話題:今日見た夢



ぼんやりと視界に広がる自身の姿を眺めていた。
目の前にある無影灯には、ステンレスの台に仰向けに横たわる自分の姿が映っている。
腹には一筋の切れ目が入っていて、中から引き出された赤黒い内臓が微かに蠕動しながら無影灯の明かりに艶やかに光っていた。

その内臓を緑色の術衣を着た医者が一つ一つ大きさを測ったり、慎重に指で触れたりしながら丁寧に調べている。
不思議な事に一滴の出血も無いし、痛みもない。
ただ内臓の一つ一つに触られる感触だけは、やけに生々しく伝わった。

『ん、大丈夫だねー綺麗ですよー』

そう云いながら医者が私の顔を覗き込む。
術衣とお揃いの緑色のマスクと医療用の拡大鏡を着けている所為か、どんな顔なのかは分からないが声は優しかった。
医者の言葉に分かったと頷くと、拡大鏡の奥で目が細く弧を描くのが見えた。

しまいますね、そう云って腹の上に広がった内臓をパズルのピースを填めるようにして、虚ろになった腹腔に収めると傷口が縫われる。

『お疲れ様でした』

そんな声が聞こえた。