ある時、
けんちゃんに本気で叱られた。


『けんちゃんも、同世代の女の子が彼女だったら
もっとノビノビといられて 自分を出せたんじゃないの?』


そんなことを言ったら
怒った。




『いい加減にしてください。
そういう選択肢もある中で、僕はねーさんを選んだ。
大好きで、一緒にいたいから…

それの何がいけないの?

ねーさんといる時こそ、僕は僕でいられる。』





若い女の子の方が、絶対いいに決まってる。
心の隅っこで
ずっとコンプレックスみたいに気にしてた。


けんちゃんは決して声を荒げたり、
感情的になったりしない。



その彼に強く言われて、
今まで何年もの間モヤモヤしてたものが

いっぺんに晴れてった。





私は美人でもなければ、
スタイルがいいわけでも
お金持ちってわけでもない。


こんな私と、
けんちゃんは何故一緒にいるのか。




でも、
そんなこと どうでもよくなった。



だって、
私は何故けんちゃんじゃなきゃダメなのか…?




……大好きで、
一緒にいたいからだよ。





一緒にいる理由って、

ふたりが同じ気持ちでいるからなのよね。