17/12/24 01:44 (:読み終わった本)
  アガサ・クリスティー『三幕の殺人』ネタバレなし感想

ポアロもの。
三幕の舞台風に出来てる話。

引退した俳優チャールズの邸宅でパーティーをしていたら、お客様の一人がマティーニを飲んで急に死んでしまった。
その人が殺されるような人柄じゃなかったのと毒が見つからなかったので、自然死か殺人かあやふやながらモヤモヤとその場は終了。

しかししばらくして、当時の現場にいたチャールズの友人の医者が最初の被害者と同じようなシチュエーションで死んでしまう。
その事に、二つの事件は繋がってると勘付いたチャールズは、友人で演劇パトロンのサタースウェイトと活発な美人エッグと組んで、事件を調査することに。
ただ素人探偵じゃ限界もある、そんな時にたまたま第一の事件のパーティーに参加してたポアロが手伝わせて下さいと言ってきて…。

【人物紹介】
チャールズ→引退した人気俳優。
仕事はやめてもシチュエーションに合わせて色んなキャラを無意識に演じてしまうキャラ変おじさん、事件を調べるのにもその能力がちょこっと役立つ。
ほわわんした恋するイケオジ。
勝手にハリソン・フォードをイメージしてた。

サタースウェイト→チャールズの友。
本文中の描写だと彼の顔は取っ手のついた鍋っぽい。
しかしコイツは人間に対する観察力が優れていて知的な言葉遣いのなかなかキレる男。
謎のクイン氏という他の作品の主人公らしい。
暴走しがちなチャールズとエッグの冷静なツッコミ係。
取っ手のついた鍋顔が思いつかないから、勝手にシャーロックのワトソンの人で脳内補完。

エッグ→エッグはあだ名。本名はハーマイオニー。チャールズの家の近所に住んでる今風の大胆な女の子。
真相が気になったのと、今回の事件に乗っかってチャールズと一緒に調査したい…あわよくば進展したい下心ありきで参加する。わりと出来る子。
名前が名前だから、エマ・ワトソンで想像しながら読んでた。

ポアロ→見た目は卵っぽい頭の口髭生やしたプリチーおじさん。
しかしニコニコしながらもヤツは抜け目ない。
アクロイド殺しの犯人もあいつさえいなければー!と身悶えするくらいの秘密主義で奇襲かけるスタイルで犯人を滅ぼす人。
ナメられてナンボ!むしろどんどんナメて下さいの人。
あえてフランス語混じりに話す変な英語には理由があったと本作で判明する。

【ミニ感想】
『ゼロ時間へ』を読み終わったあと、安心したくてポアロかマープルをと借りてきましたが、またしても犯人の正体が分かった瞬間にギャー!!と叫びそうになりました。
安心出来なかったよ!いや、ポアロもんに安心を求めたらダメだったっ。
個人的にはゼロ時間へよりゾワゾワしました。

今回の犯人もカス!
しかも悪魔のように残忍なヤツだよ…。
こいつったらABC殺人事件の犯人並みに人間性が残酷じゃないの。
動機があまりにおぞましいものだから、真相を知ってヤツのやらかした事を思い返すと、ヤツの行動の全てが白々しく思えて忌々しい気分になりました。
この動機は分かんないわー。
けれど、もし犯人人気投票をしたらコイツはきっと上位にくると思うなぁ…。

冒頭で脚本仕立てに人物紹介がされてて、演出→なんとか、演出助手→〇〇と××、舞台衣装
ドコドコ商会…となってて、なんとポアロは照明係。
なんで照明係なのと思ってたら、最後の最後に納得しました。
そう、彼に照明係はピッタリでした!
(*´∇`*)


サタースウェイトさんが良いキャラしてたから、これは読もう。


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