螺旋状に突っ走って死にたいプロフィール
2016/2/2 Tue 23:22
10分構想(12回目)

話題:自作小説

「三日月の子供達」
月が綺麗な夜でした。
私はふと夜の世界へ飛び出したのであります。

なにかに誘われるように、私は歩きました。意識が朦朧としていました。

気が着くと私はか細い月明かりの下、川沿いを歩いていたのです。

三日月が川の水面に映っていました。

私はその月を見つめました。


どのくらい時間が経ったでしょうか。
視界の端に、何か蠢めくものが見えました。

そちらに視線をやりますと、そこには子供が一人いました。
不可解なことに、その子供は宙に浮いていたのです。
そして、その子供には片足がありませんでした。

私はその子供を見つめました。じっと見つめておりました。

するとまた視界の端に蠢めく物があるではありませんか。
そちらに視線をやりますと、そこにも子供がおりました。
その子供には、片腕がありませんでした。

よくよく見ますと、何人もの子供達がいることに気がつきました。
どの子供も身体のどこが欠損していました。

子供達はゆらゆら揺れながら空中を歩いているのです。


私はそれをずっとずっと見つめていたのでありました。



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