話題:今日見た夢




何もかもが清潔な、言葉を変えれば無機質な白に染め上げられた部屋で友人を看取った。
悲しいのかも最早、私には分からない。

不思議な病が蔓延していた。
薔薇の花によく模した痣が身体に浮かび上がり、そして死に至る病。

原因も治療法も全く不明ではあるが、身体の何処かに浮かんだ痣が色鮮やかになるにつれ、花が枯れていくように緩やかに衰弱していき死に至る為、苦しむこと無く眠るように逝けるのだそうだ。

不治の病と恐れられる病であったが、私的には理想の死に方だと思う。
事故にしろ病気にしろ、何かしらの原因で訪れる人生の終なんてものは大概痛みに苦しむからだ。
痛みも苦しみも無いまま死ねる幸福な人間なんて、この病にならない限りは僅か一握りくらいしか居ないだろう。

首元に鮮やかな薔薇の痣を咲かせた友人の安らかな寝顔に、私はそう思い込むことしか出来なかった。

私の手首にも痣が浮かんでいる。
元々、暗紫色のぼんやりとした形の痣でしかなかったそれは少しずつ色鮮やかになり、形をはっきりと浮かび上がらせていた。
その所為か酷く瞼が重い。
友人も眠いとよく口にしていたのを思い出す。

じきに私も眠りに就くのだろう。

緩やかに力が入らなくなり始めている自身の身体に、ぼんやりとそう思った。






夢の前後はよく覚えていないので記憶に残った部分だけ。
もしかしたら書いた部分の内容しか夢を見ていないのかもしれないが、何となく綺麗な夢だった。