Q つーかお前、前からそんなにチョコレート好きだっけ?
A いや、むしろ昔は嫌いだった。



「えっ。そうだっけ?」
「専門学校に出入りしてた頃はほんとに苦手だったよ。お腹にたまるし、あんまり量が食べれないし。味も濃いし。」
「んー…? じゃぁなんで今そんなのに?」
「…多分だけど、」


最初の店は、まぁ、うん。オーナーの権限が強い店だったんですが、唯一、彼の人はチョコレートに興味がなかった。だからたくさんのお菓子やその関連イベントの中で、たったひとつ、バレンタインだけ、従業員に丸投げ、完成品を持って行って許可さえとれば販売に乗せられる。そんな機会だったんです。
唯一自由に作れるチョコレート。唯一自分が責任をもって好きにできる範囲。それがまー、うれしかったんでしょうね。楽しくて楽しくて。チョコレートに興味を持って、それにそういう職業だからってバレンタインの商戦の見物にも出かけるようになって。
そしたら次の店も、自分以外にチョコレートを扱うことができる人がいなくって。全部一人で企画発案をやって、チラシまで作って販売もやった。製造管理もすべて自分一人で。たった一人で。そしたらチョコレートがかわいくなった。バレンタイン商戦の見物にも力が入った。来年は、どうやって作ろうと。

運のいいことに、ちょうどそのあたりからチョコレート自体の品質が上がってきた。

バレンタインってイベントの盛り上がりも徐々に激しくなり、ボンボンショコラだけじゃない商品も増えた。数年前から新興国が増えてきて、店自体種類が増えた。毎年毎年多くのメーカーが参戦するようになって、ついに”単一地域のみを使った商品”が注目を集めるようになった。
タブレットチョコレートのおいしさに気が付いたその瞬間、カカオの木の持つ無限の可能性がとても魅力的に見えて、科学的なロジックを経て作られるチョコっていうたった一つの食材が、そのバリエーションの多さが、なんだかとても、好きになって。
自分がおいしいものをうまいと言ってもらえるその快感が、病みつきになって。


「今に至る。」
「…濃い。」

っていう会話を友達とやったのを思い出しました。昨日? バレンタイン商戦見物しに行ってましたけど三回目。さーんーかーいーめーー。トータル四回行く予定なのであと一回。もうそこまで買うつもりはないですけどね。いまんところ、二十二個。お酒も含めて二十四個買いました。額? ただいま計算してますけど、多分諭吉さん三人と樋口さん一人ぐらいが仲良くスクラム組んで旅立ってったって感じですかね。お前ら帰ってこい。


さて今日は出勤。明日は半休で、そのままチョコレート四回目最終回に行く予定っす。たのしみー。