野球観戦に来た臨也がきな臭い事件の匂いを嗅ぎ取り、首突っ込んで好き勝手引っ掻き回すみたいな話でした。
今回の臨也はいけしゃあしゃあという言葉が似合いすぎてどうしようかと思いました。楽しそうで可愛かったです。
舞台を野球スタジアムにして章タイトルを野球系の単語にしたのは、豚骨コラボ意識でしょうか。
直接名前出してないだけで榎田は出てましたし。博多の背番号24番とか。
最後にはコラボ読んだ人向けの余章付きでした。
まず、臨也が左利きな上に野球よくわかってないことが判明して驚きました。
野球知らないのに野球賭博の元締めやってたとか、野球を愚弄しすぎじゃないですかね貴方…
作中でも野球をおちょくりまくった発言してましたし。
そんな臨也を的確に論破する坐さんがかっこよかったです。
利き手と打席の向きの関係は経験者や熱心な野球好きなら確実に知ってて、詳しくなければわからないであろう絶妙な質問だと感じました(そういう自分は昔漫画で仕入れた)
坐さんは腕っぷしだけでなく頭もキレるとか万能ですね。
臨也は何でも知ってますって顔するし何でも知ってる人だと思い込んでたけど、意外とそうでもないんですかね。
新キャラでは彩葉ちゃん可愛いです。
過去どんな性格してたかはともかく、これで殺し屋が務まるんだろうかと思うくらいにはいい子に見えました。
いやまぁ、臼原とやりあえるくらいですから技術的にはかなり優れてますけどね。
というかこの子の親殺したのは豚骨の『にわか侍』みたいですし、デュラというより豚骨ラーメンズキャラと仲良くなれそうな雰囲気に見えました。
豚骨ラーメンズのキャラは殺し屋などの裏稼業多いんですが、割と気さくな性格の人珍しくない印象受けたんですよね。
(こっちより先にコラボの方読んでて頭に残ってるのもありますが)
まあ結果的に臼原+ユウキとほのぼのしたトリオにまとまったなという印象です。
池袋行きたいとか言ってましたけど、臼原が静雄か八尋あたりとエンカウントしたら大変なことにならないか不安です。
逆に意気投合する可能性もあるんでしょうか?
それと彩葉が静雄見たら坐さんの時と同等かそれ以上に怖がりそう。いつぞやのルリちゃんみたいな感じで。
ユウキさんはなんだか独特の空気で可愛いです。
妖精みたいって形容されてましたが、そういうマスコット系の可愛さあります。
でも不思議な心の強さがあって臼原の手綱取ってるのがいいですね。
なんとなく乙野辺さんの母みたいな人だなぁと思ったら、本当に知り合いらしくてほっこりしました(オツベルネタは拾うスタイル)
というかやっぱり乙野辺さんは臨也を知ってる風ですね。
臼原はあの顔で下の名前アユミってギャップに驚きました。
裏の世界から『球場潰しの青鯨』なんて渾名付けられたというのに。
ユウキさんにアユミちゃん呼びされてるの面白すぎる。
あの人は身近に手綱取ってくれる相手いたほうが良さそうな空気あるので、そういう人いてくれてよかったですね。
瀧岡は頭おかしすぎて大丈夫かこいつって考えることすら諦めました。
そのペースに合わせて会話しながら、順調にスケールでかくしていく臨也節が面白すぎました。
演出家気取りを相手に天地創造って貴方…
氷浦や瀧岡と臨也の会話見てて、臨也の『よく知らない話にそれっぽく合わせる』能力の高さは凄いなって思いました。
褒めてるわけでも貶してるわけでもなくただの感想として。
凡人が知ったかぶりで乗っかってもあっさりボロ出ること珍しくないし、臨也本人も野球話ではボロボロだったというのに、面白事件絡みだとここまでやりますか。
なんというか臨也がやってることって別に良いことでも悪いことでもなくて、良いとか悪いとかは受け取る側が判断してるだけなのかなと改めて思いました。
デュラ本編では諸々の枷があった都合で黒幕のような立ち位置に収まってましたが、本来はこんな感じで善悪に囚われずやりたいこと好きにやってるだけなんでしょうね。
あと、瀧岡や臨也達が裏でコソコソしてる間、表舞台で何事もなく試合してるの逆にシュールでした。
結果アレですけど。というか棟象選手打ちまくっててびっくりです。
あとは追記。
今回の臨也語りはいざやけ組で、坐の臨也語り良かったです。
「もし臨也が誰か一人を愛したらその人を手に入れるために何でもするだろう」みたいなこと言ってて、そこは新羅の影響だろうなって思いました。
新羅は自分がセルティを愛し続けるため、そしてセルティのためなら本気でなんでもしますからね。デュラ本編はそんな感じでしたし。
まぁ結局臨也は最低最悪の博愛主義者なんですけども。
普段の言動からもこの語りからも坐さんは臨也の抑止力になりたいんだろうというのが伝わってきますけど、結局それは静雄にしかできないのかもなって思わされました。
坐さん自身も「自分で駄目だったら例のバーテン服の男に」って考えてるみたいですしね。
臨也はちょいちょい静雄を思い出して怯えてるけども、基本は子どもかよ!ってくらい好き勝手遊んでるので。
だからか知りませんが坐さんに五歳児と評されてるの面白かったです。
いざやけで四木さんもやたらガキ扱いしてましたし、ああいう年重ねて成熟してる人には子どものように映るのでしょうか。
不覚云々の会話では臨也の発言に最もだと思うと同時に、坐に同情しました。あの言い方は首折りたいと思われますよそりゃ。
手首外されるだけで済んでよかったと言うべきですかね…後でちゃんとはめてくれましたし(?)
遥人やひまりの臨也語りも良かったです。
遥人は可愛いけど、順調に臨也に心酔しててちょっと不安になります。
臨也に手懐けられた人間はなんでみんなカルト宗教の信者みたいな感じになってしまうんですかね…臨也が不安定な人間の行方眺めるの好きだからですかね…
臨也がいつまでこの子達の面倒みるかわかりませんが、遥人達を見てると臨也が子ども育てたらこんなふうになるのだろうかって思います。
「せっかくイイ感じで面白い人間に育ちそうなのに〜」の台詞見てると、臨也としては『育ててる』感覚ありそうですし。
それにしても臨也さん、子どもに勉強とか教えられるんですね。
捻くれた性格から人にモノ教えるの向いてなさそうだと思ってましたが、指導者というのは観察眼要求される立場でもあるので、そういう意味では寧ろ向いているのでしょうか。
ひまりは普段喋りませんが内心色々と思うところがあって、遥人を大事に思ってるの伝わってきて良かったです。
臨也を「歩く迷惑、喋る迷惑、生きた迷惑」と言い切ってたのに同意したいです。
この子達、悪い子じゃないけど臨也に目つけられたばっかりに…
あと今回はネクについて掘り下げられましたね。
死人のアカウント乗っ取るネクロマンサー(ネクロフィリア)のネクとは面白いネーミングだなと思いました。
多くの人が固有アドレスやSNSの固有アカウント所持してる今の世の中だと、そういう『死にアカ』乗っ取りはシャレにならないような気がします。
そして九十九屋。まさか臨也のデータ保護しててネクに引き継がせたとは。
まぁ、ネクは割と楽しそうでしたし、楽しければ細かいことはどうでもいいタイプなのかなって思います。
最後出てきた夏瓦のオッサンがSH4巻とキャラ違いすぎて驚きました。
飄々としてて『舞台美術』や『小道具』を「格好いいから」で済ませるところには同一人物だなって思わされましたけど。
臨也を「誰よりも臨也自身が臨也を承認できない」「お前は同じ目線で他人を賞賛できる同類を求めてる」と評していたのが印象的でした。
承認云々は分からなくもないんですが、逆にあの人が本当に自分を承認したら色々悪化しそうなので、このままでもいいのかなと思わなくもないです(煮え切らない)
同類に関しては、実際に青葉とか同類に近いタイプを相手にしても『愛するべき人間の一人』程度の対応を崩さないので、結局はそんな人いないんだろうなって思いました。
というか、この人鍋の件あたりから散々ぼっちネタで弄られてますが、本心としては気にしてないというか、ぼっちでもそれはそれで構わないと思ってそうだなぁと。
とは言え坐が言うように、いざやけ以降の臨也は自分にできないことを他人に頼ろうとしてるところがあって、個人的には良い成長だなって受け取ってます。
自分でできることはちゃんとこなして、向いてないとかできないことは他人に任せるってのは大事なことじゃないかなって考えてるので。
余章は本当に両方読んだ人向けのおまけって感じでした。
言われてみれば静雄に豚骨ラーメンズのあのユニは似合わなさそうだなって思います。
なんだかんだ普通に豚骨ナインと仲良くしてそうで微笑ましいです。
臨也さんすぐ電話切るっていくらなんでも露骨すきませんかね。
情報屋同士の会話は独特の空気あっていいですね。
あとがきを見るに、後々デュラ作者が執筆した豚骨とのコラボやるらしいので楽しみです。
それにしてもSHシリーズと臨也シリーズには時差があるのかないのか判断に苦しみます。
2016-10-24 14:27