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          学問

こんばんは
前回も拍手、コメントくださった方、ありがとうございました コメントへの返信は追記にて

読書の秋、というわけでもないのですが、最近読むスピードに拍車がかかってきたのでまたも読書記録です

話題:読書



東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、眠るのが生き甲斐の千穂。4人は友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。一歩一歩、大人の世界に近づく彼らの毎日を彩る生と性の輝き。そして訪れる、それぞれの人生の終わり。高度成長期の海辺の街を舞台に4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぐ、渾身の長編。(amazonより引用)

山田詠美さんは私の好きな作家の一人でもあるのですが、今まで読んだ山田詠美の小説の中で1番好きかもしれない

情景の描写の手法、繊細な心理描写、言葉選びの美しさ どれも素晴らしかったのですが、中でもとくに、主人公の仁美の言う「儀式」の考え方が面白かった

「儀式」とはつまり、平たくかつ乱暴に言えば自慰のことを指すのですが、作中では「儀式」と「自慰」は大きく異なるものです 仁美にとって、「儀式」は高尚で特別なものなんです

セックスの描写も、やらしさが無いというか、すごく清らかで神秘的なものに思えてくるようでした

いやらしくて、背徳的で、滑稽なもので、ある意味では汚らしい印象を持ってしまいがちだけど、それを感じさせないというか

私が文章で説明するよりも、これはぜひ読んで感じていただきたいです

小説の中にも、単に話の展開を楽しむものと、言葉の美しさ表現の巧妙さを楽しむもの、二つのタイプがあるように思いますが、この「学問」はどちらのタイプにも当てはまるものでした

山田詠美さんの小説は恋愛小説がほとんどですが、彼女の書く恋愛はただの夢物語や稚拙な虚構じゃないところが好きです

前々回の白いしるしでも言いましたが、恋愛は決して甘く切ないものなんかじゃないんです もっと泥臭くて、必死で、エゴイスティックなものだと思うんです

このことに関してはまだまだ言いたいことはありますが、これ以上書くと長くなり過ぎるのでまたの機会に

とにかく、これはぜひ1度読んでいただきたいですね まさに「学問」というタイトルがぴったりな小説でした
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