JRがまだ国鉄だった



特急列車が出発する駅のホームに彼女は立っていた



正月休みを熊本の実家で過ごした私は、会社のある神奈川に帰る為、同じホームにいた



列車が到着し、二段の寝台が向かい合う座席に腰をおろした私は、彼女を含め他の乗客らと少しずつ言葉を交わし合い、気が付くとそのまま朝まで他愛のない会話を続けていた



ケータイなんて無かった時代、住所を書いた紙を交換しあって私たちは別れたのだった