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君のヒーローになりたい(別ジャンル)



妹2がものっそハマってるので何気にアニメ見てみたら、私もまんまとハマった!ヒロアカ!(銀魂のパターンと一緒ですね)
へえ、ジャンプ読んでてもスルー気味だったけどすっげえ面白いなあ。そして絵がアメコミチックで可愛いな、漫画も買わなきゃあかんなコレ。

しかし出久くんカワイイ。とてもカワイイでしょ、も、ヤバいでしょ。何あの序盤の中学学ラン……まったくとんだ猥褻物ですよ、デクくんに学ランなんざ着せてさ(注・ただの制服です)

猥褻物を羽織って街を行く、デクくんのあの背中!お巡りさん早く!(だからそれ単なる学ラン)

あの細い背中にむしゃぶりつきたいものですね(こっちにお巡りさん早くッ!!)

ちょっと待って最高じゃないの、学ランのズボンを赤いブーツにインしてるとか。キャワイイにも程があんぞ?ちょ、ねえ君、そこの少年、緑の頭に学ランの少年、そのブーツ脱がせていい?ってなるじゃないですか(落ち着け変態ィィィィ)


何かヒロアカ観る前からデクくんだけは知ってて、ちらほらとジャンプやアニメCMなどで拝見するたびに、

『この子……カワイイな。どんぐり眼にこのそばかす……垢抜けないところなんてサイコーじゃねえか、満点ボーイだな』

とか内心思ってたんで、デクくんの外見の可愛さには惹かれてた。だから最初から外見はパーフェクツに私の好みの男子なんですけども、中身も知っちまったら尚更にパーフェクツぅぅぅぅぅぅ!!(ビシィッ)

とても頑張り屋さんッ!打たれ強い子だよね、彼なら大丈夫だよね!轟くんと爆豪くんとの三角関係に巻き込んでいっていいよね、容赦なく巻き込んでくけどね!てか轟くんかっけえ!

しっかしなあ、ショタ趣味はねえと思ってたのになあ、序盤のショタショタしいデクくんとかなあ。観てたら変な手汗かいてたもんな、あんなカワイイショタは反則だよなあ。爆豪くんにのされてた四歳のデクくんなんて、あんな小さな身体でズタボロになってるデクくんなんてさ……

さ、最ッ高ォォォォォ!(キュンキュン)


CPは既に轟くん×デクくんか爆豪くん×デクくんと思ってますが、何か私は間違ってるでしょうか(自分の萌えをサーチ済)

ちなみに妹2は轟くん×爆豪くんだってさ、てかデクくんに目もくれてねえよあの女!(いい笑顔で)
これ毎回の銀魂パターン過ぎるでしょ。ユカリを銀魂にハメたくせに、新八くんの虜にしたくせに、自分はさっさと新八くんを完全にスルーしてた妹2のパターン過ぎッ!ふざけんな(本当にな)


そんで私が、

『いや〜轟×デクか爆×デクでしょ?むしろ常にトライアングルですよね、ふふ。デクくん最高だもの(てれてれ)』

などとおかしな笑顔で妹2に言いましたら、あいつはもう真顔でね、

『あーデクね、ハイハイ。ユカちゃん好きそうだよね、三角関係ねえ。もろパターンのやつ来たって感じだもんね』

って雑かァァァァァァ!!??雑っ!何その返事、限りなく雑!自分の好きなもんしか見えてねえなお互いッ!

……と、限りなく銀魂の時と同じパターンでしたけどね。

絶ッッ対にアイツと好きなCP被らないよね、それだけは私も自信持って言えますけども。何か轟くんと爆豪くん絡みが腐な女子達に人気あるのもさ、よくわかるんだけども。二人ともイケメンだしね。


でもやっぱりデクくん最ッ高だな!可愛いカッコいい、しまいにはキュンッですよあのヒーロー。ハート鷲掴み系ヒーローですよ、

ちょっと漫画買ってくる!

高杉さん家におけるご長男の入学式(高新♀)





高杉家のご長男こと蓮助くんですが、彼が名門私塾などにご入学される際はきっと、ご夫婦が揃って入学式に行ってると思いますね。八恵ちゃんのみならず、何故か晋助も居るっていう。入学式が行われている講堂の保護者席にふんぞり返って座ってますね、明らかに他の保護者のパパさん方とは一線を画している。だって晋助は明らかに堅気じゃない保護者感を醸し出している(その意味の一線かよ)
隣りのメガネ嫁との対比がパねえ、むしろ二人の出会いから結婚までの詳細をkwskしたい、そんな疑問を周囲の保護者さん達に巻き起こす高杉ご夫妻。


まあしかし、晋助も嬉しいのだと思うよ。口ではどんだけ辛辣に言ってようが、やはり息子の成長が嬉しいのですよ。言わないだけでね、でもちゃんと入学式には来てるからね。
ただ前夜の酒がまだ抜け切ってないから、すっげえ不機嫌そうな二日酔いヅラして、無駄に威圧感漂わせながらの参列だけどね(晋助っ)。

そんで隣りの八恵ちゃんに、


「ちょっと、しっかりして下さいよ晋助さん。蓮くんの入学式なんですよ、もう。また二日酔いでしょ」

などと小言を言われております(八恵ちゃんはキチンとめかして正装)(晋助はいつもの着流し)

晋助はそんな隣りの嫁をギロリと睨み、

「俺に口出しすんじゃねェ、単なる八恵の分際で」

チ、と舌を打つが、入学式だからと張り切ってめかしてきた嫁のキャワイイ姿に、

「……ほう、たまにはテメェもめかすのか八恵。悪くねェ。馬子にも衣装たァこの事か」

なかなか上機嫌でくつくつと笑っている。それにはたちまち気恥ずかしそうに頬を染めた八恵ちゃん、

「いやアンタの為じゃねーし!全部蓮くんのためっスよ!ほらあの子、6歳にして変にこじらせてるから。晋助さんのせいでこじらせてますからね。その上で変な母親まで居ると思われて、お友達ができないと蓮くんが可哀想じゃないですか」

ゴニョゴニョと隣りの旦那に小声でツッコミ入れるという。そんなご夫妻です。

しかし全くもって晋助が八恵ちゃんの事見過ぎ、八恵ちゃんも旦那にてれてれし過ぎ、てかまずは前方の息子の式を見ろよアンタらはァァァァァァッ!!(ビシィッ)(セルフビンタ)

も、どんだけ?この夫婦どんだけ仲良し?しかも蓮くんが6歳という事は、八恵ちゃんのお膝には指でも咥えてるくらいにしたあぶあぶのキャワイイ紫乃ちゃん(2)がおりますしね、

「ととうえ、あれ、にーに!にーに、いるっ」

などと言葉出始めのカワイイ片言で晋助の着流し引っ張って、前方の兄の姿に注目してる紫乃ちゃんだしね(紫乃ちゃんが一番蓮くんに注目してやがる事実っ)

しかも紫乃ちゃんが2歳って事は、八恵ちゃんまた妊娠してますしね。既にこの頃は次女の翠ちゃんを身ごもってますからね。八月の予定日に向けて徐々に八恵ちゃんのお腹もせり出してきた頃?そんくらいでしょうか。

てか八恵ちゃん自体は少女然としてる分だけ、晋助の犯罪臭ハンパねえな……もう私ですら庇えねえな(そりゃあかん)。だってさ、見た目からして何かイケナイ想像を喚起される夫婦だよこいつらよォ(言っちゃダメっ)
てか順調に繁殖してくよこの人たちィィィィ!!もっとやれよ!(ん?)


だがなあ、息子の入学式に嫁と娘と来てるとか、お前は、その、高杉晋助として色んな意味で大丈夫か?っていう光景ですね(本当ですね)

え、あの、皆もしかして引いてる?(急に疑問符)
え、引いてんの?
これヤバいの、高杉晋助的にはなしって事なの?

……まあいいか、うちのをどんだけ弄り回そうと今更か(いいのかよ)



晋助は限りなく新八くん(八恵ちゃん)を愛していると、要は文章にするとそれだけですよ。もう何アイツ、かっけえ。あのツラで嫁命、どんだけ非道な事やってる時も嫁命、お船で培養してる紅桜を村田さんと悪どい顔で見てる時も嫁命、ホラを実現する奴が英傑と呼ばれるのさ、そんな時も心には嫁命。え、それかっけえ(ちょ待っ、紅桜の頃からずっとか!?)

まあいいんですよ、そんな晋助ですからね、もうね。そりゃあもう私の中では十年一昔ですから、晋助だって息子の入学式にも参列っスよ。



でもカワイイと思うんだけどなあ。私なら全然アリだな。だってご夫婦のみならず、この入学式には絶対に鬼兵隊メンツも来てるからね(何しに来てんの893事務所)
そんでまた子ちゃんとか、巨大な横断幕をぐわぁっと保護者席の後ろで広げて(もう片方は万斉さんが持つ)、

しかもその横断幕にはデカデカと、

『高杉家御長男 高杉蓮助様 祝ご入学!!』

といかにもなヤンキー達筆で書いてあり、その横断幕は黒い布に白字なのは仕様だし、滴った白いインクが半ば血飛沫みてーになってっし(ヤンキー的かっこよさ)、
そんでまた子ちゃんなんてもう入学式の進行や静粛な雰囲気なんて知らねーって感じで(知れよ)、

「蓮助様ァァァァァァ!!も、今日もマジかっけーっス!!サイコーっスよ、さすが晋助様のご子息!ほんっとおめでとうございまっス!この学校を仕切ってくのは蓮助様しかいねーっス!また子はババアになっても蓮助様のためなら弾丸ブチかますっスぅぅぅ!!」

などと親子二代に渡って高杉家に仕えて行く気満々の雄叫びを、横断幕掲げたままチャカ片手にブチ叫んでいるのですが(そんなもん片手って)、

果たして他の入学生らと共に講堂の前方にいる蓮くんはと言うと、傍迷惑な鬼兵隊メンツとイチャこいてるご両親&可愛い妹に見守られている蓮くんはと言いますと、

ざわざわとざわめく入学生に囲まれ、


モブ1「えええ、何だよアレ。何あの金髪のネーちゃん、誰の父兄だよ?ヤンキーだろアレ?えー何かやだ俺、ああいうの……(ドン引き)」
モブ2「うわー、イタいなあ。あんだけ大声で目立ってさあ。ここってそういう底辺校だっけ?一応名門私塾だよなあ。てか高杉家?って聞いたことあるよ俺。何か凄えヤバいって……」
モブ3「え、何がヤバいの?」
モブ2「何か……怖い人が大勢居るんだって。ピストル持ってたり、刀持ってたり、ろりこん?とかさァ……特にそこん家のパパだよ。かっけーけど、すげー怖いってさ。俺のママが言ってたよ」(←既にご近所でも有名)
モブ1「えええ?じゃあそこの家の子供が今年の入学生ってこと?や、やべー……なっ、皆してそいつに近付かないようにしような!特にお前とかさ、弱そうだからそいつに絶対ェカモられんぞ!(隣りの席の児童に肩ポン)」


全く罪もなきモブくんに、知らず知らずのうちに肩ポンされております蓮くんです(偶然)

しかし肩ポンされた当の蓮くんはと言うと、最大限に不機嫌になりながら、気安く触れてきた隣りの同級生の手をバシッと払う。そしてその翠のお目目をギロリと鋭く光らせ、

「オイ、てめえら俺の父上と父上の部下達の悪口言ってんじゃねェ。……殺すぞ、あ?(ゴゴゴ)」

ハンパないメンチ切り顔で隣りの罪もなきモブくんの胸ぐらを掴む(おいィィィィこれだからDNAっ)

「もう一回俺の前で父上達の悪口言ってみろ。てめえ……もう金輪際満足に口聞けねえようにしてやらァ」

って、ものっそメンチ切ってる蓮くんの悪童ぶりがハンパねーよ!普段あんだけ晋助に反発してんのに、どんだけパパっ子だよ!可愛いかっ!

そしたら胸ぐら掴まれて脅された児童はと言うと、目ん玉見開いてプルプルしながら、

「ぎゃあァァァ!!せ、先生ィ!この子ヤバいヤバい!僕殺されるぅぅぅ!!」

素直に教師に助けを求める(何たって一年生)

突然の喧嘩にざわめく講堂。『今年の一年やべえ!イかれた奴入ってきたァァァ』と色めき立つ上級生。保護者席からもクレームがやんややんやと飛ぶ事態。

だけど今まで後方で見てた筈の八恵ちゃんに、つつつっと音もなく前方に出て来た母にゴンッとゲンコツされて、

「ちょ、ちょっと蓮くんんんんん!!??アンタ何やってんの!喧嘩っ早いとこも晋助さんにそっくりだよアンタ、てかアンタの父上がヤバいのは今に始まった事じゃないでしょうがァァァァァァ!!謝んなさいっ!」(←本当にな)

キレツッコミをかまされた蓮くんは、渋々おとなしく椅子に座る。すげー最悪な態度で椅子にガタンッと座る(クソガキ)

「……チッ、母上に言われたら仕方ねェ……」

そして不貞腐れる息子を尻目に、ペコペコと周囲の学童に謝って回る母。

「ごめんね、この子素直じゃないから!ほら、ちょっとだけ、ちょこっとだけこじれてる子なんだよね、でも根はいい子だからァァァ!!マジだから!(必死)」

そうやって八恵ちゃんに謝られた周囲の学童は目を見合わせ、とりなしてきた教師の助言もあり、皆して渋々椅子に座る。八恵ちゃんの介入もあり、ようやく再開されようかと言った雰囲気を見せる入学式。


そして、


「…………(パシャーパシャー)」

その一部始終を余すところなく一眼レフで撮っている武市先輩(やっぱり居る記録係)。むしろ三脚構えて撮っている。そして隣りの晋助に、

「オイ、何だって式が中断してやがる。単なるガキの喧嘩だろうが。いい加減に始めろ」

とキレ気味に尋ねられ、自分のガキが起こしてる騒ぎに全くもって無関心なその態度に、

「……あーはいはい、これですか。噂のモンスターペアレントですか、晋助殿」

とヌルい顔で応える武市先輩(いや気持ちは分かるけども)




そんなこんなで騒めきまくった入学式も終わり、いよいよ新入生オリエンテーションが各教室にて始まる。ここからは保護者しか教室に立ち入れないと言うので、


「嫌っス、また子も蓮助様の教室に行くぅぅぅ!!蓮助様がクソガキ共に絡まれたら今度はまた子が守るんス、また子が蓮助様の盾になるぅぅぅぅぅぅ!!」

とジタバタするまた子ちゃんの首根っこをひっ掴み、ズルズルと引きずって行くのは武市さん。

「いけませんよまた子スァン。と言いますか、さっきのは若が絡まれたのではなくて、むしろ若が最初にキレてましたからね。そして貴女がその騒ぎの発端ですからね。若だって迷惑です、貴女のようなイノシシ女に付いて来られたら」

そんな二人の後ろを、横断幕と三脚を抱えて、大荷物を何も言わずに自ずと抱えて静かに付いて歩いて行く万斉P(いい人か)


「また子、落ち着くでござる。蓮助は大丈夫でござろう、何しろホラ、晋助が付いてるし」(←適当か)
「いや、だからこそ心配なんですがねえ。若もアレ、混じりっけなく晋助殿の血筋と言うか……まあ若には奥様も居ますしね、麗しの紫乃スァンもね。大丈夫でしょう。しかし身重なのに大変ですね、奥様も」(←苦労人武市さん)
「嫌っスぅぅぅぅぅぅ!!晋助様、蓮助様ァァァ!!(ジタバタ)」




そんなお騒がせ三名が帰った後、さてさて、蓮くんの新しいクラスはどうなっているのかと言いますと、

教壇に立つは金髪のリーゼントをかっちりと固め、ワイシャツのボタンを二つ三つ開け放し、そこから薄っすらと伺えるサラシ……総合して何だか限りなくヤンキー臭のする男。だがしかしひょっこりと伸びた出っ歯は彼の紛れも無いチャーポインツ。そんな担任教師は、

「はじめまして、ここのクラスを受け持つことになった高屋です。気軽にタカチンって呼んでくれやガキ共ォ!」

高屋八兵衛さん(23)です。ってオイオイ、ここのクラスの担任がよりによってタカチンだったぜ。オッス久しぶりだなタカチン!(オッスじゃねえよ)

あー、まあね。まあまあ、こんなんもあるよね、ヤンキーが改心して先公になってるとか、そんなんタカチン的には憧れの的だよね。アイツも熱い男だしねえ。だってタカチンなんて新卒だからね。希望に燃えてる新任教師ですよ。


そしたら教壇に立つタカチンなんて見たあかつきには、思わずガタンッと立ち上がる八恵ちゃん(紫乃ちゃんは旦那の膝におります)。そして、びっくりしてあんぐり開けたお口にお手手を当てながら、

「ええええ、タカチン!?先生になったんだ!」

驚きと感動でついつい叫んじゃう。そんな懐かしいあだ名で呼ばれたタカチンが、

(んんん?!それ俺のあだ名!てか八恵ちゃんの声に似てんな……)

と教室の後方を眺めれば、そこには立ち上がったメガネの幼馴染の姿が。

「ま、マジかよォ!?そのメガネに三つ編み、マジに八恵ちゃんかよ!?えええすっげえ、こんなとこで会えるとか!」

思わず素に戻って、幼馴染との再会を喜ぶタカチン(23)

「だよねだよね!凄い偶然!タカチンったら先生になってたんだね!すごいね、ヤンキー的な王道行ってる!似合ってるよ、タカチンが教壇に立ってる姿」

キャッキャッと朗らかに笑う八恵ちゃん。
タカチン的にもこの出会いは予期していなかったもので、八恵ちゃんに褒められた彼は『へへへ』と鼻の下を擦り、てれてれと擦り、

「ちょ、やめてくれよ八恵ちゃん。俺もヤンキー上がりだけど必死で勉強したんだぜ?もう必死だよ、ヤンキーのくせにさ(てれてれ)」
「そうだったんだね。最近すっかり姿を見ないから、僕もどこに行ったのかと」
「いやまあ、俺って頭悪ィからさ、江戸の大学には受かんなくてよォ。滑り止めで受かった武州の方の学校行ってて……へへ、でもまた八恵ちゃんに会えたな。江戸の教員試験に合格して良かったぜ(てれてれ)」
「凄いなあ!タカチン的には王道のサクセスストーリーじゃない、不良が先生になってるとか。あ、それじゃあタカチンはもう聴いてない?僕らのアイドル、永久不変の萌えを捧げたお通ちゃ……」
「ばっか!!八恵ちゃん、そりゃねーぜ!聴いてるに決まってんだろォ!?俺忘れてねーよ、八恵ちゃんと踊ったお通ちゃんの曲!こうだよな、このフリっ!(思わず打つオタ芸)」
「そそそ、そうそう!そこでターンだタカチン!そしたら、こうっ!(思わず熱くなる指導)」
「なっ、なっ!さすが八恵ちゃんだぜ!未だにキレッキレじゃねえか、寺門通親衛隊隊長の名はダテじゃねえよ!」

どの児童も保護者も置き去りで、一気に二人の世界に入るアイドルオタク共。一気に二人の世界に舞い飛び、一緒に熱い青春を捧げたアイドルの振り付けに喜び、キャッキャッと楽しげにオタ芸を打つタカチンと八恵ちゃん(何してんの先生と保護者ァァァ)


だがしかし、そこでフと新任教師は気付く。

「てかよ、八恵ちゃん。八恵ちゃんは何でこんなとこに居んだよ?ここは一応ガキ共の来る学校なんだぜ?八恵ちゃんの甥っ子や姪っ子でもいんのかよ?もしかして……無さそうだけど、すげー無さそうだけど、アレだよ、お妙さんが結婚して産まれたガキでもいるとか?」(←高屋お前あとで体育館裏来い)

キョロキョロと居並ぶ学童たちを見渡す高屋先生。しまいには後ろに立っている保護者らまで順繰りに確認している。そして見渡す中に、己を物凄い目で睨んいでる保護者男性を発見した。
その物凄い眼力に圧倒される元ヤン。一気にブワァッと立った鳥肌が、己の動物的な勘が、その視線の持ち主のヤバさを物語る。

その保護者は明らかに堅気の男ではない。何故なら周りの善良なる保護者達とは全く違った雰囲気を纏っている。
鋭く光るは右の隻眼、左目を覆うように巻かれた包帯(入学式に包帯で来たのかよ)。蝶の飛ぶ洒脱な紫の着流し。


──むしろ彼のどこが保護者?だって包帯巻いてんぞあの男、しかしあんな風に包帯巻く必要がどこに?何のための包帯?別に怪我してる風でもないよね、もう分かんねえ、包帯の概念が行方不明だよオイ……って、え、やっぱり不審者?いや不審者ですよね、どう見てもね。あの、誰かさすまた持って来てェェェ!不審者用に職員室に常備してあるやつ、早くッ!


そんな疑問と救済措置を善良な皆さんの脳内に巻き起こす、そう、男は明らかにその筋の人だった(拭いきれない893オーラがァァァ)

そして男は高屋をギロリと睨み、ツカツカと教壇まで歩み寄り、高屋のワイシャツの胸倉をグイと鷲掴み、ドスの効いた低い声で、


「オイ……テメェは一体八恵とどういう関係だ?答えによっては殺すぞ、あ?」


年季の入った凄みを効かせたメンチを切る。その語尾なんざさっき講堂で暴れてた悪ガキとそっくり、て言うか八恵ちゃんの旦那ですけどもね(分かってた)

そしてその男の片手には、父に抱かれ、

「にーにっ!にーに!」

あぶあぶと教室の兄に向かって手を振る愛娘(紫乃ちゃん・2歳)。そして顔を引攣らせる兄(6)。だが妹にはコッソリと手を振る、そんな兄(腐っても一年生)

しかし片手に愛娘をしかと抱いてるのに、もう片手では担任教師の胸倉をぐわしと掴む晋助。しかも凄いメンチ切り顔で掴む、むしろ人を脅すのにとても慣れている(商売柄)。そんなイカれた893野郎の登場に、もちろんキョロヤンキーだったタカチンは即座にビビリ果てる。


「ひっ、ひいィィィィ!!さーせん!金なら今持ってないっス、金なら職員室ですぅ!(ガタガタ)」
「あん?いや、金なんざ要らねえ。俺が聞きェのは、八恵とテメェが……」

怯える新任教師をついと見て、晋助はそこで初めて訝しげに眉をひそめる。そして彼の頭部からせり出したリーゼントをぐわしと掴み、

「オイ、何でテメェは頭にフランスパンなんて付けてやがんだ。テメェ……ふざけてんのか?」(←お前こそふざけてんだろうが)

真顔で凄む。ギリギリとリーゼントを捻じ上げる。

「ひぎゃあァァァァァァ!!俺の命ィ!やめてェェェこれセットに二時間かかってる、今日は勤務初日だから気合い入れてんのにィ!!」(←真面目)

しかし思わずタカチンが涙目になったところで、

「ちょっ、何してんの晋助さん!やめろってば、タカチンのリーゼントはタカチンのものでしょうが!確かにフランスパンっぽいけどォ!!」

八恵ちゃんの制止がようやくかかる。それには旦那も渋々手を離す。本当に渋々手を離す、だけどもまだ八恵ちゃんの背中越しに凄い顔をしている(コラコラ)

そんな旦那にくるりと向き直り、紫乃ちゃんをバトンタッチで受け取る八恵ちゃん。ニコニコしてる紫乃ちゃんの背中を優しく叩きながら、

「もー……ちょっと目を離すとこれですからね。ダメでしょうが。タカチンは蓮くんの先生になるんですよ?そんな態度でどうすんですかアンタ、モンペもいいとこですよ」
「……フン。この男とやけに親しげじゃねえか、八恵(プイッ)」
「あれ?言ってませんでしたっけ、タカチンは僕の幼馴染なんですよ。寺子屋も一緒でしたしね。一緒にお通ちゃん追いかけてましたし……懐かしいなあ、夕日を見ながら親衛隊の皆でオタ芸打ったなあ」
「ああ、テメェのあの趣味か……おかしな音楽に合わせて気味悪ィほど正確に飛んだり、跳ねたりするアレか」(←合点のいく旦那)
「いや気味悪いとか言うなやァァァァァァ!!アンタはオタクを何も分かってないっ!あれはね、キャワキャワな神アイドルを讃えて、心から応援する為の愛の儀式なんですっ!僕らの萌えが高まって溢れ出る奇跡のイリュージョンなんですから!ねっ、タカチン!」


タカチンにまで話を振る八恵ちゃんだけど、

タカチンはもう目の前の光景が信じられなくて、だって今八恵ちゃんの手に抱かれてる女の子って小さな頃の八恵ちゃんのミニチュアってくらいそっくりな面差しをしているし、そのそっくりな面差しで親指チューチューしゃぶってるし(カワイイ)、
それで八恵ちゃんの目の前にいる左目包帯の男はやけに八恵ちゃんに馴れ馴れしいし、てか筋モンにしか見えないのに八恵ちゃんへの態度は普通だし、

何より、さっきは包帯男が腕に抱いてた筈の女の子を、今し方ごく自然に八恵ちゃんが受け取ったこの事実!

しかも八恵ちゃんの全体図をよくよく見てみれば、ほんの気持ち分だけとは言え、八恵ちゃんはタカチンが見てた少女の時の姿と全く変わらないとは言え、その腹部は微妙にふくよかになってるぅ!?


──え?!ここにもう一人入ってんの、ねえ!?嘘だよね、嘘と言ってくれよ誰かァ!!お通ちゃんんんんん!!
どどどどどういうことォ!?この包帯男……八恵ちゃんの旦那かよォ!?



アワワワワ……と泡食ったようなツラをして、即座に顔面蒼白になる高屋先生(そりゃそうです)

そしてそんな先生の前に、ニコッと笑顔を翳して、


「あっ、僕今は結婚してるんだ!今は高杉八恵です。今日は息子の入学式で来てるんだよ。改めてよろしくね、タカチン」

まだ何も言えないタカチンの前にすいっと晋助を押し出し、

「この人、僕の旦那さん。ホラ自己紹介してください、晋助さん」
「テメェが既に言ってんじゃねえか」
「あれ?ほんとっスね、すみません」

またしても衝撃の事実を核爆弾並みの威力でニコニコと落とすメガネの奥様。奥様はメガネ(奥様は魔女のデザイン文字で)。旦那さんは晋助。

そんな仲良しご夫妻を前にして、驚きを禁じ得ないのはタカチンです。まだまだ泡食ってます。

「はっ、はあああァァァ!?八恵ちゃんが!?この男とって、嘘だろ!?こういうのって昔の八恵ちゃんが大っ嫌いなタイプだろォ!?(晋助を指差しつつ)」
「あ?……だから殺すぞテメェ、このフランスパン野郎(ギリィ)」
「いや僕もよく分からないけど、最初は晋助さんがマジ無理だったけど、マジ絶対この人無理って思ってたんだけど、気付いたら何故かこうなってて……それで、あの、付き合ってたら結婚しなきゃダメな事態に」
「な、何だよ?その怒涛の展開って何だよ八恵ちゃん!中間部をはしょりすぎてるよ!?なあ、脅されたのかよ、この包帯男に!実家の道場の借金のカタに八恵ちゃんが人身御供になったとか、そんなん俺は許さねえよォ!!(ぐわぁっ)」(←タカチンはロマンチスト)
「いやァ……その、ほら、えっとさ。タカチン、あのさ、僕……(あせあせ)」
「八恵が孕んだもんは仕方ねェだろうが、くどくどうっせェんだよ。鼻にフランスパン捩じ込むぞテメェ(ギリィ)」

やはり核ミサイル級の衝撃をドドンと追加され、背後にぴしぃっとヒビの入るタカチン。
真顔で晋助にメンチ切られているけれども、もはやそん事は知った事じゃない。いよいよ慌てて八恵ちゃんの肩を掴み、懇々と諭しにかかる。

「ええええ、ちょっ待っ、八恵ちゃんってデキ婚してんのォォォォォ!!??あの八恵ちゃんが!?奥手でオタクっ娘でアイドル命な八恵ちゃんがァ!?(顔面蒼白)」
「いや僕もびっくりしたけどね。でも今は普通だよ、タカチン。お通ちゃんは今も大好きだよ、子供達にも聞かせてるよ」(←英才教育)
「普通じゃねえよォ!も、やべえってこの男が普通じゃねえもん!分かってくれよ八恵ちゃん!八恵ちゃんの感覚まで毒されてるよ、八恵ちゃんはこの男に騙されてんだよォォォ!!(必死)」
「テメェ……人の嫁に気安く触ってんじゃねェよ。何遍も馴れ馴れしく呼びやがって。本格的に殺してやらァ(ゴゴゴ)」


その後はタカチンのフランスパン部分がシュパァァァァ……と華麗に飛んだとか、飛ばないとか(タカチンに何した晋助ェェェ)


そしてそれを見ていた蓮くんはと言いますと、すっかり自習の様を呈した教室を見渡し、新入生の段階から自習になった己がクラスをチラと眺め、教壇に立ってギャーギャー騒いでる大人たちにハアァとため息を吐く。



「……入学初日から転校してェぜ、全くよォ……」


そんな事を呟く少年の声が、ざわめく教室の中に掻き消されていく午後だった(だからかわいそうかっ)




この入学式の後、蓮くんとタカチンは何気にソウルメイトになります(お通ちゃんや八恵ちゃんの話で盛り上がる奴ら)




Many Classic Moments18 (攘夷高新)



*まとめ*





ほんの少しの間だけ、二人は黙ってた。でも晋助の羽織を肩に引っ掛けたまま、新八くんはそうっと晋助を見つめた。


「あの、高杉さん?」
「あ?」
「この戦が終わったら……僕らはどうなっちゃうんですかね」

羽織の袖をぎゅっと握りながら訊ねたんだけど、そうやって聞く新八くんの脳裏には、先ほど出立の前に見た銀さんと晋助の言い争いの光景が蘇ってる。

あくまでも仲間を、自分の大切なものを護ろうとする為に立ち回る銀さんと、
目標のためならどんな手段も辞さない、一見すると冷徹で、なのに何ものにも屈しない覚悟を抱いてる晋助のやり方って、新八くんの目から見ても大分違った。違うから衝突するし、言い争うし、晋助も銀さんも自分の意見を絶対に譲らないからすぐに殴り合いの喧嘩にまで発展する。

でも今までは桂さんや新八くんの働きで晋助も銀さんもどうにか宥められてきたし、そこにもっさんというムードメーカーが加わることで場が和んだし、何となく皆の心は纏まっていた。バラバラだけど、皆で同じものを目指してると思ってた。

だけど、きっとこの先も、いやこれから先はもっと晋助と銀さんは揉めるに違いない。

だって18歳になった二人は、もう大人の男の入り口に立ってる訳ですよ。互いの生き様や考え方が徹底的に違ってきた頃。もう子供の頃のまま、先生の穏やかな眼差しの中で戯れあってた悪ガキのままじゃいられない。



だからね、新八くんは訊ねたんですよ。このまま大人になっても自分たちは一緒に居られるのかって、果たして自分たちはどうなるのかって。

晋助は新八くんの問いに、ふう、と一つ息を吐いて答える。

「……さァな。またガキの頃みてえに四六時中一緒には居られねえだろう」
「そうなんですか……」

晋助にも分かってるんだよね。この戦がどのような結果になろうとも、きっともうすぐ自分たちは互いに別れて、各々の道を行くのだろうと。各々の場所で闘って、自分の大切な、どうしても譲れないものを各々で護っていくのだろうと。
だって皆、その為に剣を取った。銀さんも晋助も桂さんも、そうやって己の魂を護る為に剣を磨いた。そう先生が教えてくれた。大切なことは全部先生から学んだ。

だからきっと、その教えを己の魂に継ぐ為にも三人はバラバラになるのだろう。


「ああ。俺たちはもう……恐らくは一緒に居られねェ。俺たちは皆、最初は同じ場所から始まった。だけど俺たちは元々てんでバラバラだ。同じ方向なんざ見ちゃいねェ。俺たちがそれぞれの意志を貫くなら、このまま……どこかで道は分かたれる」

晋助にも分かってる。だって昼間新八くんと言い争ったことも、発端はそこだった。自分と銀さんの考え方の違いに苛ついたから、そして新八くんが銀さんの意思を護ってたから、あの時の新八くんには背を向けることしかできなかったんだ。
だけど今ずばりと確信的な事を新八くんに告げるのは、片側には自分、もう片方には銀さんに挟まれた新八くんの今の状況下で言うのは得策じゃないとも思った。


だからね、晋助はいつもみたいに敢えて皮肉っぽく笑ったよ。くつりと喉を鳴らしてさ。


「銀時は……テメェとなら一緒に居たがるだろうがなァ」
「え。そ、そうっスか?」
「間違いねェな。銀時がテメェを手放す筈があるか」

新八くんは片側で寝てる銀さんをそうっと見て、首を傾げている。でも晋助には確信があったのね。銀さんは絶対に新八くんを手放さないだろうなって。

だって先生が連れて行かれた後は、まるで銀さんが新八くんの師……と言うか兄貴的な存在なんだけど、銀さんが新八くんに大事なことを教え始めてるからね。そんで新八くんも銀さんの背中を見て、学んでるしね。

新八くんは銀さんの『護』を信じてるし。



だからね、もしそうなった時。
互いの道が別れて、松下村塾の三人がバラバラになった時。

その時が近いのか遠いのかも今は分からないけど、本当にそうなったらこの関係はどうなるのだろう。新八くんとの関係は。
この、自分が新八くんに対して抱いてる不可思議な気持ち。熱い衝動。誰にも譲れない想い。



けど“その時”になって初めて後悔するなんて、初めて思い知るなんて、そりゃあ晋助の性には合わないからね。


「……まあ……俺ァ銀時に負けねェけどな」

もはや無意識で晋助はポツリと呟くね。完全に無意識だったよね、なのに負けん気の強さは人一倍ですからね。
しかしその独り言をしっかり聞いていた新八くんは、もうビシィッと背を正して晋助に言い募る。


「え?銀さんに何を勝つって言うのアンタは。また喧嘩はダメですよ」
「……いや、違ェ。俺は今そういうことを言ってねェ」
「ええ?だから何が違うんです。またくだらない事で喧嘩してたら本当怒りますからね、僕は。この間もどっちが先にお布団敷くかで揉めてたでしょうが、結局は僕に二人分のお布団敷かせやがったくせに!」
「誰も今その話はしてねェ、全くの見当違いでしかねェ」


完全に勘違いしてる風味の新八くんに、晋助は低い声でツッコむという。つーか何でそんな低レベルな争いを常日頃繰り広げてんだ晋助と銀さんは、どうせ布団の場所がどうの、どっちの布団に新八くん入れるか否かで揉めてんでしょ?あーハイハイ乙(何その雑な感じ)

しかし新八くんにツッコミ入れるって凄えなオイ!攘夷晋助すっげえ!これが若さ!(拍手喝采を浴びせながら)



まあそんなんをヒソヒソ喋ってましたらば、すぐに再出立の時間も近付きますよ。隣りで身動ぐ銀さんを気にしてた新八くんを横目に、晋助は軽い皆こなしで立ち上がる。


「あ、高杉さん。返しますよ、これ」

そんな晋助を見て、新八くんも慌てて借りてた羽織を脱ぐのだけど。

「要らねえ。テメェが着とけ」

晋助はプイッと顔を背けながら言う。さらに続けて、

「テメェみてえな小童に震えてられちゃ迷惑なんだよ。後方の士気にもかかわらァ」

ふふん、と高飛車に笑いながら。
つまりはただ新八くんに自分の羽織を貸していたいだけなんだけど、晋助が素直に言える筈もないのでこんな言い方しかできません(ほんっとお前はどこまでも晋助)

新八くんはしばらくは赤い顔で黒い羽織と晋助を見比べてたんだけど、そのうちにやっぱりもそもそと羽織を脱いだの。そして、晋助にきっぱり返した。


「じゃあもう震えないようにします。だから、これはもうお返しします。ありがとうございました」
「あ?……テメェ、無駄に強がんじゃねェ」

そしたら晋助もギロリと新八くんを睨むんだけど、新八くんが強がってこんな風に言ってるとすぐ勘違いしちゃうんだけど、それに新八くんはふるふると首を振ってね。

「だって、上に立つ人は皆の見本にならなきゃダメなんですよ。だからね、高杉さんがこれを着ててください」

いつぞやに晋助に注意した文句を再度なぞって。

「これだったら、後ろ姿でも鬼兵隊の総督って一発で分かるでしょ。……この黒い羽織の後ろ姿に勇気付けてもらう鬼兵隊の隊士さんが、いっぱいいっぱいいますよ。ね?」

月明かりの下でふわっと微笑んで、そうっと羽織を差し出してくれる新八くんなのです。
大きなお目目がまろやかな半円を描く、新八くんのその笑顔。自分のことではなく、晋助のことや鬼兵隊の皆の士気のことをまず気にしてる優しい心映え。

ばかだよねえ。本当に自分のことなんて二の次三の次でさ。新八くんっていっつもこんなん。陰ひなたで咲く活躍が多いしね、フォローばっかしてるから晋助や銀さんのように最前線で煌めく事も少ないし。ばかな子ね大好き。

いつも本当にありがとう新八くん大好き(結婚しよ)


そんな新八くんを見たあかつきには、晋助はもう羽織ごと新八くんを抱きしめてるんじゃないかなあ。新八くんの笑顔を見たら込み上げてくる何かがあって、たまらなくなって、胸が痛くて、衝動的に新八くんを抱きしめてた。


「わっ……ど、どうしたの高杉さん」

ぎゅうっと骨が軋むほど抱き締められ、新八くんも息を呑む。だけど優しく晋助に聞いた。晋助はまだぎゅうぎゅう新八くんを抱き締めながら、つっけんどんに返す。


「いや……何でもねェ」
「あの、そろそろ行きますよね?えっと、銀さん起こさなきゃ……」

離れがたいように熱く抱かれて、新八くんももじもじしましたけどね。なんだかんだ言って晋助のこと好きだしね、新八くんだって離れたくなかったよ。本当は。


「(本当はずっと、高杉さんのそばにいたい)」


そう思ったよ、自然とね。
だから次の瞬間、思い切ったように腕を離した晋助にホッとしつつ、どこかで残念な気持ちもあったよね。矛盾してるんだけども。離れなきゃいけないのに離れがたいって、恋人同士にはよくある感情の表出です。

晋助は新八くんから手を離した後も、新八くんの顔をしばらく見てた。そしてバサっと軽やかに羽織を纏った後で、きっぱりと一言。


「死ぬんじゃねえぞ、新八。その辺の敵は鬼兵隊が……いや、敵は俺が全部斬る。だからテメェは銀時と離れず行動しろ」

鋭くも真っ直ぐな二つの翠の眼で射抜かれ、新八くんもピッと姿勢を正す。そしてニコッと笑うの。いつもの新八くんの笑みで。

「うん。じゃなくて、ハイ。僕は大丈夫です。僕は簡単に死んだりしませんから。……高杉さんを信じてます」


簡単に死んだりしないって、大丈夫って、こういう時でも変わらず誓ってくれる存在ってありがたいよな。だって誰も彼もが疲れ切ってて、今にも心が挫けそうな時にだよ。負け戦が辛くて、敗走してく自分たちが情けなくて、踏み越えた筈の仲間の死や無力感に、今にも足が取られそうなこんな時に。

まだ大丈夫なんだ、
だってこいつが居る、
こいつの為に俺は、

って自分を勇気付けてくれる存在が新八くんだからさ。

こいつを護ろうって、こいつを護るって、無意識にも晋助の士気が高まったからね。


まあ晋助は言わないけどね。素直キャワワな新八くんを見ても、いつものように皮肉るだけだけどね(これだから晋助クオリティー)


「だろうなァ。まあ……テメェのような雑草根性と脇役根性がある奴の方が無駄に戦場を生き抜いてく(フッ)」
「いや無駄ってなんですか無駄ってェェェ!!しかも言うに事欠いて脇役?!」


こんなやり取りを続けるうちに、出立の時間はすぐ来るのですよ。だから晋助だってくるっと背を向けて、もう先方の鬼兵隊の元に帰っていくしね。
晋助はそういう時は一回も振り返らないから。新八くんは晋助の背中が見えなくなるまで見送ってるけど、晋助は絶対に振り返らない。視点を切り替えた晋助はきっぱりくっきり、あとは己の目標に向かってくだけ。

そんな晋助の潔さに新八くんが少し唇を緩めてますと、隣りではゴソゴソと銀さんが身動いでて。

「……あー、何か寝入っちまった。敵方の襲来なかった?新八」
「あ、はい。大丈夫でしたよ」

ふあわと欠伸して背伸びする銀さんに、新八くんは微笑み返す。でも何故か訝しげにピクリと眉をひそめる銀さん。


「うん。ならいいわ。でも何か嫌な感じするなここ、寝る前と後で何か雰囲気が違う感じ」
「え?ど、どう違うんですか?(ドキッ)」

ヒクヒクと鼻をひくつかせて辺りの雰囲気の変化を敏感に感じ取ってる銀さんに、そりゃあ新八くんの心臓もドッキドキですよ。何たってさっきまでここに晋助がいたしさ、キスしたり(何回も)抱き締められたりしてた訳だから、ドキドキしないはずがないんですよ。
今の新八くんの状態ときたら、お兄ちゃん(銀さん)の友達と内緒で付き合ってるようなもんでしょ。

銀さんは寝ぼけ眼でも野生の勘で晋助の気配を薄く感じてたみたいだが(凄えな相変わらず)、気のせいかと結論付けて立ち上がり、背中についた葉っぱやらを手早く払っております。


「なぁんかこう、ある意味では最も俺の敵に近いっつーか……ま、いいや。早く行こうぜ新八」
「えええ怖ッ!!何て言い掛けたの!?何その野生の勘!」



そうやって話しながらも、束の間の小休憩を終え、一路目的地を目指して行軍していく攘夷'sなのです。




*続く*

鬼兵隊な893事務所と高杉家(高新♀)


*やはり突如として高杉さん家が愛しくなった*
*そして鬼兵隊メンツも愛しい*





高新♀の場合、晋助のお仕事はかなり893的な仕事だろうなあ。裏社会を華々しく牛耳ってますけどもね。でも実家からして金持ちなので半ば道楽で893やってる、その禍々しく爛れた色香を纏う雰囲気がとても893向きだったのでなんとなく稼業にしてる、そんな晋助(なんとなくで組長やってんなよ晋助)

そんで部下には武市さん、また子ちゃん、万斉さんがおります。組の事務所にはこの3人が常に居ます。常にたむろしてます、そして晋助は普通に通いでこの事務所に毎朝来ます。
てか朝っつーか、いつもほぼ昼過ぎに重役出勤してきます。しかも昼過ぎ出勤なのに前夜からの酒が抜けてない時も多々ありますね、そんで事務所のレザー張りの黒ソファ(いかにもなやつ)でひっくり返って寝てるとか、そんなん全然ありますからね(ダメじゃねーか呑んだくれっ)

なのに、そんなふざけ切った態度でも晋助の稼働時間は午後6時までと決まってます。昼過ぎに来るのにちゃんと18時退社、つまり実質の稼働は5時間にも満たない、そんな組長(大丈夫ですかここの組は)

だって夜とか絶対ェ来ないよ?たとえカチコミあっても来やしない、だってこの組のトップは夜は嫁と居たい男なので(も、そのスタンスがダメやこの人っ)

だが一旦抗争ともなればバッサバッサと敵を斬る、獣のように右目を爛々と光らせ、トップのくせしていつも先陣で切った張ったの大立ち回り。そんな頭のイカした姿に魂が震え上がり、是非とも晋助の元で893をやりたいと入隊(隊?)してくる若い衆は後を絶たない。


そんなふざけ切った893事務所鬼兵組にて(晋助が命名)、カチコミなどに重宝されているのはもちろん紅一点のまた子ちゃん!


「晋助様ァァァァァァ!!おはようございまっス!!今日も晋助様は誰より麗しいっス、今日も晋助様はサイコーっス!あ、今日の報告は激ヤバっス、スゲー熱いっス。さっきみかじめ料せしめに風俗店回ってたら、隣りのシマの奴らがうちのシマ荒らしてやがったんスよォ!うちの組が管理してる店の嬢を、あっちの泡風呂に無断で引き抜こうとしてんスよ。も、これ殺していいっスよね?うちの組が舐められたらおしまいっスもんね、カチコミは任せてくださいっス!!」

晋助が昼過ぎに重役出勤してくるなり、晋助の机前に飛びつく勢いで跪き、こんなんを嬉々として目を輝かせながら語るまた子ちゃん(カワイイ)。かなりの893なお仕事をサクサクっとこなすまた子ちゃん(893っ娘カワイイ)(その頭数字はかわいくないと思う)

そんなまた子ちゃんの勢いにはゴホンと咳払いをし、晋助の席するマホガニーの重厚な机(いかにも組事務所らしいもの)の上に、コトン………と紅茶の入ったティーカップを置く武市先輩。無論、その左手には程よい温度のティーポットを常備(お代わり用)

「いけませんよまた子スァン。すぐに抗争に走るなんて、それではうちの品位が問われます。まずは向こうとの和平交渉を優先すべきです、無駄な血の流し合いは避けるべきです。あなたは全くこれだから……このイノシシ女(ぽそっ)」

ふう、と息を吐き、カチコミ隊長の名を欲しいままにしているまた子ちゃんを戒める先輩。最後悪口をこっそり混ぜておく、そんな先輩(武市さん)

そんなティーポット先輩の助言には真っ向から噛み付くまた子ちゃん、

「ちょ、マジありえねーっスて先輩!何ヌルいこと言ってんスかァ!ここは根っからの武闘派、この界隈の誰もが恐れる晋助様の治めるシマなんっスよ!?そのシマでヤンチャされたら黙ってらんないっス。なめられたらシメーなんっスよ、ヤクザ稼業は。ちょっとまた子が弾丸ブチかましてくれば済む話っスよ」
「また子さん……貴女は第二次かぶき町抗争でも繰り広げたいんですか。第一次の凄惨さを知って言ってますか?かぶき町と言わずこの新宿界隈を血で染めた、あの戦争……」
「そりゃ知ってるっスよ、また子幹部っスもん。あの時の晋助様ヤバかったっスよねえ!もう鬼!?って感じで。降誕!?みたいな。あれは白夜叉とか目じゃねーっス。マジ強えかっけえェェェって感じっス、晋助様に刀持たせたらパねえっス(しみじみ)」
「まあねえ。そりゃあ晋助殿は誰もが恐れるうちの組のトップですがね。誰もが一目置く……まあ、えっと、どっかの白夜叉は除くとしてね(ゴホン)」
「あーそれっスね、てか白夜叉があり得ねーんスって。あいつ絶対ェバカっスもんね、あの抗争の最中でも晋助様に普通のテンション絡んで来るとか、救えないバカっスよね。しかも何で絡んで来たかって、

『ちょ、この騒ぎ何?至る所が893だらけじゃねーか、至る所から湧き出てやがる。ゴキブリかてめえらは。何がおっ始まってんの、つかトイレどこだよ?そこら中のコンビニ閉まってんだけど、マジで今腹痛えんだけど。なあオイ、高杉』

って、あいつあの抗争の最中で腹壊して便所探してるとか、マジねえっスよ。そして何でそれを晋助様に尋ねるんスか!つか、そのまま腹下して逝けや白夜叉ァァァァァァってマジ思ったっスよ。まあいいっス、あいつもそのうちまた子が殺るっスよ、武市先輩!」


すごく危険なことをキャンキャンと今日も騒ぎ立てる。

しかし第一次かぶき町抗争で何があったか、しかも普通に銀さんも絡んで来てたようだしね、抗争の最中でも普通に腹下してたみたいだし(銀さん)、そんな白夜叉さんには憤りつつも、
過去にあった抗争での晋助の活躍をキラキラと輝く目で語るまた子ちゃん。

その目には一点の曇りもなく、

(今日もまた子は晋助様の為に働きたいっ!どこのシマよりうちのシマがかっけーんス、どこの組よりうちの組が最高っス、最強っス、だってミラクルかっけー晋助様が居るっスもん!!)

という煌めきに満ちている(分かりやすい娘カワイイ)

そんな分かりやすい娘には、再度ふうぅとため息を吐き、武市さんも後ろをチラと振り返る。

「全く……貴女の戦闘癖にはほとほと呆れますよまた子スァン。紅い弾丸とはよく言ったものです。して、この話をどう思いますかな、万斉殿は」

その問い掛けには事務所のソファにて三味線を爪弾いてた万斉さんも、ん、と顔を上げ、

ヘッドホンをおもむろにガチャリと取り、

「ああ……いや、全く聞いてなかったでござる。今コレ聞いてた、コレね、江戸で流行りのアイドルの、」

と、手元にある寺門通ちゃんの最新CDをスッと取り出す(も、この組の若い奴ら揃いも揃ってバカァァァ!!)



そんなゴーイングマイウェイな万斉P(兼、組の若頭)にはやれやれと首を振る武市さん。
ちなみに万斉さんは主にプロデューサー業で食ってます、893のお仕事は完全に道楽です。趣味893(だからこの組どうなってんの)

「もういいっスって武市先輩ィ!万斉にそんな風に聞いてもダメっスって、基本ヘッドホン着けてる三味線バカっスからァ!Pだか何だか知らないけどあり得ないっスよ、この稼業と二足のわらじとか!何スかそのヘッドホン、マジふざんなっス」

いやお前が言うな、的なセリフを万斉さんに向けて声高に放つ紅い弾丸(若さ)

「いやいやまた子、なかなかどうしてP稼業も奥深いでござる。こっちほど魂のビートは弾まないが……各方面への心配りから、秘密裏の袖の下、各テレビ局への睨み、芸能事務所間の均衡、ぶっちゃけ芸能界はヤクザ社会とそう変わらんでござるよ」

いやそれ言ったらどうよ、的なセリフを堂々とのたまう万斉P(大丈夫このP)

そんな若い衆の会話を聞き、武市さんは若干引き攣り気味なこめかみを微かに揉みほぐす(頭痛くなってきた)

「うちの若い衆ときたらこれですからね。晋助殿の意見をお聞かせ願いたいものですな」

一応は参謀らしく、組長の前にくるりと向き直り、ご意見を伺う武市さん。だが晋助は不意に震えたケータイ(スマホ)を着流しの懐からスッと取り出し、



「…………」


その文面に目を走らせる。その文面を目で追ううち、次第に険しくなっていく晋助の表情。迫力ある右目の今の据わり加減と言ったらハンパない、ぶっちゃけもう視線で人を殺せるレベルである。

そんな晋助の鬼気迫る表情には、三人の部下達も自然と黙った。今の晋助のスマホ画面には、おそらく何らかの機密事項が知らせてあるに違いない。仕切ってるシマのイザコザなどよりもずっと危険な内容が、それよりも遥かにハードボイルドで血湧き肉躍る内容が、今から自分たちを華麗に戦場へと誘う内容が。
今からどんなドンパチが待ち受けているのか、三人の部下達の水面下の詮索は続いた。今からどんな命令が晋助から下されるのか、三人は固唾を飲んで見守る。これでは胸に灯った侍魂の炎はもう消えそうにない。


──よっしゃ今から血で血を洗う戦争の始まりじゃい、第二次かぶき町抗争の幕開けじゃあァァァァァァ!!かかってこいや白夜叉ァ!(←何で最大の敵が銀さん)


そんなテンションで静かにうずうずする部下達。



そして恐る恐る、まずは武市さんから口を開いた。

「……晋助殿?そのスマホ画面には……一体何が?どんな内容だったのですか(ゴクリ)」

次にまた子ちゃん。

「晋助様ァァァァァァ!!また子、もう覚悟はできてるっス!どんな戦争でもいけます、第二次かぶき町抗争でも何でも行かせてくださいっス!晋助様のためならまた子はどんな事もやり遂げてみるっス!(ズザァッ)」(再度片膝を着き)

最後は万斉P(ナチュラルにP付けんなや)

「晋助……一体どうした。そんなに鬼気迫る表情の晋助を見たのは久々でござる。芸能界の抗争もよもやの、血で血を洗う戦争がまた始まる……のか(ゴクリ)」


そんな風にして沸き立つ部下達を前に、咥えた煙管をついと指先で弄び、煙を吐き出す晋助。ふーと細く長く煙を吐く。そして順繰りに、頼れる部下達をその隻眼で見渡す。

皆が皆、今か今かと晋助の発言を待っていた。いつでも自分達はこの組の兵隊になれる、いつでも自分達は戦争をする。そんな気概に震える部下達を前に、十分すぎるほど十分な間を取ったあと、ギロリと眼光を光らせ、


晋助はポツリと、



「……うちのガキが……熱出しやがった」



嫁からのLINEの文面を僅かに翳し、くつくつと笑う(注:この人は893です)。完全に家族間のやり取りを職場に持ち込む、そんな頭。完全に公私混同、そんな晋助。

それにはさすがに三人の部下達も目を合わせ、


──えええええええ!!??そんだけェ!?
そんだけでこんだけ鬼気迫る面構えになんのォ!?ちょ、もうこの人何!?893として完全に間違ってるよ、いいパパさんだよ、見た目の雰囲気とハクと戦闘力だけは893として一流品なのにィィィィ!!


と、各々が心の中でツッコむ(心の中で驚異のシンクロ)

しかし晋助はと言えば、ふらりと椅子から立ち上がり、


「オイ……テメェら、シマの問題は片しとけ。今日中に片せねェなら俺が明日行く。なに、俺が刀の一本でも持って行きゃ事足りらァ……明日だがな」


──って、もう帰るのォォォォォ!?早えよどんだけだよ、まだ出勤してきてアンタ30分も事務所に居ねーよ!嫁からのLINEでUターンして帰る組長なんてまずいねーよ!真面目に893やれやァ!
てか待って、え、マジで帰ろうとしてんの!もうどんだけ心配!?どんだけガキの熱が心配!?怒っていいのかツッコんでいいのか、笑っていいかも分かんねェ!この人怖えよ、ある意味誰より本物の893だよ常識通じねえしィィィィ!!


と、三人の部下達はやはり各々心の中でツッコむ(凄いシンクロ率)
だが晋助はそんな部下達には構わず、ごく普通のテンションで帰ろうとしている。今にも組事務所の重厚な扉(防弾仕様)を開け放たんがばかりである(晋助っ)


それを見かね、ふるふると未だ震える武市参謀が、もはや耐えきれないように口火を切った。


「晋助殿、あの、アンタここに来てまだ30分も居ないんですよ。いい加減になさい。普段からして昼過ぎからしか来ないのに、子供がお熱?奥様からのLINEですか」
「…………(コクリ)」
「睦じいのもいい加減にしなさいよ全く。その見た目で四人もお子さんが居る、しかも愛妻家。それだけでね、大概他の組の連中はビビり倒してますよ。むしろ大概は引いてますよ。それでお熱出したのは誰ですか?紫乃さんですか翠さんですか、それとも今一番私的にアツい美紅さん?」(←何がアツいのか)
「ああ……一番下のチビだ。美紅はすぐに熱が出るからなァ。ガキはこれだから面倒臭ェ」(←なのに帰る)
「なら仕方ないですね、美紅スァンの為ならね。私が事務所に常備してる子供用冷えピタを差し上げます」


ロリフェミの名を欲しいままにしてる先輩は、晋助を咎めつつも結局は晋助を引き止められなかった(武市変態ィィィィ)。なんでわざわざ子供用のちっさい冷えピタを893事務所に常備しているのか、皆の謎が募るばかりだった。

そんな変態には激昂する紅い弾丸こと、また子ちゃん。


「ちょ、武市変態ィィィィ!!ふざけんなっス!そりゃあ晋助様のお子達は全員可愛いっスけど!天使っスけどォ!でもでも、そんなんはあの地味メガネに任せときゃいいんスよ!冷えピタ持ち帰るなんて、それ晋助様の仕事じゃねーっス!てかあのメガネもマジ大概にしろっス、晋助様をこんな事で煩わせてェェェ!!デキ婚だけでもふざけてんのにィィィ!!(キィィ)」
「いや、八恵は特段何も言っちゃいめェ。報告だけだ。だが俺が帰りてェから帰る……それだけだ(すっぱり)」
「……え?え、そうなんスか?晋助様のご意思で?晋助様が自らお子を心配されて?晋助様のご判断なの?嫁に強要されたんじゃなくて?……な、ならいいっス、全然OKっス!!むしろまた子が冷えピタもポカリも買って行くっス!!美紅姐さんはまた子が病院までマッハで連れて行くっスぅぅぅ!!」

晋助崇拝を第一に掲げているまた子ちゃんは、八恵ちゃんを詰りつつ、結局は晋助の意思を優先させていた。既にポカリや病院まで手配しようとしていた(もうダメこの娘っ)

そして万斉さんは、

「…………(シャカシャカ)」

既に普通にヘッドホンにて音楽を楽しんでいた、次の楽曲の構想に忙しかった、最初から晋助を止める気もなかった(この敏腕Pはっ)





そんなこんなで、鬼兵組における今日の晋助の業務は30分で終わりを告げた模様です。優秀な部下達にいつもとても助けられております、高杉ファミリーです。


高杉さん家における思春期長男(高新♀)


*突如として高新♀ファミリーが愛しくなった*
*うちの高杉家には、長男の蓮助くんを筆頭に長女の紫乃ちゃん、次女の翠ちゃん、三女の美紅ちゃんという四人のお子がナチュラルに居ます*
*詳しくはサイトの高新♀部屋へ*
*しかし何で四人もガキこさえてんでしょうね、嫁への愛ですか(愛です)*





高杉家愛しいなあ!絶対ェカワイイしね、この人らはね。つか八恵ちゃんが蓮くん産んだのなんて未成年の頃だからね、晋助は何も知らない少女に何をやってんの?
お前は、その、完全にアウトですね晋助(本当だよ)

でも舞台は大江戸なんで、まあギリ大丈夫か(そういう問題ですか)

つーかデキ婚だと思うけどなあ。何か普通にデキ婚しててもいいと思うよあいつらは、晋助と八恵ちゃんは。
だって婚前交渉をバンバンしてましたからね、そんで避妊も適当だったんで、何か私そんなん書いてたんで、そりゃ……健康な男女がそんなんしてたら孕みもするわな(晋助っ、も、こんの馬鹿ァァァァァァ!!)(セルフビンタ)




だから蓮くんが少し大きくなった頃(13歳とか)に、

「母上と父上が結婚した年に……俺ァ産まれたんだよな。昨日……アルバム見ててよォ」(←多感な年頃)

とか朝の食卓でポツリと言われて、思っくそ目をそらす母メガネ。てか何気にアルバムにて思い出を残してるご家族ですね、幸せかって言うね。
節目節目に撮ってますね、お子さんが産まれた時とか、蓮くんが初めて立った時とか、紫乃ちゃんの七五三とか、お正月に家族全員で正装して皆で並んでる図とか(カワイイかっ)
まあ晋助は撮らんけどな(撮らねえのかオイ)

だからこれ、多分デジカメでご家族のメモリーを甲斐甲斐しく撮って回ってるのは武市さんです(パシャパシャ)
凄く綺麗にアルバムに残されております。めっちゃ日付けとか振ってありますね、アルバムにも(性格出てます)



だけど息子にそんなん言われたあかつきには八恵ちゃんも動揺しまくり、末娘の美紅ちゃん(5)用の子茶碗に飯をよそってた手もピタと止まり、


「ええええ蓮くん!?どうしたの急に、何でそんな事っ!(カァァ)」

となりますが、蓮くんは別に母上を困らせたい訳ではなくて(いい子)、母上を責める気は毛頭なくて、ただ発言を終えた後は父親譲りの二つの翠の眼でジィィッと上座の父上を睨んでるだけですけどね(皆揃ってご飯食べてたッ!)


「つまり……父上と母上は、その、俺が居なかったら……結婚してねェのか?」(←すごく多感な年頃)

多感な年頃の長男が放った一言に、朝の高杉家の家族団欒の一コマが即座にピシィッと張り詰めたものに変わる。漲る緊張感。八恵ちゃんも思わず、構えていたしゃもじをお櫃の中にカタンと落とす。

そして食卓に漲った緊張感の意味も分からず、

「ははうえ、みくのご飯。ねえ、ご飯っ」

などと愛らしい声で囀り、母からよそってもらうご飯を素直に待ってる末娘(父上が溺愛してるらしい)

そんな末娘にチラと目をやってから、年季の入ったメンチで長男に睨みきかせるのは晋助です(どんな父親かよお前)


「テメェ……一端に色気付いてんじゃねェ。殺すぞ」

クソガキが、と続け、父は長男の思春期じみた可愛らしい疑問を一刀両断に斬る。
しかし自分のガキに向かって『殺すぞ』と朝から凄む、こんな父親で果たして大丈夫でしょうか(大丈夫じゃないと思う)


「晋助さんっ!そんな言い方ないですよ、蓮くんだってそういう年頃でしょうよ。いい加減にしろよアンタは」

まったくもー、と息を吐く母は、既に落ち着きを取り戻して末娘のご飯をテキパキとよそっている。そして末娘は喜ぶ。だがしかし、長男は納得がいかなかった。

「フン……俺ァずっと前から疑問に思ってんだよ。何で父上と母上が結婚したのかってなァ。俺の両親ほど釣り合ってねェ夫婦は居ねえ」

皮肉げにくつくつと笑う少年。えええ思春期って怖い。しかも晋助のガキだけあってこじれてるぅ!
だけど真顔に変じた父に、

「ああ……まあ八恵ほど地味な女もそうは居ねえな。この俺と釣り合う筈もねェが(真剣)」

と相槌を打たれて、そこはホラ、母親譲りのツッコミ精神で父にツッコミにいく長男(13)

「違ェだろうが!父上みてェな悪党と何で俺の母上みてえな女が結婚したのかっつってんだよ!デキ婚とかよォ、も、マジどう考えたって……母上が被害者じゃねえか!あり得ねえよアンタ!」(←確かに)

持っていた茶碗と箸をガチャンと乱暴に置き、くっ……と眉間を絞る長男。
「……あ?」と、やはり不機嫌そうに息子を睨め付ける父。そしてそんな父子をハラハラと見守る母(メガネ)

そんな中、9歳の長女である紫乃ちゃんは不思議そうに、

「できこん?って何ですか、兄上」

と、母譲りのキャワイイお目目をして、だがしかし若干KYな天然気味に隣りの兄に問いかけている(天然はたぶん父譲り)。そんな妹を反吐でも出そうな目で見やり、

「うっせェ黙ってやがれバカ紫乃っ」

などと悪態を吐く思春期野郎(これだから晋助の血筋っ)

なのに悪態を吐いた途端、今年7歳になった次女の翠ちゃんに、卵焼きを突いていた箸を止めた翠ちゃんに、

「てか兄上の方がうるせーし」

とカワイイ翠のお目目で睨まれ(翠ちゃんは銀さんにとても懐いてるので銀さんっぽく喋ります)(だが容姿は限りなく晋助似です)、

ぐっ……と再度眉間を絞る長男(てかお前の立場弱いな蓮助)



そしたら八恵ちゃんも、末娘の頬についたご飯粒などを甲斐甲斐しく取りながら(既に食べ始めているぅ)、

「や、別に僕は被害者とかではなくて……僕と晋助さんは、いや母上と父上は……ねえ、あの、晋助さん?」

と旦那にフォローを求めるが、旦那はもう思春期野郎の発言にすっげえ不機嫌なんで、

「うっせェクソガキが、テメェ誰のおかげで発生できたと思ってやがる」

などとまだまだ蓮くんに怒ってます(お前そんなんで色々大丈夫か)。朝から不機嫌、てか朝だから尚更不機嫌。低血圧晋助です。

「あ?誰のおかげって……母上が腹ァ痛めて俺を産んだからだろうが」
「ほざけ。テメェの郷里は俺の中にこそあんだろうが、まだ分かってねェのか(フン)」
「ああ?いやそれどういう……たまに父上のたとえ話がよく分かんねェ」(←確かに)
「まあテメェももう十三か。いつまでもネンネでも居られねェな小僧(くっくっ)」


「晋助さんんんんん!?紫乃ちゃんや翠ちゃんも居ますから!居るからァ!!」

他ならぬ自分のガキに、何故かおたまじゃくし発生の話をうっすらしかけてる旦那にキレツッコミする妻(晋助っバカァァァ!!)

そして蓮くんにくるっと向き直り、優しい目で語らう。


「あのね、蓮くん。父上と母上は、その、確かに蓮くんを授かった事がきっかけで結婚したけど……でも、その事で蓮くんや紫乃ちゃん、翠ちゃん、美紅ちゃんに引け目を感じた事はないよ。もちろん世間にも。だって僕と晋助さんは……ねっ、晋助さん」

何故かカァァと頬を染め、てれてれとまるで生娘かのように照れている母を胡乱げに見やり、てかだいぶ訝しげに見やり(晋助っ)、父も渋々頷く。

「……フン。俺のような男がガキを抱えて所帯持ってるように見えるか、蓮助」

急に問われ、ふるふると首を振る長男。

蓮助の目から見ても父は格好良かった。洒落た着流しを羽織り、煙管をふかして街を行く姿。色悪めいたその笑みも、何もかもが全くもって一介の家庭人には見えなかった。むしろ何もかもが玄人だった、その筋の人だった。いかにも893的な、裏社会を牛耳ってる風情の、とても危険な色香を濃厚に漂わせていた。しかしそれもどうだろうか、高杉さん家の大黒柱(本当に)

息子に否定され、はっ、と笑う父。その口の端には、いつもの皮肉げな笑みが浮かんでいる。

「……テメェの母親しかいねえよ。その俺がこうまでして、手に入れたいと思った女なんざァ」

その言葉に、ふと顔を上げる蓮助。そっくりな色をした目と目をガチで見合わせる父子。
そして父はまた語る。

「この現状を見て、テメェはどこに疑問を挟む。どう不満を持つ。女なんて面倒臭えもん、惚れてでもなきゃ囲えるか」

ズバッと言い切られ、うぐぐと言葉に詰まる長男。愛情だらけの両親の元に望まれて産まれてきた事実を、気恥ずかしく、でも何故か心が温かくなるような、だけどどうしたって気恥ずかしさが勝つような思いで聞いてた長男(思春期)


「……なら、父上は、母上のこと……あい、」


しかし言いかけた言葉もそこそこに、やっぱりてれてれしてる母のセリフが華麗に被る。

「ちょ、やめてくださいってばもう、晋助さんが僕に猛アタックしてきた事とか今でもすっごい覚えてますけどねっ(キラッ)」

それには直ちにイラついた父の言葉も辛辣に飛ぶ。

「(イラァ)……おい八恵、調子に乗んじゃねェ。すぐ図に乗りやがるなテメェ、処女の時と何ら変わってねェな(ペッ)」
「いやそれ言うなやァァァ!!まだ言うかアンタは、てか子供らの前でしょうがァァァ!!(ガタタッ)」


そんな風にして忙しなくボケツッコミをする両親を見て、やれやれとため息を吐くのは長女と次女。そして口々に、

「ね、兄上。紫乃が思うに……父上と母上はきっと、結婚する前からあんな風だったんでしょうね。遅かれ早かれ結婚してましたよね(もぐもぐ)」
「そうそう。間違いねーし。放っときゃいいっつーの(もぐもぐ)」

などと飯食ってる妹らに諭され(いい子達っ)、しまいには末の妹にまで、

「にーに。みくのご飯あげるね、怒らないでね」

と気を使われ(にーに!)、

やはりぐっ……と眉間を絞る長男。健やかな家族に囲まれて、ようやくここで己の茶碗を持ち上げる長男。

「フン、俺はそろそろ本気で自立してく将来を考えるとすらァ。……父上と母上をずっと見てるのがそろそろしんどい……」

既に子が思春期なのに、まだまだ余裕でイチャこいてる両親を見た彼は、そんな事をやつれた顔で言い放ったという(かわいそうかっ)



しかしそんな長男ですが、やっぱり高杉ご夫妻の長男として産まれてますので、まだまだ妹らに振り回されつつ、両親にも困らせられたりしながら、

父譲りのマインドと母譲りのツッコミ癖を携えて、まだまだ奴自身も健やかに育っていきます。






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