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小ネタ


「ハイジは、浮いた話聞かへんなぁ」
例の『記憶喪失事件』の日、いわゆるパラレルワールドから来たというこの友人と知り合ってもう1年になろうとしている。
「植木耕介」という唯一の共通点しか持ち合わせていなかった自分達は、今では仲間、と呼べるくらいには成長していた。
ハイジという男は何より筋を貫くことを信条にしていて、一直線。実にわかりやすく快い性格である。
奇遇にも同世代の男二人、日常的な、他愛もない話題だと思った。
「好きな女の一人や二人、おれへんの」
妹のミリーちゃん以外でな、と付け足すと彼は少し嫌そうな顔をした。
彼の愛妹を除けば、女性に関する噂は一度も聞いたことがない。


「そんなもん、いねぇよ」
そう言って怪訝そうな目を向ける。純情という一言が頭に過ぎる、その風貌で。少々その様子がおかしくて、追い打ちをかけてしまった。
「ウソこけ。今頭過ぎったヤツ言うてみ?」
我ながら悪どい笑みを浮かべながらハイジの顔を覗き混んでみると、なんというか、普段の奴からは想像もできないような表情をしていた。
完全に目が泳いでる。おまけに耳が赤いときた。
ハイジは数回口をパクパクさせてからやっと、
「てめぇには教えてやんねー!」
と、勢いよく叫んだ。
なぁ、そこまでなっといて教えてくれへんとか、ひどすぎるやろ。
ぐん、と伸びた歩幅からこれ以上離されてたまるかと駆け足になりながら、これも一興か、と思った。



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小ネタ、佐野視点
ナガハイ推奨のくせにこれっぽっちもナガハイじゃありませんどういうことなの…
佐野とハイジでコイバナをしてほしかったんです
ハイジもそのうちぽろっと言っちゃう気がするし。ナガハイが来い!
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