オークションでゲットした絵本の話を。


エドワード・ゴーリー作『不幸な子供』の落札に成功しました。


『ギャシュリークラムのちびっ子たち』でゴーリーワールドに魅せられて、その後何かにつけ探してたんですが、今回見つけることが出来ました!


以前のブログを読んで下さった方から、『不幸な子供』をお勧めして頂いたこともあり、見つけてすぐに落札したんです。


で、届いたものを読んでみたんですが…。


うん。


暗っ!!


なにこれ、不幸すぎ!

そしてやるせねぇぇ!!



もう笑うしかないって感じです。

ゴーリーワールド炸裂ですな!

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』を読んだ時も思いましたが、絵本という形態をとっているにもかかわらず、1mmも子供向けじゃないところが素敵すぎです。


内容を簡単にざっくり説明するとこう。


あるところにお金持ちの優しい両親のもと、幸せに暮らすシャーロットという女の子がおりました。

お父さまが外国で殺害されました。

お母さまがショックで病死なさいました。

ただ一人の身内の叔父さまも死にました。

シャーロットは弁護士の手により寄宿学校に預けられました。

酷いいじめにあいました。

寄宿学校を逃げ出しました。

悪い男にさらわれました。

ごろつきに売り飛ばされました。

無理矢理働かされました。

かなり酷い目にあいました。

ここで一筋の希望の光が。


死んだと思われていたお父さまが生きていたのです!

お父さまは毎日シャーロットを捜し回りました。

そして…!




最後どうなると思います?

こういう本って、最後はハッピーエンドじゃないですか。

さんざん不幸な目にあった人は、物語のラストで幸せになるもんですよ。
それが文学ってもんでしょ。


そんな定説でさえあっさり覆してみせるんだから、ゴーリーってすげーなぁぁ!!


ラスト1ページを読んで、そりゃないぜお父さま!!と叫んでしまったのは私だけではないはず。


『一人の少女の不幸を悪趣味すれすれまでに描いた傑作』というこの本の紹介文を読んで、すれすれじゃねぇよアウトだよ!!と突っ込んでしまったのも私だけではないはず。


この本は冒頭で某人物(ゴーリーの憧れの女性らしいですよ)に捧げられているのですが、この話を捧げられてもなぁ…と苦笑いしてしまったのも私だけでは(以下略)


そんなこんなでツッコミ所満載の『不幸な子供』ですが、やはり好きですねー。


病的なまでに細かい線の書き込みがもう、凄い迫力で。

じっとりとした暗い世界観にも惹かれる。

私やっぱり好きだなぁ、ゴーリー。

他の作品ももっと読みたいです。
また探さねば!


ちなみに今回オークションで競り負けたもう一冊のゴーリー本は、『おぞましい二人』でした。

どっちにしても絵本のタイトルには似つかわしくないですね(笑)
勝ちたかったんだけどなぁ。