ゆんの部屋

今ではシャッター商店街だが、学生の頃は夏場は毎週末夜市で賑わうアーケード




学校の帰りに友人とつるんで毎日のようにうどんを食べたものだ




当時は新聞配達もしていて小遣いもあり、今から思っても幸せな高校生活を送っていた



都一うどんはデパートとスーパーの間の細い階段を昇った所にあった




かけうどん一杯おそらく100円台だった気がする




手打ちの麺は角張って太かった




デパートやスーパーが閉店後もしばらくは経営していた記憶があるがこちらも今では跡形も無い

以前、『夜泣きうどん』という店があった




神社の鳥居近くの小さなうどん屋




何度か行った事があるが、ごく普通の美味しいうどん屋さん




でも何故「夜泣き」？




私の貧相な脳ミソでは雪女が寂しげにうどんを啜る姿を想像していたのだが




調べてみたら、「夜泣き」というのは「夜鳴き」で、屋台引きがチャルメラを鳴らしていたことから




西日本では「夜泣きうどん」だが東へ行くと「夜泣きそば」になる




「夜鳴き」と書く店もあり、もし「夜鳴きうどん」とあれば私の想像力も雪女まで登場してもらう事も無かっただろう




「、、ごちそうさま、、」




夜の闇に、か細い声でお礼を言いつつ姿を消す雪女の如く、「夜泣きうどん」はいつの間にか店を畳んでしまっていた