさぎとしをんのないしょのはなし

『女子漂流 うさぎとしをんのないしょのはなし』

中村うさぎ
三浦しをん

女子高出身のふたりが、どうしたら世間で流行っている女子なるものになれるのか、そもそもなる必要があるのか、グダグダ話す。

“人間の顔は、顔立ちと顔つきの二種類ある。”
静止画はバランスの整った美人顔でも、動画になるとその人のクセが出てしまう。笑い方が下品とか。
顔つきは愛嬌のこと。仕草が可愛いとかイキイキしているとか。

女というものを何処かで捨て、考えあぐねたからこそのこの文章は納得した。

シェアハウスかざみどり

『シェアハウスかざみどり』
著者 名取佐和子

“当たり前のように親から愛されて、世話をしてもらえると信じて疑わない。”
誰かの愛情を信じられるように育てられたということ。

正直過ぎて内定をもらえない大学生。
何も知らないフリを続け、心だけ少女のまま年老いたおばあさん。
高校を中退し母親となったお母さん。
方向音痴なのに運転手をしている中年親父。

家賃も光熱費も無料でクリスマスまで住めるというシェアハウスかざみどり。
集められた4人は、管理人の弓月くんとともに
期間限定の同居生活を始める。

各々の抱える問題を解決へと手助けしてくれる無愛想な管理人との距離が縮まってきた頃、管理人は父親を殺し、少年院に入っていたことを知る。
刑期を終えれば罪は償ったのか、その命題が各々の頭に浮かんだ時、かつてタクシー運転手をしていたという中年親父の話を聴く。産気づいた義妹を病院まで送ろうとし、方向音痴の為焦り、女子高生を轢き殺して服役していたという中年親父の話や、今まで一緒に過ごした時間で管理人や中年親父の人となりは既にわかっている。彼らを受け入れた4人は、このシェアハウスに無料で集められたのは偶然ではないのだと、管理人から知らされる。

通信販売会社社長の孫だという管理人は、社長の持ち物であったシェアハウスに、社長の恩人達を期間限定で集める事を依頼された。

社長は子供の頃、口減らしの為、丁稚奉公をしていた自分の心の支えだったおばあさん。
借金で首が回らなくなり、自殺しようと乗ったタクシーで方向音痴により別方向に連れていかれ、再起しようと思った中年親父の運転手。
大きな地震で息子を失い、もう生きていたくないと思った最中、人々が絶望の淵で出産を手伝った女子高生だったお母さん。
そして、不祥事で再び窮地に立たされた時、1番大切にしていた創業理念を思い起こさせてくれた就活中の大学生。

また1から踏み出そうとする、せつなくも暖かい話だった。

図書室で暮らしたい

『図書室で暮らしたい』

著者 辻村深月

色んなものに寄稿したものを集めたエッセイ集。
なかでも、ある図書館の面白い試みとして、図書館肝試しが紹介されていた。
本のタイトルが見えないよう、包装紙で包んだまま貸し出されるという試みは、予算がなくても出来る、楽しい試みだと思った。

「罪と罰」を読まない

『「罪と罰」を読まない』

著者 岸本佐知子
吉田篤弘
三浦しをん
吉田浩美

ドストエフスキーの有名な長編小説、罪と罰を読んだことがあるはずだが、いまいち内容を覚えていない小説家4人が、最初と最後の1頁、そして適当に選んだ頁を数回読み進めながら、どんな話か推理していく。

とにかくお金が無いけれど働きもせず、家賃を滞納しており、大家からこそこそ逃げ回るラスコーリニコフは、金貸しのおばあさんを殺すことを考えつく。
殺す計画を立てたのに、凶器となるはずだった斧が手に入らず、土壇場でおばあさんを殺し、帰ってきたおばあさんの妹までも、なし崩し的に殺す。
お金の為ではなく、社会の為に、格差社会を是正したのだ。むしろ、正義の殺人を犯したのだと思い込むラスコーリニコフは、警察に捕まるのではないかとビクビクしながらも、酒場で知り合ったロクでもない父親の借金返済の為に、娼婦となっている娘、ソーニャに説教をかます。
ソーニャは金貸しのおばあさんの妹と知り合いなのだが、ラスコーリニコフが殺人を告白してもなお、何のことだかピンとこないお呆けさんのソーニャ。
やがてラスコーリニコフは熱心なキリスト教徒であったソーニャにより、人の心を取り戻し、ソーニャの導きで広場の地面にキスし、殺人を自白する。
シベリア流刑となったラスコーリニコフについてきたソーニャは、シベリアの囚人達にキリスト教を説いて回り、ソーニャを教祖としたキリスト教が出来上がる。

全体的に登場人物がおかしな人たちばかりで、何なんだこの話は…?と途中で読むのをやめてしまいそうになるが、これはドストエフスキーが書いた、ギャグ小説なのでは?と考えるとまあまあ面白いらしい。
4人の推理も面白く脱線も沢山あるが、ロシア文学に抵抗があったけれど、少し読んでみたいなと思わせる小説だった。
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