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校閲ガールア・ラ・モード

「校閲ガールア・ラ・モード」
著者 宮木あや子

読者モデル時代の友人に出会った森尾や、ノンケの男に好きな女の相談をされて落ち込む米岡、自分が本当に作りたい本のためにがむしゃらに働く貝塚など、悦子の周りの人たちの短編集。
やっぱり悦子じゃないので大きな動きはないし、想定内の行動をするのであまり面白くはなかったかな。

セレモニー黒真珠

『セレモニー黒真珠』
著者 宮木あや子

親の借金を返すため高校も行かず風俗で働いて借金返済をしていた妹尾は、お客さんに身の上話をしてプロポーズを引き出した。しかし仕事が風俗だった為、彼の親に反対され手切れ金を貰い破局した。やがて彼がガンを患い、死に水を取ってくれと言われた妹尾は、その為だけに葬儀屋に就職する。
元々死人の魂が見えた木崎は、葬儀の際の煙突の煙が子供の頃から好きで、大学まで出たのに新卒で葬儀屋に入った変わり者だ。友達のお祖母さんの葬儀を頼まれた木崎は、お祖母さんが嫁を恨み続け死んでいった事や、今まで見下されていた友達が木崎を対等に扱ってきた態度を見て、自分を悪くないと思う。
かつて笹島が一度だけ恋だと思っていた相手は、自分の不幸に酔い、相手を束縛し依存する事に全てをかける、呪いのような男だった。結婚する気がないと知った笹島に冷たくあたり、すぐに自分の結婚式をプランニングさせ、今度は妻の葬式をさせる。そんな男から逃れられないと思った時、助けてくれたのは同僚の木崎と妹尾だった。
ブラコン妹を乗り越え、木崎と笹島は結婚する。妹の為に、「私は今、一番好きな人がいるけど、妹が木崎を一番に好きだと思わなくなる頃には、笹島が木崎を一番好きになれるよう努力する」という言葉が良かった。さすが揉め事の塊である結婚式と葬式を仕切ってきただけあるなと思った。
最後に出てきた、転校してしまった初恋の野球少年の事故死での葬式が泣けた。野球部と吹奏楽部の恋はありがちだけど、死んでから伝える告白が、なんと美しく儚いものか。死人の声が聞こえる木崎のふ線は、ここに繋がるためだったのかと。野球少年が死んだ事にショックを受けた吹奏楽少女が、このまま帰ったら事故に遭うから引き留めてという思いを木崎が受け取り、このままなら地縛霊になってしまう野球少年に告白をした吹奏楽少女のおかげて成仏した。相手を思いやるとは、こういうことなんだと、改めて気付かされた。

憧憬☆カトマンズ

「憧憬☆カトマンズ』
著者 宮木あや子

格差社会だって、一種の国を挙げたいじめだしね。

コールセンターで派遣社員をしながら上司と不倫してたアラサーが、不倫男と別れ仕事もバリバリしていく。安定しないからこそ、働くのだ。
なんでも話せる女友達がいて、派遣だけどしっかり働いている彼女は、どこかかっこよかった。

下町のたい焼き屋の娘であるパティは、ある日の店番で海外からきた力士と恋に落ち、賭博をしていると無実の罪で相撲界を除名された力士と幸せに暮らす。
本当は甘いものも嫌いだし頭が悪そうで男に媚びる事だけたけている女は大嫌いだが、目的のためには嫌いな人にもなれるパティシエ志望と偽っているパティこと松田は、とくに面白かった。こういう子いるよなぁと思った。

花宵道中

『花宵道中』 宮木あや子

吉原に売られた女達の人生。
好きな男を想いながら他の男に抱かれる事は、何の咎なのだろうか。まさに身も心も削って生きている遊女達。
こういう話を読むと、やっぱり今も昔も女は色を上手く使って生きていかなければならない人達が、一定数いることの不条理さを思わずにはいられない。

群青

『群青』 宮木あや子

最期の時を島で過ごす事を決め移住してきたピアニストは、島の無欲な漁師と恋に落ちる。
命懸けで娘を産み、亡くなったピアニストを想い続けながら、漁師は島の人達に助けてもらいながら娘を育てる。

やがて娘は恋をするが、彼氏は海で亡くなってしまい、心を病む。
病んだ初恋の娘を何とかしたいと考えた幼馴染みが海で死にそうになった時、娘は生きる希望を見つける。

10代故の思い込みの激しさで恋をし、その後無気力になり身体を売り始める…とても共感は出来ないけれど、娘一人父親一人の暮らしはリアルだった。
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