螺旋状に突っ走って死にたいプロフィール
2018/4/23 Mon 20:22
しまむら!パン買ってこいよ


話題:しまむら

中学生の頃の同級生にしまむらって奴がいた


運動も勉強もできるが、ちょっと頭がイカれてる奴で
授業中に陰部をこっそり露出(しかもマウンテン富士状態)
したり、女子が周りにいようがエロ本を堂々と読むという猛者であった

まだSNSも流行っておらず、大らかな田舎だから良かったものの、今の時代だったら確実に自撮り(陰部)をして、これが本当の自撮り棒(性的な意味で)とか言い出しかねないほどの男だった
「漢」と書いて男だった

そう、俺はしまむらに憧れていたのだ

と言っても陰部露出したいとか、エロ本読んで女子に蔑みの視線で殺されたいとか、そういう性癖があったわけではない

俺が惹かれたのは彼の自由さであった

周りの人間のことなど考えない、その傍若無人さ

人の顔色を伺い優等生ぶっていた俺からすれば、それは手に入れたくても手に入れられない宝物でようであった

そんなしまむらと同窓会で再会した時
俺は目の死んだ大学生であった

親の脛をかじり、しゃぶり、咀嚼し、モラトリアムを謳歌している俺
そして、パチンコで生計を立てて車を買ったというしまむら

その差は圧倒的であった

彼の刹那的な自由さに俺は嫉妬で狂いそうであった

二次会に行く途中で、しまむらは警察署の目の前の道路の真ん中で大の字で寝はじめた
「殺せよ!俺を殺せ!」
しまむらの慟哭が響いた

その光景を俺はなぜか美しいと思ったのだ

ゲロまみれのしまむらを背負って歩きながら俺は涙が出そうだった
どうしてこんな風に生きることができないのか

好きなように好きなことを好きなだけやる
なぜ俺にはできないのか


しまむらは今どこで何をしているのだろうか

今でも陰部を露出しているのか、今でもパチンコを愛しているか
今でも好き放題生きているのか


しまむらという言葉を見るたびに、しまむらという店を見るたびに

俺は奴を思い出すのだ




フィクション

かもしれないね



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