五年前、


家では鬼太郎の漫画に興じ、将来は妖怪博士を夢見ていたインドア派の申し子が


もうすぐ小学五年生になろうという時に突然


「お父さん、剣道やっていい?」


仕事中の私の携帯に電話をしてきた


それまで七年の間、


剣道を続けていた娘が中学卒業を機に剣の道を降りた矢先の事だった


幾度となく剣道を勧めたが、決して首を縦に振らなかった長男が、で、ある


「やりたいのならやりなさい」


剣道の保護者会役員の務めを終えたばかりの私の心中は、やや複雑ではあったのだが(笑)


(うちの子供たち、なんで剣道なんだろ)


以来、五年間


ほとんどの稽古を欠かさず精進


先月の中体連では中学校剣道部念願の団体戦初の優勝に長男も貢献


「あと少し早く剣道やってたらもっと強くなれたよね」


最近の妻の口癖である


明日はそんな長男


剣道の昇段試験


中学生最後の二段に挑む