話題:喫茶店


暑いからアイスコーヒーが飲みたくなり、その時間ヒマ人を考えて、お好み焼き屋のビキニお嬢さんを誘ってみようと電話をしたつもりが、何故かオカマに電話をかけていた神田です

相手が電話に出た時その声で間違えを自覚したのに「神田ちゃんが電話くれるなんて嬉しい!いや〜ん」なんて言われちゃったもんだから、間違えたとは言いづらくなった(>_<)

流れでオカマと喫茶店で待ち合わせ(ぎゃー)

満面の笑みをたたえて現れたオカマに対して作り笑いの神田(^^;)

「喫茶店でデートだなんて久しぶりだわ〜」とオカマは言っていたが、デートなんて言葉を使うんじゃねえよ!これはデートじゃない!と何度も腹の中で叫んだ俺

でもまあしょーがない、長い人生こういうこともある、と思って観念した

ウェートレスが注文をとりに来るまではアイスコーヒーを頼もうと思っていたのに、店内の冷房が強く効いてたので思わずホットを注文してしまった

まあどっちでもいいんだけどね

それからオカマと珈琲を飲んだよ、しょーがねえからよお

お喋りもしちゃったよ、仕方なくよお

だが案外楽しいこと言うんだよな

本職はおもちゃ屋の店員だけど、元はゲイバーにいたからね、話の持っていき方が上手いし、話題が豊富

お好み焼き屋で俺が生ビキニを見た話も知ってたし

びっくりしたのは、お好み焼き屋の女将さんまでもが俺と一度でいいからデートしてみたいと言ってくれてるらしいこと

ちょっと待て、年いくつ違うんだよ‥、なんて考えていたら、「神田ちゃんてさ、彼女がいるって割には自由にしてるし、その彼女の存在が見えないのよ。だからホントは彼女なんていないのかなとも思うんだけど、それにしてはガツガツしてないからよくわかんない人なの、ミステリアス」

そうなの?と言うしかなかった



確かに彼女(奥様)はいても一緒にいるわけじゃないし、頭の中は仕事と暮らしのことでパンパンで、他のことを考える余裕はない

同年代のやつらと比べても圧倒的に遊んでないから、何を考えてるかを他人が推し量ることはできないかもね

寂しいと思う時もあるにはあるが、そういう感情を抱かないように努力してるから表には出さないしな

だからきっと普通の22の男とは違う風に見られてるのだろう‥と、オカマの話を聞いていて思った

でもそれ、大した問題じゃない

そういう風に思わせておいた方が面白いし

だが、そのあとオカマが放った一言に仰天した

「みんなは騙せても私は違うのよ。神田ちゃん、もしかして結婚してるんじゃない?それか、彼女とは結婚してるのと同じくらい長くつき合ってるか」と

鋭い(>_<)

さすがオカマと言うか、だてにオカマしてないと言うか‥

どう答えるかニタニタしながら考えていたら、突然俺のケータイが震えた

M田から、明日休みだね、嬉しいな♪とメールが来たのだ

「仕事?」と聞くオカマに、ごめん、すぐ戻らなくちゃ、と言っちゃった俺

「そっか、いいよ、私もね、これから銀行に行かなくちゃいけない用があるから」とオカマは言った

多分銀行の用事なんてない

でもそういうことがポンと言えるのは優しい証拠だ


店を出た所で、また今度ゆっくりね!と言って解散した

オカマに結婚してることを秘密にする必要はないんだけど、オカマから女将さん、そこから学校の友達にバレるとすると、その後の対応に時間をかけて策を練らなきゃならないから、それが面倒くさいのだ

面倒なことは避けて通りたい

ただそれだけのこと

だけどもうオカマと2人だけで会うのはやめようと思った神田でした(危険)




自販機で買った麦茶を休憩室にいたM田にやった

いいところでメールくれたな、とヤツの肩をポンと叩いたが、何のことだか全然わかんなかっただろな笑