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200730

話題:嬉しかったこと

たくさん歩いてボートに乗って
ビールを飲んで

ありがとう
ありがとうね

人見知りだって知っていてくれて
ロマンチストだって気づいてくれて

お花を渡したエピソードを覚えていて
結婚した理由を説明してくれて

些細なことを覚えてくれていて

ありがとう

土曜日


話題:手を繋ぐ

くろださんの去ってしまう日
コインランドリーでシーツを乾燥させる間、小さな川のそばを散歩して

春には美しかった桜も葉を落とし、名も知らぬ鳥が止まって鳴いているのを見上げ

煙草をくゆらすくろださんを眺めたり、目をそらしたり

やがて雲から這い出た太陽が小川を照らし、きらきらと光りはじめた水面をふたりで見ていた

きれいだね


コインランドリーへの道すがら
自然なことのように手を取るくろださん、離しも握りもしないでいるうちに、恋人つなぎになって、急に恥ずかしくなり、

恥ずかしいよ、と振りほどいた


傷つけたかな
今更かな


きっと君には指先が寒そうに見えたんだよね

君の行動はいつでも突拍子なくて、何を考えているのか想像もつかないよ

水曜日


話題:素直な気持ち

一緒に暮らしていると、自然と距離が縮まる

行ってらっしゃいのハグをしてくれたり、眠る前に急に頭を撫でに来たり、マッサージしてくれたり

ドライヤーしてあげたり

ふれることを目的としていないように装って、どれだけ肌に、やわらかい髪に欲望をぶつけたのか

愛や思いやりを持ってふれることと、欲望の熱を宿してふれること、やっぱりちがいは分かるのかな

かわいらしい、と最後の夜に抱き寄せてそのことばを届けてくれたこと、素直にうれしかった

いい表情をしますね、靴下がお洒落ですね、意外と俗なところありますね、やっぱり好きです、麦が好きだ、

こんなにもたくさんのことばをくれたこと、わたしは本当にびっくりして、君は本当にくろださんなのかと疑いそうだった

ありがとう



木曜日


家で缶ビールをあけて歩いて近所の飲み屋へ

甘酸っぱくて若い過去の恋愛

時間を決めて教室の窓から手を振り合う

そんな話を聞いてしまっては
ずぶずぶの共依存だった自らの過去を
笑ってしまうね

夜、ビルの隙間に隠れるようにして
すきな人を待ち
その人が長いコートを広げて
お待たせしましたと
抱きしめてくれたことを話したら

そんなに丈のないダウンを
寒い夜道の真ん中を歩きながら
ぎゅっと着せてくれた

思いやり
嫉妬
何の考えもなく

どれもちがってどれも当てはまるのかな
どんな気持ちでそうしてくれたのか

知らなくてもいいと思った

その時そうしてくれたことが
心をあたためる記憶になるよ

一週間

しろたとは遠距離恋愛なるものをしている
付き合って六年を迎えようかという時間が経った

くろださんとは何度か知り合いを交えて
飲んだりもしていた

今年の春頃
一人暮らしになった家に
くろださんがあそびに来てくれた
一瞬だったように思う

食事をつくり食べ寒いところで映画を見た
翌朝には風のように行ってしまった


秋も深まり、一週間ほど居候に来た
その時の日々を書き残しておきたいと思う

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