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忘れられた誕生日 その後。

それから数日、
けんちゃんは元気のない日が続いて

メールにも
(._.) ←こんなのとか、

(´・ω・`) ←こんなのとか…


別に私は怒ってるわけじゃないのに。




『なんで、いつまででもそんな感じなの?』

『反省してるんです(´・ω・`)』




『だったら、気の済むまで反省してればいいよ!

けんちゃんの反省が終わるまで、
会わないしメールもしない。』




けんちゃんは、
謝り方が下手だ。


下手ってゆーか、不器用。




前にも言ったことがあるけど、

言い逃れをする政治家の謝罪文のような、
友達にこんな謝り方したら今後はないよ、って思うような…

自分のことを『わたくし』とし、

文の最後に自分の苗字を入れたりして。



気持ちはあるのに伝わらないって、
損じゃない?





何でもそつなくこなしてきた、
優等生にありがちな不器用さ。

いつも誠実で、友達の信頼も厚いから、
トラブルに巻き込まれたこともなく、
裏切ったり裏切られたりしたこともない。







その晩、
けんちゃんは眠れなかったらしく、

朝の5時頃
『本当の意味』での
謝りのメールが入ってた。



『ウジウジとしてしまって、すみません。
ねーさんと 仲直りしたいです。
ねーさんと 一緒にいたいです。』



そして、自分のことを
『僕』

としていた。





それを待ってたの。



作られたコトバじゃなく、

けんちゃんの言葉を…

忘れられた誕生日

もうすぐ、
またひとつ歳をとる。
だんだん喜びも薄れてきたけど(^^;)


昨年の誕生日、日付が変わる頃。
いつものように けんちゃんとメールのやり取りをしてた。


12時を過ぎてもフツーにメール(。・・)

娘からはおめでとうのラインがきた。

けんちゃんはやっぱり いつものお喋り。


ぇ…?
やっぱ忘れてる( ̄。 ̄;)
ま、いーか。

そのままおやすみなさい…



次の日も何もなく、
その次の日も…

お友達からはプレゼントやメッセージたくさん頂いたのに。


二日間何もなく、
おやすみなさいをして寝たら、
夜中の変な時間に長文のメールが(゜ロ゜)


論文を書き込んでるけんちゃんらしい、
丁寧で事務的な謝罪文(・∀・;)


『彼氏でありながら、ねーさんを喜ばせることを怠った』
『身をもって償います』

『今後は緊張感をもって…』



まとめて言うと、
けんちゃんはちょうど論文を書いてる最中で、夏休みのオープンキャンパスの準備も任されていたので、
バタバタの中 私の誕生日を忘れていたのだ。


忙しいことは分かってたから
別にかまわない。

私も誕生日は毎年仕事だし。


『いいよ、気にしないで!』

そう言ったのに、
けんちゃんは自分を責めてしばらく立ち直れなくて…



そんな彼に 私も少しイラッとした。

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