罰ゲーム

今日は、ちっとも音沙汰ないNさん。
私の送ったラインも既読にならない。

よっぽど忙しいのかと思ってたら、


『今、支店にいるよ(^^;)
まだ帰れそうにないから、先に帰ってて。』


そしてまた、途絶えた。



それならジムでも寄って帰ろう…

ジムの更衣室で着替えようとしたら、

『今から帰るね(*^^*)』 とNさん。


脱ぎかけた服を元に戻してジムを飛び出した。



帰り道にあるファミレスで待ち合わせ。


『なあに?
今日、研修だった?(。・・)』


『いや… それがさぁ…( ̄∇ ̄;)』


どうやらNさんは、
クレーマーからおかしなケチをつけられたらしく、支店に出頭したとか。


『クレーム?(;・д・) Nさんが?

何かの間違いじゃないの?』


Nさんの誠実な仕事ぶりは、
同じ会社で仕事してたからよく知ってる。
会社から表彰される、優秀な社員だ。
お客さんからの評判もいい。



『俺はちゃんと対応したつもりなんだけどね。 まぁ何か不愉快な思いさせちゃったんだろうね。』


言葉のたった一音でお客様の怒りに触れることもあるものね。
ましてやクレーマー。



『かわいそぅ(^^;)
で、罰ゲームだったの?』


『そう、罰ゲーム…だな。笑』



罰ゲームとして
上司との面談、慣れない仕事をさせられて
ちょっとお疲れ気味のNさん。



でも、
出頭したおかげでこうして一緒にご飯が食べられた(^^)



『ちょっとだけ、話していかない?』



Nさんに誘われて、
彼の助手席に乗り込んだ。


ご飯を食べながらいっぱい話をしたのに。



そろそろ帰ろうとした時、

Nさんが体を低くして意味深にニコッとしたから、
唇を重ねた。


おじさんのくせに、
カワイイことするわね。



今度から、
クレーマーと面倒くさい女性には気をつけて
(*^^*)







再び

昨年、
大きな手術をした母。


治すために、

生きるために、

いっぱい臓器を摘出した。



不自由な体になってしまったけれど、
ようやく山を ひとつ、ふたつと乗り越えて、

やっと明るくなりかけた。

それなのに…



再発してしまった。



そしてまた、母はうつむくことに。



いっぱい悩んで、
眠れぬ夜が続いて、

もう一度手術をする決心がついた。



年齢や体の負担をを考えたら、
もう後はないような気がする。


これで終わりにしたい…



再び、闘いが始まる。

どこ見てますか?

『やっぱり たまんないな〜!』



『うん、
顔がニヤけてきちゃう(*^^*)』




こんがり焼けたウナギを頬張る。

今日のお昼は
ウナギ専門店で頂いた。


Nさんが、
遠くの街までお花見に行こうか!

と誘ってくれたけれど、

昨日は仕事が忙しかったみたいなので、
近場で美味しいものを食べようって提案した。



ウナギは二人とも大好物だけど、
またまた値上がりしていた。

『ウナギもだんだん遠い存在になってくね
(;・д・)』





食後に、
小高い場所にある神社の桜を見に行った。


ここは、以前けんちゃんと来た場所。

あの時はまだ数輪しか咲いてなくて…



今日は満開の桜。
ポカポカ陽気で気持ちいい。


Nさんと、
初めてのお花見デート。




『次は、どこに行く?』


『そうね〜、
お腹もいっぱいだし、
キレイな桜も堪能したし(∩´∀`∩)

私はもうじゅうぶんだけど。』




『じゃあ、休憩だな( ̄∇ ̄)』



OKしていないのに、
休憩場所に連れてかれた。



ウナギが効いてたかどうかは、 秘密。







そういえば、
先日ネットで面白いアンケート調査だかを見たなぁ…と思い出して、
Nさんに聞いてみた。



『Nさん、あのね…


hの時って〜  どこ見てるの?』




『どこって、

そりゃぷくぷくさんを見てるよ!』


『えっ?(;・д・)   私のどこを?』



『顔…かな。

気持ち良くなると目を閉じたりするけど。

でも、どうして?(^^;)』



『ちょっと、ネットで見たから…(;・д・)
ぁ、気にしないで!』



『ぷくぷくさんは?』



『わっ、  私は〜

恥ずかしくて顔は見られない(´-ω-`)』





なんか、
つまんないことを聞いちゃったなぁ。



でも、
次からどんな顔すればいいかしら?




顔見られてるなんて、知らなきゃよかった…




墓穴を掘っちゃったわね。笑



踏み出した一歩

もし、
けんちゃんに会っていたなら、

きっと私は自分を見失っていた。


号泣して、取り乱してしまってたかも知れない。

みっともない最後を
けんちゃんに見せるところだった。



けんちゃんは、全て知っていた。

私のことを全て…


だから
『来てください』 と言ってくれたんだ。


置いて行かれるのと、

会いに行くのとでは
気持ちが180度違う。


そして彼は、
『さよなら』と言わなかった。


そういう優しさが好きだ。






けんちゃんは、
遠い街で 社会人1年生として自分の足で歩き始めた。



けんちゃんとメールをした翌日。


一週間の連休明けで仕事がダルい…
はずだった。



でも、
彼の言葉で

少し背筋が伸びた気がした。





いつかきっと会いに行こう。

私の涙が枯れた頃に。




涙は枯れても、

私は枯れちゃいけないね。




おばあちゃんになっても、

『この人と巡り逢えてよかった…』




そう、
けんちゃんに思ってもらえるように。



ステキなおばあちゃんになろう。



そのための、新しい一歩。





けんちゃんと、
歩んで行く方向が違っても…








お別れじゃない。

けんちゃんの卒業式の日、

何ヶ月ぶりかにメールをした。



『卒業おめでとう!』



祝賀パーティーとかで返信どころじゃないだろうな……

諦めていたけれど、ちゃんと返信をくれた。



『何とか卒業することができました(^^)』


また〜 謙遜しちゃって。
けんちゃんなら余裕で卒業できたはず。


『けんちゃん』なんて、馴れ馴れしく呼んじゃダメね。
立派な博士だもん。



プレゼントを渡したいから、少し時間取れないかな?
って聞いたら、

送別会やらイベントで立て込んでて、予定が合わなかった。

すでに、マンションも引き払っているとか。



そっか…




『会えなくてすみません。

ねーさん、是非○○県に来てください!
ボク、案内しますよ(^^)
プレゼントはその時頂きます。』



『……えっ? ○○県に?』




『はい(^^)
美味しいお店もリサーチしておきます。

それに、研究のことでこちらにも来ることがありますし。』






社交辞令だってわかってる。


でも……




『わかった!
私 本当に行くからね(・∀・)』


『はい、来てください!』






けんちゃんのプレゼントをラッピングしてもらって店の外に出てから、
駐車場の車の中で号泣した。


何故泣きたくなったのかわからない。



これで本当に終わってしまった…

そう思ったのかも知れない。





『けんちゃん、本当にありがとう。

コーラばっかり飲んでちゃダメだよ。
体に気をつけて…』




『ありがとうございます。

もうアラサーですからね。
気をつけます(*^^*)』




出逢った頃、
二十歳そこそこの男の子だったあなたも、

もう来年は30歳なのね。

私も歳を取るはずだわ。







けんちゃんは、

今朝 この街から旅立った。








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