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えんちょうせんせい


『おっと、これはどういうことでしょうか』


『うーん、なんとも言えませんが
追い上げていることは確かですね』


とあるスポーツの
延長戦がラジオから流れてくる


『しかし、このまま点差をつけられて
試合は終わってしまうのでしょうか?』


『まだまだ、わかりませんよ』


ここは、ある幼稚園の
先生の職員室だ


なにか、ラジオが
ついているみたいで


解説者が
競馬の馬が競うように
かけあいをしながら
解説を行っている


『あぁ、一点追い上げました!』


『どういうことでしょうか。先程まで
点を離されてきたチームが
追い上げてきました』


『最後まで、わからないようですね』


それぞれの、仕事をしている先生たちが
仕事をしながらも
耳の意識はラジオに向いているのがわかる


『おぉ、ついに二点差まで追いつきました』


先生たちは
じぶんのことでもなくても
試合状況に胸が高鳴り
心のうちでは「よし、良いぞ!」など
おもっているのが目にみえる


『こう、メイクドラマというか
一度、勝敗が読みとれそうな試合のながれが
どちらが勝つかわからないような展開に
なってくると
試合というのはおもしろくなってくる』


『『ドドッ』』


なんだか、廊下がさわがしい
こどもたちが
はしゃいでいるからだろうか


『『ドドドドッ!!』』


こどもたちの走る音が
職員室に近付いてくる


『おっと、点差がならんだ
残り1分、どちらか先に点をいれた方が優位だ』



『残り30秒!!』


『10.9.8.7.…』


『おっと、ボールが飛んだ!!!』


ラジオからの実況に耳が離せずも
こどもたちが
ドアを開けて大声でさけんできた







《えんちょうせんせい!!》





試合に気をとられていた
園長先生は
『なんのことだい?』というような
顔をして子供たちをみた



『みのりちゃんのお弁当がね、間違えて
おにいちゃんの持ってきちゃったみたいでね
せんせーの美味しそうないなり寿司とか欲しいの』



『そうか、じゃ、たくさんもっていきな 笑』


『じゃ、先生のでもよかったら、これどうぞ、はい 』


『あっ、これよかったら使いなね。』


園長先生の他にも
もも組のよしこ先生や
そら組のひかり先生

あたらしく、今年の4月から
先生になったばかりの
若手のさつき先生


など、たくさんの先生が
たっぱにおかずをつめてくれていた


『ありがとうございました』


素直な、あどけないような
こどものような声で
こどもたちはお礼を言い


たっぱにつまった
おかずをもって
みのりちゃんのいるクラスへと
走っていった




ははっ


園長先生がわらいだした


つられて
他の先生たちも、わらいだした





じつのところ
試合が終わりそうだったとき
最初に負けていたチームが
最後のさいごに
ふんばりをみせ
追い上げたのだ


そのとき、実況から


『延長先制!!』と聞こえたのと
シンクロするように


こどもたちが、はいってきて

『園長先生!!』と言ったのが
偶然にも一致したのだった




そうそう、こんなことはない

いろんな角度から物事をたのしむとは
こういうことなんだと
思えた

ある秋の午後のことだった

ほっこりさせられた瞬間






・妊婦さんのおかあさんと
たぶん、年長さんくらいの女の子が
電車に乗ってきて
前に座っていた人が席を譲ったのだけれど
席がひとつしか空いてなくて
その、
おかあさんが女の子に
『座りなさい』って言った時
女の子が


『わたし、立ってるの好きだもん』


とちいさいながらも
おかあさんに席を譲っていて
お姉さんになる瞬間を垣間見れた光景












・小学校の低学年のお兄ちゃんと
幼稚園の妹だろうとおもう兄妹が
席のはじっこに座っていた時
杖をついたおじいさんが
入ってきて
ひとつ席を横にずれて


『おじいちゃん、ここどうぞ』


とお兄ちゃんが言い


『あぁ…、どうもありがとね』


といった瞬間に
立ち会えた光景










・野球の部活がえりの高校生が電車に座り
席が満席で
目の前におばぁちゃんがたったとき
気さくに席を譲ろうとして


『ほんとうに、いいのかい?』


といって
申し訳なさそうに言うおばあさんに


『普段、マウンドで足腰鍛えてるんで
だいじょうぶですよ。
まだまだ一回表くらいなんでがんばれますよ!』


と部活がえりで、自分も本当は疲れているが
ボキャブラリーも交えて
おばあさんに気を使わせないであげた光景












・つらそうなのに
席にすわらないおじいさんに対して
子供たちが



『じゃ!俺すわる』
『いや、俺がすわる!』
『ぼくも、すわる』
『いやいや、私もすわる。』



って挙手しながらいい


『じゃ、わしが!』


とおじいさんも
ダチョウ倶楽部のネタを知っていて


子供たちが
『どうぞどうぞ』と席を譲りながら
自然とわらい声と笑顔に溢れてた光景












・ちっちゃなお子さんをだっこしながら
乳母車を引きながら乗ってきたおかあさんが
次の駅で降りるとき
段差をなかなかおりれなくて


『だいじょうぶですか』


と、大会生の女の子がさりげなく
車輪を持ち上げて
無事におかあさんたちが降りれて
『ありがとうございます』
『どういたしまして』といったような
光景をみたとき












・『Suicaとどかないよぉー…』と改札口のまえで
手を伸ばしながら
今にも泣きそうな少年が



『ピピピッ!』
『はい、これで通れるかな』



と、新社会人のおねえさんに
助けてもらって『ありがとう』と
交わしているのを見た光景











・『遅くなっちゃってごめんね。
なんで、先の電車に乗っていかなかったの?』と
やりとりをしている遠距離だろうと思う
恋人未満か友達以上の男女が



『遠足って帰るまでが遠足みたいなものでしょ。
だから、
もし、ひとりでのってたら
こう話をしたりするのもできないかもしれなかったから』



とさりげなくても
恥ずかしながら、やりとりを交わしていた光景












たくさんのひとたちがいるなかで
こうした日常に出会うのも
ドラマなんだと、
思う瞬間でした。

欠伸



結局どんな奴に当たっても
欠伸をしてるって思ってる
だってなんの感情もなくて
つまんないから
欠伸してるようにしか
思えないから



クリープハイプ
奥が深いなぁ

青春の影


今日から君は
ただの女

今日から僕は
ただの男


「失恋」でも「離婚」でも
スケールの大きさに
驚かされます。

MUSIC

フジファブリックのアルバムタイトル曲であり

清竜人のアルバムタイトル曲です
この中の、
バカバカバカと
雨がお気に入りです

朝聞くと元気がでます。
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