老人ホームにいる父だが、今月から週に二日、私の働くデイサービスを利用している



私は今日は休みだったが、父が来るので母や叔母さんを連れて会いに行った



ほんの僅かな時間だが、身内だけで近くの公園へ散歩



父は認知症で車椅子だ



昨年の骨折で立位は絶望となった



顔は分かるかも知れないが、私の名前も忘れてしまったようだ



叔母、私を指差し、「兄さん、この人誰か分かる?」



父、笑顔で「弟。」



叔母、次に母を指差し「じゃあ、こっちは?」



父、笑顔で「彼女。」



当たらずも遠からずの父らしい答えに皆、苦笑



叔母「そろそろ帰るね。また来るね」



父「俺も帰ろうかな」




父はいつもそう言うらしいが、私が押して歩く車椅子で




「本当に帰りたいんだよ、、」と言った




介護の仕事に就いて一年




必要最低限の介護資格も取得した私




介護の目的は‘自立援助’、また、一番尊重しなければいけないのは個人の尊厳




父の願い、叶えたいものである