2017.6.14 Wed 11:30
スリーピング・バグ/京山あつき


話題:BL漫画

※※打って変わって真面目※※


あああもうぅ〜〜〜〜！！！
私の中で今年1番のBLだった。まだ、6月だけど言い切れる。それでも、後悔しないと思う。大好き。

いつもキモい感想しか書かない(書けない)、私にこんなに語らせるんだから京山さんは本当に恐ろしい人。



スリーピング・バグ/京山あつき

好きなら繋がりたい先輩×好きを大事にしたい後輩。

恋愛は、よく分からないし興味ない。「パートナーを探す機能」がバグってるのかも…?
そんなふうに感じていた潤野は、
“好き=セックス”になる感覚がつかめないままIT業界で働く先輩、本郷に、恋のようなものをしていた。

本郷に気持ちを伝えるも、好き=セックスでないならそれは憧れだと言われ、納得がいかない潤野は――?
レンアイ低温男子の、眠れる恋心を目覚めさせるプログラムとは?



一読してから改めてあらすじを読むと、編集さんは天才かな？と思う文才。編集さんの愛を感じる。
そもそも「恋愛」という答えのないテーマを、今回はプログラムという0と1だけの2進数に当てはめて物事を考えていることから話が始まる。だからこそ、極端なことしか考えられず、すれ違う、まさに京山さんテイスト。


まず、そもそも私は京山さんの描く「憧れ」が好きという話。
京山さんの作品で、不細工(くそ可愛いけどな)受けBLとして話題になった「聞こえない声」が本当にツボ中のツボ。
”憧れ”と”恋愛感情”を描いてて、これは不細工ってだけで止まるような作品ではない！と永遠のマイベストとして推しております。


しかし！！！

今回はもう2人ともいい大人なので、その「憧れ」と「好き」の混同を、先輩はバッサリと切り捨てるんですね。おやおや。

一緒にいるんならセックスは必須と本郷さん、
かたや、自分はそんな体の関係を望んでるんじゃない、ただ一緒にいたいだけなんだと潤野。(…青い！！！)

なら、何故一緒にいたいのか？
そして、「憧れじゃない」「ただ一緒にいたい」という気持ちを本郷さんに何と表現したらいいのかわからずモヤモヤ。

実際に、仕事を失って抜け殻になった本郷さんを500万で買ってみたけど、それも結局違う。ーーーただ、一緒にいるだけでは足りないことに潤野は徐々に気がついていく。

焦れったいんだけど、
前に進んだと思ったら、後ろに戻ってみたいな女々しさじゃなく、答えを模索する姿は低体温とかいいつつ、むしろ恋愛に真摯なんじゃないかと感じるし、やっぱ出会って3秒で合体はあかんなと。


ずっと、何故一緒にいたいのか？何故一緒にいるのにセックスをしないのか？の問答だけど、
本郷さんに「好き」と言われ、それは、理屈で今まで話してた潤野が、初めて「好き」が理屈ではないことに気がつく瞬間でした。

ああ、もう焦れったかった、好き！！！

本郷さんも言葉が足りないよね。
「一緒にいたい」から「セックス」じゃなくて、「好き」だから「一緒にいたいし、セックス」もしたい、そんな単純なことだったのに。

「好き」という気持ちが胸にストンと落ちて、もっと近づきたい、離れてることが不自然。そうして、2人は初めて体を重ね…それから潤野はもう毎日重なりたいのよ！(苦笑)

なんなら本郷さんにケツを捧げても良いと。
そして、私は気が付いた。

あ、これ年下攻めじゃないやつや。

……まぁ、いいでしょう。

そもそも、潤野はセックスが恋愛のフィニッシュだと考えていたと語る。だから、セックスは必要ない。
その根本が、「ずっと一緒にいたい」と思ってるからこそ、いつか終わってしまうことへの恐怖みたいなものだったんだなぁ…


”体が溶けて、ひとつになってしまいたい”

今回の作品のテーマに対して、
本郷さんが見つけた答えは「時間」。

招待された結婚式で新郎新婦の父母を見て、
「何十年も連れ添うと、こんなに混ざり合うもんかな…て思ったよ。」
「ずっと一緒にいて交わって、混ざり合ったらもう…簡単には元に戻れないんだ」

と語る本郷さんを見て、なんかもう私がこういう人と結婚したい。(嘘です、HOMOが好きです。)


全然関係ないけど、川本真琴さんの「1/2」てこういうことだよね。
もともと1人のはずの人間が半分になっちゃったて感じるくらいに、くっついてたい＝好きなんだね。


画的なエロさほぼ0なのに、このドロドロに混ざり合いたい精神的なエロさを何と表現したらいいのか…っ！
語彙力追いついてないけど、読み終わった後に大変よき、BLじゃった…と泣いた。尊い。

「好き」は結局、理屈じゃなく本能で、私が異常に男同士の恋愛が好きなのも、「バグ」じゃなくて「仕様」なんだと思うと、勇気が湧いてくるね！！
これからも、ずっと腐敗し続けるよ！！！





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