「なあなあ、俺さ、日吉からのメール全部保護ってんだけど」
「ブッ!!!!!」
「ちょ、日吉きったね!ゆーし、ティッシュ」
「ティッシュやのうて、ちゃんとティッシュとってって言わなあかんやろ?はい、ティッシュ」
「サンキュ、なんだっけメール保護の話だっけ」
「日吉が真っ赤なうえに虫の息やけど、続けて大丈夫なん?」
「だいじょぶ!照れてるだけだC!だからね、俺は、日吉が送ってくれたメールすべて保護ってんの!『了解です』『いやです』『好きです』とかのたった四文字メールも保護ってる!!」
「あ、ちょ、ばっ…」
「メール保護くらいかわいいもんじゃね?」
「俺、最初はSDに保存しとったで」
「それもべつにかわいいもんっしょ」
「さすがに印刷しようとしたら岳人に止められてもうた」
「それはしょうがない」
「欲を言えば、日にち別にホッチキスでとめてファイリングしたいくらいやった」
「それはキモい」
「なんで俺こんなやつと付き合ってんだ」
「え…そこまで言う…?」
「でさでさ、ひよしは俺からのメール保護ったりしてない?」
「し、しませんよ!!誰が…そんな……………」
「えー…してないの?…おれしょぼん」
「………べ、別に保護じゃなくてジローさん用のフォルダはありますけどね!フ、フン!」
「「「…可愛いなこいつ…」」」
「ひーよし、いっしょに帰ろ!」
「断る」
「えええー!」
「お前、いつも宍戸さんと帰ってんじゃねえか」
「宍戸さん、今日は委員会なんだよ〜」
「だとしても知ったこっちゃねえ」
「いいじゃん別に減るもんでもないし」
「……………」
「ひよし?」
「ジローさんと二人きりの時間が減るだろーが!!!」
「すいませんでした」
「今年も新入生かなり入ったみたいだな」
「うむ…どれだけの人数が王者立海の厳しい訓練に耐えられるか…」
「俺たちも2年になったし、練習量も増えるだろうね」
「全国制覇するためには当然だ」
「ふふ、そうだな………って柳、さっきからなにキョロキョロしてんの?」
「人でも探しているのか?」
「ん、ああ…小学校のときの後輩が…………あ、いた!」
「柳せんぱーい!」
「赤也!!」
「………なんだよいきなり抱き合って………で、誰だよ、このワカメ」
「蓮二……その、他の新入生が見ているんだが…」
「ああ、紹介しよう。同じ小学校だった俺の切原赤也だ」
「うっす!柳先輩の切原赤也っす!!」
「「…………あ、そう…」」
っていうやり取りが赤也の入学直後にあったらいいなあ。2年柳さんはファンタジスタ。
「ひよし!あっちむいてホイやろ!」
「…嫌ですよ、なんで俺がそんなこと…」
「…だって忍足と岳人がやってたんだもん、羨ましかったんだもん」
「……………………」
「…………………………」
「…いいですよ」
「え、ほんとに!?」
「男に二言はありません!」
「じゃーいくよ!あっちむいて…」
「……………」
「ひよし、最初は目を合わせてくれなきゃ」
「……………………」
「最初から横むいてちゃゲームになんないよ」
「…………わかっています」
「………照れてる?」
「照れてません!!」
「柳さん、あっちむいてホイやりましょ!俺が勝ったら次の日曜デートっすよ!」
「では、俺が勝ったら明日デートでいいか?」
「柳さん……!」