頭いいオーラむんむんだった。
権力に楯突くタイプな私は、まず偏見を持って評価しちゃうんだけど、ガチエリートは次元が違うわけで。
キレッキレだった。

私が弟のようにかわいがってた従兄弟が、司法試験に一発で合格したらしく、春から海外の弁護士事務所で働くらしい。
●大から院出て司法試験も20番以内とか、もう何目指してんだあいつは。
それでもぬめちゃん元気かっていつも聞いてくるらしい。
私の事ほんっとに大好きでめっちゃなついてたけど、最近はお葬式でしか会うことがなく…
どんなにエリート街道を進もうが、しっかりと自分を持って面白い人間でいて欲しい。
私はそういうことを彼に伝えたい。
2時間位くどくどと伝えたい。
頭がいい人間、肩書きが立派な人間…たくさんいるけど、ガッカリするほど魅力のない奴もたくさんいる。
世界でたった一人の私のかわいい弟にはずっとぬめちゃん元気かって気にしてて欲しい。
何かを失わなくては何かを得られないというけど、失うべきは人間らしさではない。
忙しくて思い出せなくなってもいいけど、冷酷な人間にだけはなって欲しくない。
だって私にとってはニューヨークで弁護士やってます、なんて特段価値ないもん。
かわいいままで、元気でいてくれたらそれでいい。
見た目も松潤をシュッとさせた感じだし、彼は高スペックかもしれん。
でも高スペックな人間で、中身も高スペックな人ってなかなかいないから、全てにおいて高スペックを目指せばいいよ。

とりあえず高スペックなだけの偉い人は、話が面白くなく無駄に長くて、気付けば私は旅行先をどこにするかで頭がいっぱいになっていた。