話題:車買います

冷たい風が吹く夕暮れ時に、新しい車を受け取った神田です

いつもなら取りに行くのだけど、今週はトヨタマンとタイミングが合わなくて、それを言ったらトヨタマンがトラックに積んで運んできてくれたのだ

職員用の駐車場の真ん中でトラックの荷台から車を降ろす作業中、ピーピーと大きな音がしたからだろうな、何だ何だ何事だと言わんばかりにみんなが集まって来てどうしようかと思った

割と高級な車ばかりが停まっている駐車場に、銀色に輝くハイゼットカーゴが降り立った時には違和感しかなかった

業者の車だと言えば問題なく皆さん立ち去ったと思うのだが、トヨタマンが大声で「神田さん、お待たせしました〜!」と叫んだので、誰一人として建物の方へ足を向ける者はいなかった

そしてまず七星氏が「この車、お前の?」と何故か不安そうな声を発した

ハイと答えようとした時に、今度はお局様が「何か運ぶの?」と不思議そうに言った

ま、運ぶかどうかは未定ですけど、これは私の車です!と答えるつもりで咳払いをした直後、寅吉が「若い頃こういうのに乗ってたよ。こんなにキレイじゃなかったけど」と懐かしい物を見るように言った

寅吉には買ったことは言ってあったんだよ

機器工場に行く時は、次からは新しい車になる、とね

寅吉は笑顔でいてくれたからよかった

七星氏とお局様は「なんでこんな車買ったの?こいつ」と今にも言いそうな顔をしていた

なので七星氏には、これは標準装備で灰皿がついています、と耳打ちすると、その瞬間彼はニヤッと笑った

そして俺の肩をポンッと叩いて、その場から消えた

お局様は「お米屋さんの車みたい」と発した後、寒そうに二の腕をさすりながら、班の女共を連れて回れ右して戻って行った

まあ普通の女にはわからんよ、この車の良さは

形も可愛くないし、快適装備は無いに等しいからね




写真はメーター内の燃料計と距離計

距離はまだ9キロ

ガソリンは結構な量が入ってる

普通は2目盛りくらいしか入ってないものなんだけど、トヨタがサービスしてくれたのだ



実はまだ運転してないんだよね

さっきまで夜勤だったから、昨日M美ちゃまが乗って帰っちゃった

俺一人の車じゃない感じだ

しかもオーナーカーという感覚も彼女は持ってない

シェアカーの気分なのかもね

そうだとしても仕方ない

戻ってくるのを待っている神田でした



眠くなっちった

おやすみ