ホントのこというと、

けんちゃんのことを思い出さない日はありません。




論文仕上げたかな?

風邪なんかひいてないかな?

今年の冬休みは帰省したかな?


もう、私のことなんか忘れちゃったかな……





けんちゃんの連絡先も、

けんちゃんからのメールも
未だに消せないでいる。


頂いたものも ちゃんと取ってある。

これは、捨てるつもりはない。



けんちゃんの体温も、

香りも、


肌の感触も、



恐ろしいくらい鮮明に覚えている。





だから、
こんな気持ちなのかもね。



でも、
けんちゃんとのことを『ゼロ』にはできないのです。




7年かけて愛した人は、

7年かけたら思い出にできるでしょうか?




変な病気にかかったものだな。





でも幸い、
私には Nさんという『腕利きのドクター』がいて、

幸せな時間を提供してもらってる。



だから、
けんちゃんに『会いたい』という気持ちはない。




けんちゃんのことを忘れたくて

Nさんと一緒にいるわけでもないと思ってる。




Nさんとは、
ずーっと一緒にいたい。

一緒に、年をとっていきたい。




ただ、

私の中の一部分が
まだ宙ぶらりんなだけ。




でも、 大丈夫。




大丈夫だから……