先生と出会ったのは、高2の春。
「田原です。1年間よろしくな」
あたしのクラスの担任として、新しく赴任してきた。
一瞬で胸が高鳴った。
もう、自分でもびっくりするくらい。
かっこいい……かも。
──それが、田原先生の第一印象。
だけどその時のあたしはなんかかっこつけてて。
周りの友だちにこのドキドキを知られたくなくて、嫌いなフリをしてみた。
「田原って、なんか嫌」
あたしが笑うと
「だよね」
誰かが笑う。
あたしはけっこう1年のときから目立つほうだった。
だからあたしが先生を嫌えば、みんなもそれに合わせて自然と嫌いになってった。
クラスのみんなが、男子も女子も、先生を避け出した。
先生を嫌いたいわけじゃなかったのに…。
──あたしのバカな思い出。
話題:出会い