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電車 靴底 溜息

何度目かの溜息が首もとのマフラーへ吸い込まれる。
毎朝、満員電車で俺の腕に守られ眠るヤツが
可愛過ぎてキスをしたい衝動との戦いに
カーブを曲がり他人の 靴底に踏まれ我に返る。
痛みの元をたどれば愛おしい赤い眼と目が合った。
今日サボらね?
と耳元で囁く声。
カンカンとなる警報機と鼓動が同調する。

ブランコ 約束 悪寒

朝靄の中からブランコで揺れるヤツを探し出した。
お互いの立場をわきまえた逢瀬。
太陽が昇ればシンデレラの魔法が解けるかのように
二人の関係は恋人から生 徒と教師へ。
いつもより冷たい唇と悪寒で震える身体を包み込み
魔法が永遠に解けなければいいのにと口づけを贈る。
約束の卒業まで後少しの我慢だ。

昨夜 赤 マヨネーズ

日が昇り切らない朝。
痛いんだ、
とヤツは背中を向けた。
その場所にはハッキリと何本もの赤い線。
昨夜の愛の実験過程が残っていた。
痛い?
と背中に舌を這わす。
ヤツがマヨネーズを吸う時と同じように、
丁寧に一本一本味わう。
まるで吸血鬼だな、
と視界が反転。
成功も失敗もない二人の実験が再開する。

こおろぎ 喧嘩 振り向く

この一夏のヤツは万事屋に姿を見せなかった。
染み付いたはずの苦い臭いも消えていた。
こおろぎが鳴けばヤツの夏休みが始まる。
だまかと月に喧嘩を売ると、そっと扉が開いた。
振り向く前に目に入った白い煙だけで身体が火照った。
そして綺麗な虫の羽の音が鳴く。
朝まで鳴かされる覚悟は出来ているか?

闇 足首 気配

空に闇が広がり風は吹き荒れ雨水を巻き上げた。
歩く度に足首すら力の入らない水音が鳴く。
傘の前に人の気配を感じて見上げると
プレスをかけたように雨に濡れた銀髪の男子高校生がいた。
えーと…坂田君?
傘が壊れたから入れて土方君!
と許可する間もなく相合傘で登校。
それまで雨が止まない事を祈る
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このブログについて
ダメな大人の階段のぼったヲタク腐女子の管理人が twitterにて不定期に書き連ねた 140文字土銀小説の収納庫です。
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まひるさんのプロフィール
性 別 女性
誕生日 4月27日
血液型 A型
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