真っ二つにされた月が出て、仕事を終え帰路に着く。
終日、五葉松の剪定をして、日曜の時間を過ごす。
朝。
家を出て車を走らせていると、悲しくもないのに涙が出る。
涙には理由があるが、泣くことには理由がない。
多分哀しみは悲しみでは無いように、哭く事は泣く事ではない。
心の深い所で、慟哭がある。
打ち寄せる波の様に、絶えず押し寄せる微かな絶望。
清浄な悪夢。
そんな一日。
風はあったけど天候も良く、朝から飛行場へと気分もそぞろ。
誰かいるかな?と思ったら、久しぶりにSちゃんに遭遇。
ライサンダーを見せると興味津々に質問攻めされて、良い飛行機だと称賛された。
今まではそんなに話したこともなく、どちらかというと敬遠気味だったから、普通に話せることにちょっと驚いた。
話している内に「今度うちの飛行場にも飛ばしに来いよ」と言われ、戸惑いつつも素直に喜んだ。
そしてSちゃんの見守るなか、タキシング。
地上滑走を数回繰り返して、一気に空へと向かわせた。
若干重いかな〜と思ったが、フルスロットル手前でふわりと浮いたのだから浮きは良いのだ。
糸を引くように上空を目指し、高度70m位で水平飛行に移る。
翼端失速を怖れて緩いバンクで左に旋回し、すぐに右に旋回させる。
水平8の字でバンクの癖をみながら、バンク角を増やしてゆく。
最も危惧した翼端失速は起きず、次は沈下傾向をみるために高度を上げ、最スローからの水平飛行。
トンボの様な長い主翼が効いているのか、重く大きな飛行機なのに沈下せずに伸びてくる。
グライダー程ではないにしろ、着陸距離の長さに要注意という結果。
しばし色々と自由に飛ばし、問題の着陸。
空を飛ぶ物にとって最も緊張する瞬間は、やりなおしもしないでスムーズに終わった。
モーターをストップさせた途端深く息を吐いたのは、やはり緊張していたんだな。
なんにせよ初飛行は無事に終わり、次からは完熟飛行を目指して練習あるのみ。
だなーっw
蜻蛉のような主翼シルエットにずんぐりむっくりの胴体。
重い体で、操縦性は未体験の形。
不安もあるけど楽しみもあり、なんだか不思議な気分になっている。
飛行報告はまた後日。
家の方は屋根塗装も終わり、薔薇の移植や芝張りを実行中。
仕事と家の用事に境が無くなり、いつも同じことをしていると、飽きっぽい俺がと苦笑してしまう。
明後日はライブがあり、来月だかの野外コンサートの打ち合わせもあるらしい。
公私ともに忙しく、それでいてあまり疲れないのは何故だろう?
昨年末に購入したライサンダーが、やっと完成した。
なかなか制作の時間が取れず、その上意欲も減退気味で、仲間に尻を叩かれる様にして完成させた。
初めての大型モデルにしては割りとよくできたのではないかと、内心悦に入りながら最後の調整と確認に勤しんでいる。
3キロを超える重量だから、万が一墜落やノーコンになれば大惨事必定なので整備は慎重に確実に…と、言い聞かせている。
ライサンダーはイギリスの飛行機で、第二次大戦中に使用された軽飛行機。
高翼の主翼は特徴的なデザインで、下から見るとまるでトンボの様な美しさがある♪
短距離離着陸を活かして軽便な輸送や偵察、諜報員や偵察員を運ぶ用途に使われた。
今回も以前のコルセアの様に、5セルバッテリーに80アンペアのアンプ。
モーターはコルセアよりもトルクの強い、560KVという設定(≧▽≦)
まだ回してはいないけど、多分恐ろしい引きになるはず((( ;゚Д゚)))
まあ、かっ飛ぶ飛行機ではないので、保険の意味で余裕を持たせている感じだな。
果たして無事に帰って来られるのか?
楽しみ半分恐怖半分、といった心持ちですな(* ̄∇ ̄*)
屋根の塗装をやり始めて、二階部分の面倒な部分は終わった。
あとはローラーで仕上げるだけだから、命綱もそろそろ卒業かな?と思っていたら生憎の雨。
残念な気持ちとやれやれな気持ちで、飛行機を作っている。
以前は狭い部屋で、悪戦苦闘の模型制作だったけど、引っ越した今は16畳一間の模型部屋で作ってる。
リフォームは自分でしたから格安で、塗装コンパネの床フローリングに白壁。
天井はなく、梁が剥き出しになっている。
ダイニングテーブルと事務机を置き、長椅子と製図用のドラフター、作業台にはボール盤と糸鋸盤が据え付けられている。
憧れのラジコン部屋…だがここに来て、実は制作は捗っていない。
家のリフォームや庭の管理、山の開墾などと、もっと大きな工作や作業におわれているからだ。
でも今日は雨の休日。
久しぶりに取り組む飛行機作りは難問奇問の連続で、楽しみが込み上げてくるようだ。
何かを作るのは深い時間に浸るようで、心が安らいでいく。