14/03/09 22:35 (:未完成)
はるだー


雲一つなく澄んだ春の穏やかな青空と、まだ冬の名残で冷たいまま吹き抜ける風にエルエルフは目を細めた。日差しはだいぶ心地良いが日陰はまだ底冷えするような三月の上旬のある日、新生ジオールの中核である咲森学園では卒業式が行われていた。

ドルシア帝国の奇襲から始まり最終的には人類とマギウスという地球外生命体との決戦となった一連の事件から、はやくも一年が経とうとしていた。多くの犠牲を出して得た明日を生きるーーー指南ショーコを始めとする生き残った新生ジオールの面々は、一年の間にその決意を見せつけるかのような速度でモジュール77を復興してみせた。その証明と、総理大臣である指南ショーコの意向によって卒業式が執り行われることとなった。

元ドルシア帝国からの亡命者であり件の革命の中心人物であるエルエルフは咲森学園の生徒ではない。しかし途中からはジオールの中心となって時には誰よりもその身を危険に晒しながら彼らと共に戦ってきたこともあり、また彼らと同年代であることから強制的に卒業式に参加させられていた。

今日卒業していくのは戦いの当時に二年生だった生徒達だった。しかし実際には、昨年はまだモジュール自体が整っておらず生徒達も戦いの事後処理に追われていたことから式を執り行えなかった一つ上の学年も含めた二学年分の卒業式を行うこととなっている。

教師らしい、グレーにストライプの入ったスーツの七海リオンが生徒一人一人の名前を呼び、校庭に一段高く作られたステージで卒業証書を渡していくのを眺めながら、エルエルフは今日本来ならばこの場で卒業していくはずだった少年をひそかに思い出していた。

「苦さも甘さも半分こ」そう言って、エルエルフと世界を革命するという意志を共有した人型兵器ヴァルヴレイヴのパイロットーーー時縞ハルトは、マギウスとの最終決戦で文字通り死力をつくして戦い、その命を使い果たした。その決着により戦いは終結し、新生ジオールは疑いを晴らし、またマギウスの存在が明らかにされ、彼とエルエルフの理想である「人類とマギウスが共存できる世界」への道が始まったのだった。

彼がいなくなってから、もう一年も経とうとしている。

初めてハルトと接触したときのことを、エルエルフはよく覚えている。ドルシア軍のエージェントとしてジオールの咲森学園に潜入したとき、なんでもみんなで分け合えたらいいのに、という甘い発言に虫酸がはしり、初対面であるにも関わらず引き倒して刃を向けた。その後ハルトがヴァルヴレイヴのパイロットとなり、エルエルフが結果的にジオールへ亡命し生徒達と共にドルシアへ反旗を翻すようになってからも、互いに互いのやり方に共感できずによく反発した。しかし一方で、お互いに自分にはないものを持っていたことを認めており、最後にはそれぞれの考え方を半分こして共有するようにまでなった。



んー書きたいとこまで辿り着けない…!
続きは今度!



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