話題:キャンプ

着いたよって言われても、前方のだだっ広い草原を眺めるしかなかった神田

もしかしたら第2別荘というのは地下要塞になっていて、どこかにその入り口があるのかな〜なんて思ってたんだよね

ここでざるそばを食べた時の御曹司の表情を思い出した

地下は太陽光線が届かないからジメジメしててあまり快適ではないんだよ、すまんな‥てな理由からあんな顔をしたのかな、なんてことを考えていたら、ほどなくして一台のオデッセイがやってきた

降りてきたのは御曹司パパ

「やあ神田君、久しぶり!よく来たね」と声を掛けられ、「ちょっと手伝ってくれるか?」とカモンの手振り

近寄ると、御曹司パパはオデッセイのルーフボックスをパカッと開けて茶色い布のような物とロープを取り出した

「これから別荘建てるから、この説明書をよく読んで!」と言われ、折り畳んだ紙を渡された

紙を開くと完成図が先に目に飛び込んできた

ここでようやく第2別荘の意味がわかった(^^;)


説明書には図解もあったがすべて英語で書かれていて、専門用語が多く、さすがの神田も手こずった(>_<)

御曹司パパは肉を買ってくると言っていなくなっちゃうし、息子は釘も打ったことがないお坊ちゃんだから、その場に立ち尽くしているしで、茶色い巨大なテント設営に4時間もかかってしまい、辺りは薄暗くなり始めていた

加えて雨のにおいもしてきた






御曹司パパが戻ってきた時にはテントは出来上がっていたが、しばらくすると雨がザーザー降ってきた

そのため肉を焼くカマドのようなものがアウトドア用しかなくて調理ができず、その日は神田が持ってきた菓子パンと羊羹をみんなで分けてビールを飲んで横になった

そう言えば寝る時、御曹司親子が寒い寒い言うもんで、パーカーとスウェットを貸したのだが、これで予備の長袖がなくなってしまい、神田はランニングシャツ2枚重ねの上に半袖Tシャツを着る羽目に

あまり意味の無い重ね着だったが、寒くてもビールのちからで寝られると思ったのが間違いだった

2人のいびきがうるさくてね(>_<)

仕方ないので車に移動し、シートを倒して窓やボディーを拭く雑巾タオルを毛布がわりに、手には軍手をはめて寝たZZzz..



テント設営の途中で、どうしてキャンプだと言ってくれなかったんだよ、と聞いた時、「最初にメールした時は別荘のつもりだったんだけど、親父がキャンプをしたいと言い出してね‥。お前自転車部だからテント設営にも慣れてるだろうから‥。実は親父とお袋が喧嘩をし始めて‥。」と、もごもご説明する御曹司

なるほど、事情が変わったのだね

それにしても、事情が変わった時点で連絡くれたらよかったのに‥と思ったが言わなかった

誘ったのに、それが駄目になったとは言えなかったのだろうなと推測


こうして軽井沢初日は何とか無事に過ごせた

翌日からも凄かったよ



つづく