もっと話してあげていたら良かった
何か支えになれる事を
私は後悔ないくらい精一杯できただろうか
きっとできてない
もっとやれる事があったはずだった

わからないと逃げていたのは私で
辛さも苦しみも
何も解決してあげられなかった

優しくする事さえできなかった
今ならわかるのに
病気になって倒れてしまった時に
こんなに弱い母親なんだから
これからは支えになってあげようと
気付けた所だったのに

何もできないまま
ただ苦しい苦しいともがいているのを
隣で見るだけしかできない

死の恐怖に怯える気持ちに
大丈夫、すぐに良くなるよと
根拠のない嘘を言い続けるだけだった

何も大丈夫じゃなかった

そう思いたかっただけだった
よくあるドラマの話みたいに
お母さんは死んだりしない
こんな事で死んだりするような人じゃない

言い聞かせないと
どうやって笑ってあげたらいいのか
その為に必死に働いた自分を
どうやって慰めたらいいのか
わからなかった

私の事を偉いねと褒めてくれた
最後の言葉と顔がどうしても忘れられない

まるで、宜しくねって
言われたような気がした

頼まれるには私なんてまだまだ未熟で
毎日食事を作り、掃除をして、バイトをして、
自分の好きな時間もあり、それがない時もあり、
一息ついた時には寝る時間になっていたり、

こんな時はどうするの?
どうやってやってたの?
またこんな事があって

当たり前に聞けた事が
もう二度と聞けない

愚痴をこぼしたら
自分が崩れそうになるから
頑張っている意味がわからなくなって
なんで自分だけって思ってしまいそうだから
毎日毎日耐えて耐えて

家族思いのしっかりした私になって
お母さんのいない隙間を
私が埋める役割になって

でも別に褒められたいわけじゃない
凄いなって言われたって
そんなのわかってるし

どうしたいのか
何を言ってほしいのか
自分でも自分がわからない