無視する、と目配せによって愉しげに伝えられた後も、その呼び出し音はなかなか途切れなかった。
呼んでいる誰かと、呼ばれている当人、そしてそのどちらでもない自分の存在が、その一音ごとに繰り返し印象付けられる、そんな感覚。
それを心地好いと感じるほど、悪趣味ではなかったようだ。目の前の男とは違って、まだそこまでは。
しつこいねェ……と一人ごちたヒソカがようやく身を離す。邪魔すまいと距離を取ろうとした手首を掴まれ、イルミは軽く眉を寄せた。
「とってもイイ夜なんだ……邪魔しないでくれるかな」
寒々しい語気に恍惚の色を覗かせてそれだけを言い放つヒソカの横顔に、何を思うよりもまず電話先の相手に同情する。
かわいそうに、タイミングを誤ったせいで、妙な幕間劇に巻き込まれてしまって。
いや、実際どうだろう。
巻き込まれているのは、オレの方かもしれないのに。
真顔で自嘲するイルミの意識が、ヒソカの指先によって現在に戻される。視線を返すと、何かを見出だしたらしく薄い唇が満足そうに歪む。散々触れているそこを、改めて他人のものとして眺める。
やがて当たり前のように重なり、生じる流れに身を委ねる。どんなに馴染んでいるのかを、確認しているみたいだと思う。
「確かに」
「ん?」
「良い夜ではあるね」
月が、明るくて。
呟いた声が、冴えざえとした空気に消える。視線が、同じ方角へ向かう気配がする。
静かに抱きすくめられ、その感触に納得している自分に驚かされる。髪に鼻先を埋め、聞いたことのない声音でヒソカは笑った。
了
思われます。
最終更新…一昨年か…
お元気でしょうか。
何度か転勤してるうちにPCを設置することさえできず箱の中です
とりあえず別世界に居ります。収監てこんな感じなのカナー。
何年も前の同人誌をめくって感慨に耽ったり
しております。
世間ではいま弱ペダが熱いのね…
駅の通過待ちで特急電車見送ってるときみたいな気分です。
愚痴っぽくなっていかんな。
よし書くぞと思ったのですが、明日(もう今日である)朝早いので見送る判断をいたしました。
昨日の読んで下さった方すみません、またやります。
続き、ヒソイルとTOKIOのLOVE You only についての追記。
新年明けましておめでとうございます。
今年もなるべくおだやかに優しい心で生き抜きましょう。
また久々ですが筋トレのつもりで投下します。
あとで修正して「その他」カテゴリに移動させるつもりです。
サイトのいじりかたをいよいよ忘却しつつあります。