月の観測記録
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[ロマンチカ 二次小説]
七夕まで後三日。
2010年7月14日(水) 04時05分
俺はやる時はやる男だ。深夜には原稿を上げたのだが、鬼編集者の駄目だしを食らい、夜明けまでかかってしまった。
「文句は無いな。あっても受け付けん!」
書き上げた原稿を叩き付ける俺。
「お疲れ様です。いつもこんなだと楽なんですがね」
逃亡防止・監視役の相川の疲れた声が続くが無視。
「俺は帰るぞ」
意気揚々と帰宅宣言をしたのだが、時間が早過ぎて帰宅のアシが無い事が判明。相川に文句を言うと「だって逃げられたら困るじゃないですか」と返されてしまった。
折角仕事を片付けたというのに、とんだフェイントだ。
苛々しながら時計を睨み、始発を待って帰宅した。一路美咲の下へ――。
帰宅して初めに目にしたのは、朝食を作る美咲では無くリビングに鎮座する巨大な笹であった。
「…美咲が買ったのか?」
なんとも邪魔な置物だ。上の方に短冊を見つけて手に取って見る。
「美咲の願い事か?」
恥ずかしがり屋のアイツの事だ、普段は口に出来ない『ウサギさんと日がな一日イチャイチャしたい』とか書いてある事を希望したが…。
『高橋君と秋彦の妨害なく食事が出来ますように――冬彦』
この世で尤も関わりたくない人からの見過ごせない内容が書かれていた。そして思い出す。昨日の美咲の台詞――。
『俺は外泊する…』
――まさか。昨日の監禁はあの人が手を回したのか
目的の為には手段を選ばない人達だ。十二分に有り得る。
徹夜明けで疲れた頭はこの思い込みを最悪な方向へと駆り立てた。小説家とは因果な商売だ。時々現実と妄想がごっちゃになる。そしてこの時もそうだった。俺は妄想を実際にあった事と決め付け、帰宅した美咲を強引に組み敷き、責め苛んだのだった。
目が覚めたら、目の前には気を失った美咲がいた。目元が赤く腫れているのは恐らくは泣いたせいだろう。
いつもと異なり酷く抵抗されたので、こちらも手加減せずに攻めまくった記憶が微かにある。
「美咲…」
腕の中に美咲がいる事が嬉しくて、強く抱き締める。密着した肌から感じる温もりと微かに触れる吐息。度重なる口付けにより赤く色付いた唇。白い首筋に浮ぶ赤い斑紋――。
それらを目にし、過ぎ去った筈の熱が再び我身を苛む。躊躇う必要は無い。愛しい相手に対しこの様な想いを抱くのは至極当然の事。
欲望の命ずるままに美咲を貪り尽くすのだった。
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