土方は、ゆっくりと鏡台の前に腰かけた
そして、そこに映し出された自分の顔に苦笑した



「さえないツラ……」



鏡を殴りつけたい衝動に駆られた腕は、その衝動を抑えようと、フルフルと震え、目頭が、じんわりと熱くなっていた。



「覚悟…してた事じゃねぇか、十四郎…」



いつの間にか、ポタポタと頬を伝い漏れた雫が、襦袢の上に幾つもの滲みを作ってゆく。

それでも震えが止まらない土方は、近藤さんの為だと自分に呪文をかけるかのように、何度も念じ、涙を拳で拭うと凜と頭を持ち上げた。