一緒に居られないのなら殺してほしかった
わたしの気持ちを見殺しにしたのだから、わたしの命も見殺しにすればいい
これはエゴ。分かってる。他に方法は見つからない。
恭ちゃん、ごめんね。幸せにはなれなかったよ。あの人は最後まで私を好いてはくれなかったよ
恭ちゃん、ごめんね。それでも私は今でもあの人が好きよ
恭ちゃん、私を馬鹿だと叱ってください
恭ちゃん、本当は、
家も、私も、君のこともあの人のことも、
ごめんなさい。会いたい。ごめんなさい
君も、おかあさんも、どうして
回り回ってそれは甘えで自己愛なのだと、どうして気がつかないのか。
逃げるなんて嘘だよ、できる訳ないじゃない。
でもそう言ったほうが、君は安心できるでしょ。
うんざりなんだ。本当に。馬鹿馬鹿しい
切れた唇の端を抉るように舌先でなぞる
喉元まで這い上がる助けて、という台詞をぎりぎりで飲み下した
「君は私に振り回されないでいて」
気丈に振る舞ったつもりか、虚勢などたかが知れている
せせら笑う不快感を噛み砕きただひたすらに祈るしかない
私から逃げて
私から逃げて
私から逃げて
私を連れて逃げて
どちらも違わず本心なのだ
雁字搦めの思考はただ全てを遠ざけた
明朝体の清潔で無駄のない字画は好ましい。安心する。
表示書式を明朝体に設定できるのは、携帯をスマホに替えたことで一番のメリット。