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about




ようこそ、玉響へ。

ここは戦国BASARAと銀魂の二次元創作の文を中心とするサイトです。

男×男なので、ご注意を。

たまに、NLもあります。

作者様、公式とは無関係です。

閲覧後の苦情などは、受け付けておりません。

感想の方は、コメントからお願いします。

コメントはちょっと…という方は、メールからどうぞ☆


以上を踏まえた上で、当サイトをお楽しみください。









紫苑


失うもの、失ったもの(馬姜)

※無双、死ねた




涙が、止まらない。

いつも優しく抱き締めてくれる貴方はもう、いない。


「猛起、殿…」


この世の中。

いつかは来ると思っていた。

でも、そんな世の中でも。


貴方に出会えて、恋仲になって。

過ごした日々は、とても幸せだった。



「ふ…うぅ…」



戦で失ったものは、数知れない。

貴方も、失ってしまった。

きっとこれからも沢山の大切なものを失っていくのだろう。


耐えられない、
貴方のいない世界なんて。



どうして、私を置いて行ったのですか。

ずっと傍にいると約束したのに。



「猛起殿…」



愛しています、貴方のことを。

ずっとずっと、愛しています。











――――………




それから、10年後。

見事魏を打ち破った蜀は統一を果たした。

諸葛亮に匹敵するほどの策を打ち、様々な戦で蜀を勝利に導いた男。

名を、姜維と、字を伯約という。

統一を果たしてから、彼の姿を見たものは何処にもいない。


最後に姿を見たものは、言った。


『幸せそうに笑って、何処かへ行ってしまった』


と。





時代は流れ、彼の名が人々の間に出ることは、なくなった。


ある村を除いて…。




「ねぇ、おばあちゃん」

「おや、どうしたんだい?」

「お話聞かせて!!!伯約のお話!!!!」

「あぁ、いいよ」




親から子へ、語り継がれていく。


蜀を天下へと導き、その後愛しき人のもとへいった話。



この話は、村人しかしらない。





end.


04.生徒会室を占拠して(親就)




「元就、いるか?」



外が茜色に染まりつつある時間帯。
静かな生徒会室に、声が響いた。
元就は書類から一瞬だけ声の主に視線を向け、また直ぐに戻した。
声の主である元親は、苦笑すると元就の側にあるソファに座った。



「…会長、帰ります」



残っていた副会長が、立ち上がって元就を見た。
元就は頷くと副会長は笑って生徒会室を出ていった。



「あと、どんくらい?」


「…少しだ」


「そっか」



静寂が流れた。
元就の紙を捲る音と、時折書く音。
時計の音が支配していた。



「なぁ、元就」


「なんだ」


「…」




呼べば、返事をしてくれる。
昔は返事すらしてくれなかったのに。



「いや、何でもねぇ」


「可笑しな奴だ」





生徒会室を占拠して、キミと過ごす二人だけの時間。
側にいるだけで、ただそれだけで。

―――……幸せなんだ。






end.


他の生徒会メンバーには悪いけど、やめられない。





03.雨が降る屋上で(幸政)






「雨でこざるー」


「HA、天気予報はあてになんねーな」



雨が降っているというのに、屋上には二人の影。

理由は、寝ていたら降り出したからである。


授業はとっくに始まっている。

けれど濡れ鼠なため、戻れないでいた。



「政宗殿、寒くないでござるか?」


「あー、少し寒いな」



残暑とはいえど、九月。

雨が降ると気温は下がる。



「こうすれば、暖かいでござる」



幸村は後ろから政宗を抱きしめた。

肌に張り付いた服が気持ち悪いが、体温があったかい。



「幸村」


「政宗殿…?」


「いや、何でもねぇ」




雨が降る屋上で、重なる影。

そっと寄り添う影は、雨が止むまで離れなかった。




end.


学校(王道)5題
title by:確かに恋だった





02.部室の鍵が見つかるまでは(小十佐)





「あれー?鍵がない…」



部室の鍵を取りに行けば、いつもあるところに鍵がない。

ごそごそと探しても見つからない。



「っかしーなー」


「あ、猿飛先輩」



後輩に話しかけられ一旦作業は中断。



「俺達探してきますから、待っててください」


「あ、本当?じゃあお願いするね」



後輩たちに任せて事務室を出る。

体育館へ向かう途中、見つけた。

大好きな人の、後ろ姿。



「かたくらせんせー!!!」


「猿飛か」



両手には、ワーク。

今から点検だろうか。



「今からやるの?」



自然と隣にならんで、歩き出す。



「あぁ。…手伝え」


「命令!?まぁ、いいけどさ」



半分小十郎から受取、向かうは国語準備室。






―――……






国語準備室は、誰もいなかった。
普通は職員室を利用するのだが、小十郎は違った。
一人の方がやりやすい。
前にそう言っていたっけ。



「あ、やってないページ発見」


「こいつもか。全く、だからテストが悪いんだ」


「先生の授業、分かりやすいのにねー」



くすくす笑う佐助。

どきん、と胸が高鳴った。

たまに見せる仕種が幼くて、可愛らしい。



「ところで、部活は?」


「部室の鍵がないの。今後輩が探してる」


「そうか」




だから、部室の鍵が見つかるまでは。

隣に、居させてください。





end.


学校(王道)5題
title by:確かに恋だった


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