スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

いま

 

このままで良い 今のままで良い
そうやって逃げてばかりで
これも幸せとか これ以上はいらないとか

ふざけんな

全てのものには 幸福感を味わう権利があるらしい
全てのものには 裕福になれる権利があるってさ

ならばここから立ち去って這い上がって
いつものスピードは忘れて良いから
ほら

今何時? 今どこらへん? どこ行くの?
気になるのは 他人の行く末で
今のひとだれ? どこ行ってたの?
縛り付けて こっちだけを見てとか

くそくらえ

多くの人は 不幸の蜜で口先を濡らし
多くの人は 財宝にぶら下がり縋りつき

それでしっくりくるの?

ここからぶっ飛ばして行こう
この息が続く限り
明日の方角など あるわけないだろう
この足が 踏み出す所こそ 未来だろう

太陽は沈んでく 月が登ってく
そしてまた
太陽は登り 月は沈んでく

誰かに消されても 塗り潰されても
また輝きだせるから

逃避の失敗

 

湿度は最高潮に達した
さぁ と君が手を握る
緊張は最高潮に達して
あぁ と息を停めて沈む

見送った 確かにあの日
そうそれはみんな知ってる
泣いていた 確かにあの時
あれそれは本当あったのか

そんな事 誰も解らないだろう
そう君だけ
けどそれは世界と引き換えに

君が笑う 君が握り締める
君が沈む この手を離さず
息を停め ただ目を開けば
その先に 見えるものは記憶なのか
ここにある夢物語

食費は最低限に抑えて
あれ 雰囲気変わった?とか
妄想は最低限に抑えたら
あれ ここはどこだろう?

趣味はあれやこれやと
情報の海でサーフィン
特技は誰も知らない
君を見付ける事です

気付いた時は既に遅くて
出逢えた時さ予定より早くて
あぁまた沈む

君が泣く 髪を振り乱して
君が沈む この手は白くなる
息を止め ただ目を閉じれば
そこに見える あの日の残像が
そこにある本当の君

今 手を 握り 返して くれたなら きっと 何でも するから 一緒に イキマショウ

君が笑う この手を握り締め
君が泣く 指先が白くなって
君が言う だいじょうぶだと
君が沈む そんな君の奥へと
息を辞めて ただ目を閉じて
そして もう一度この目を開いて
あぁ ただ広がるのは
僕だけの現実だけ



続きを読む

君の為に歌おうか7

 

「一時避難って事で連れて来た」
「お邪魔、します…」

彼に連れて来られた所は楽器部の部室でした。
彼曰わく、「誰も来ないと思うよ」との事です。

「座ってよ。ここでいい?」
「はい。ありがとうございます」

ですが、先客はいたようです。

斜め向かい、彼の前に座る人物。しかも、非常にお世話になっていて、非常に苦手な先輩の風紀委員長です。

「またお前か、鷹野真幸[タカノ マサキ]。風紀以外の他人からも手を借りるとはな。風紀委員のレッドリスト上位者決定だな」

今日も今日とてもの凄く上から目線で言われました。何故かフルネームで。
なんでですかね、腹が立つ反面土下座したくなりなりました。雰囲気ですかね。

「わぉ。レッドリストとかあるんだ」
「ここは変な習慣が抜けきらないからな」
「まぁ、確かに」
「お前はノーマークだ」
「…喜ぶ所?」
「さぁな」

僕がしょんぼりする中、彼と風紀委員長は軽い会話をしてます。
あぁ、蚊帳の外…。

「まぁ、人気者だし。あの人数なら助けが必要でしょ。テカ、まさきって同じ名前じゃん」
「えぇ!?」
「不服にもな」
「え゙ぇ!?」

2度の衝撃が僕を襲いました。
風紀委員長にはお世話になっていますが、名字の鈴木しか知らなくて、他の人達も「風紀委員長」か「鈴木〜」と呼んでいたので機会が無かったんです。

「この風紀委員長様も、マサキっていう名前でさ、確か、こんな字」

彼が机の中央にあった紙とボールペンを取って、少し繋がった字で風紀委員長の名前を書きました。風紀委員長はチラリと紙を見ると、ノートパソコンに向かいました。

「に、似合いますねぇ」
「たいていの人がそう言うよ。俺も思うし。で、君のは?」
「あ、僕のは…こう書きます」

彼が触ってほんの少し温かいボールペンを握り、同じくらいの大きさで名前を書きました。

「真の幸せ。へ〜。何か良いね」
「母方の祖父が付けたそうです」

言ってから彼を見ると、ふわりと笑いながら言いました。

「一緒だ。俺の名前も、母さんの方のじいちゃんが付けたらしくてさ。で…」

彼が僕の名前の近くに書き始めました。

風紀委員長の名前は少し端の方に縦書きで書いてあって、あまり近くだといけないような気がして5p以上も空けて書いた僕の名前。その右側に、縦書きで彼は書きました。

「こんな字」
「てらた…」
「あらきって読むんだ。名字が2つあるみたいだけどさ」
「てらた、あらきさん」

寺田新輝という文字をじっとみてぽそりと呟く。直ぐに、彼が「ん?」と首を傾げてこっちを見ました。

「いえ!あの!寺田先輩って読んでも、良いですか?」
「もちろん」

即答です。良かった。けど、いきなり「新輝先輩!」なんて言ったら引かれますよね。
と「鷹野真幸」再びフルネームで呼ばれました。

時々思うんですが、風紀委員長、キャラクター作ってません?

「な、なんですか」
「今回は何処の奴らに追われてたんだ?」

心配…はしてないですよね〜。風紀委員長は何処からか手帳を出して、こっちを見てました。

「…確かじゃないんですけど、担任の先生の所だと思います」
「チッ、あのカス人間が」

舌打ちとどす声と眉間のシワがぁ!!風紀委員長の背中から黒い何かが出てくる幻覚が見えます。ずももももっとしています。
無意識でしたが、頬がヒクリと引きつるのが分かりました。
あの先生、相当嫌われているようです。

「誰だっけ?」

そんな中、彼、基寺田さんがボソッと言いました。

「数学で去年来たあの茶髪野郎」
「えっと、いつもワイシャツで喫煙ルームに必ず居る先生?」
「そいつだ」
「そうです」

はっ、同じタイミングでした。

「意外と気が合う?」

寺田さんが少し驚いた顔で僕と風紀委員長とを見比べていました。寺田さんの言葉に、ぺしゃんと黒い何かを消す風紀委員長。
代わりに拗ねた様子です。

「合うわけ無いだろう。よくある偶然だ。とにかく。鷹野真幸、あのカスには注意しておけ。何か言われたりされても愛想笑いでかわせ。変にリアクションをするな。その気も覚悟も無いのに掻き回すのが趣味らしいからな。飽きられるまで我慢だ」
「はい…」
「が、頑張れ」
「はい!」

身に染みるお言葉です。はい。
あれ?僕、避難しに此処に来たと思うんですが…。

そこから日が沈むまで、寺田さんと色々な事を喋り‐時々風紀委員長の冷たい言葉を受け‐、正門まで一緒に過ごせる事ができました。
1週間程でまた逢えて、今度は名前と学科と学年も聞けるなんて。
神様が気まぐれでもおこしたんですかね?

ただ、楽器部の部室に入ってから今まで妙に何カ所かチクチク痛いです。なんとなく原因は分かりますが、確定しても怖いので、この幸せな気分のままベッドに入ます。

…夢で会えたり。



君の為に歌おうか6

 

今日の部活は中止の日だった。
3人いる3年生は特別学内試験があって、もう1人の2年生は体調不良で、唯一の1年生は塾の日。最近して無かったから掃除したかったのに…。

「何てこった、誰もいない」
「俺がいるだろう」

直ぐ言葉が返ってきたのは、気のせいではないし自分で言ったわけでもない。

楽器で埋め尽くされた部室には‐ 一般的な小学校の1クラスの半分の大きさだ‐長机が2台置いてあって、その上には置きっぱなしのペットボトルや紙束にバッグ、楽譜の山とティッシュのクズと弁当箱まである。
ゴミ箱は何日も前にいっぱいになっていた。

ゴミだけは片付けるか。
袋を片手に、ゴミ箱の中や床に落ちているゴミの様な紙クズ達を押し込んでいく。

「なぁ、ネットしにきたなら手伝わない?」
「暇じゃない。次に歌う曲を聴いている」

長机の端に座るそいつは、持参のノートパソコンの画面から目線を少しもずらさずに答えた。
俺は袋の口を縛りながら、またかという思いを含ませながら言った。

「へぇ。頑張れ」
「お前も一緒にだぞ」
「…は?その曲って数がいた方が良いの?」
「いや、1人で問題無い」
「じゃあ1人でやれば?」
「だがしかし、合唱しやすい曲だからな。先に合唱しておけば他のと組まれにくいだろう」
「ふーん」

まぁ、今の会話で分かった人も居るだろう。
この目の前の友人、鈴木匡貴[スズキ マサキ]はオタクだ。
オタクとは言ったものの、漫画やアニメやゲームのキャラに萌え〜とか言ったり、キャラ作りを頑張ったりなんかはしないらしく(本人談)、某巨大動画投稿サイトを巡り様々な音楽を漁っているタイプらしい。そして、気に入れば自分で歌ってみて良ければ投稿している。

だけど、オタクでは無いと言うものの9割り方アニメ等の曲を聞いてるし、最近はバーチャルアイドル歌手達の曲ばかりだ。

「ほら、ヘッドフォン」

匡貴自身の持っているヘッドフォンも、あるゲームのキャラが使っていて人気のあった物だというのを‐部活の先輩に聞いて‐俺は知っている。

「どうも」

まぁ、俺も何も知らないわけじゃない。正直、匡貴に誘いという名の道連れにされて、多少知ってるし楽しんでいるから人の事は言えない。
いや、こいつ程じゃないけど。

匡貴の隣に座り、部室の何処かにあったらしいヘッドフォンを受け取る。そして、調整をしていた時だった。

「ちょっと待った」
「何だ」
「聞こえない?」

そう、遠くもなく近くもなく。
隣に座る奴はもっと耳が良いから、もしかしたら早くに気付いてたかもしれないけど。

「…関わらない方が身の為だ」
「風紀委員長が何を言ってんだ」
「俺はこっちの方が大事だ」

呆れた眼と真剣な眼が睨み合う。
こんな奴が風紀委員長だなんて…。顔か?顔なのか?
確かに猫の眼に少し長い前髪に合う整った顔立ち、体つきもひょろくない。クールな雰囲気で文武両道、世渡り上手。一握りの女子にモテ、先生にも一目置かれ、男子にも憧れる奴怖がる奴。
私生活ではダメ人間なのに…。

「はぁ。たく、5分で戻ってくる」
「どうするつもりだ」
「どうも。手助けできるならするだけ」
「お人好しめ」
「そういうのじゃ無いんだけどさ」
「どういう意味だ?」

それには部室を出ながら手を振って応えておいた。
ドアを閉めても視線を感じて苦笑いが出た。
でも本当に別にお人好しっていうわけじゃないし、正義感を振りかざしているわけじゃない。
ただ、俺は…




‐‐‐‐‐‐‐‐‐


久々に広い校内を1周したからか、軽く息が切れています。

今、僕がいる所は部室棟にある掃除用具等が入っている倉庫の中です。多分。
教室から追いかけられぐるぐると逃げ回って、この体育館近くまで来ました。部活動真っ最中に1階に人はいなくて、タイミングを狙って部活棟のここに入り込めたんです。

リアカーの後ろで身を縮めているんですが、まだ近くで声が聞こえます。見付かるのも時間の問題です。
溜め息の代わりに、思わずぼそりと言ってしまいました。

「ほんと、しつこいんですけど」
「じゃあ、手助けしようか?」
「ーっ!!!」

声がでそうな所、危機一髪で手で抑えました。危なかったです。
クスクス笑う方に顔を向けると、

「ごめん。呼ばれてないけど、じゃじゃじゃじゃーん」

彼がいました。
窓をほんの少し開けて、こっちを笑って見ていました。


 

君の為に歌おうか5

 

「ファン第1号」

と、本当に嬉しそうに言う寺田。寺田との付き合いは小学校の高学年からだけど、こういった笑顔は極偶にしか見られないわね。

「あら、良かったわね」

私も素直に感想を述べる。

「ん。福会長にも自慢できるよね」
「あの人なら、学園内外に結構ファンがいるとは思うけど」
「ですよねー。イケメンってすごい」

貴方も顔は良いんだけど、とはいわなかったわ。何せ、いつもの纏う雰囲気が歌う時とは真逆だから。
と言っても、寺田にとって『顔』というのは―個別と感情を認識するものであって選別するものでは無い―という持論があるようだからとくに喜びもしないでしょうね。
それにしても、先程から転入生―確か、鷹野という名前だったはず―がチラチラと私と寺田を見比べて。寺田は気付いてないんでしょうけど、『気になる』と顔にデカデカと書いてあるのよね。
何故かしら、とても面白い事が起こる予感がするわ。

「まぁ、それだけじゃあないんでしょうけど。文化祭の時の寺田も良かったじゃない。何処からか誘われたり、何か言われなかった」
「いや、全く。仲が良い奴等くらいかな。後は何時も通り」
「あら、…そうなの?」
「そんなもんじゃないの?髪型変えてたしね。それに、@KB48だったから盛り上がったようなもんだし、文化祭のノリっしょ?」

呆れた。
あんだけ盛り上げといて、選曲とノリで片付けるなんて。その後に演奏した軽音楽部の人達に同情したくなるわ。
それに、髪型を変えててもこうして気付く子は気付くのだから。

「…まぁ、貴方が良いのなら、良いのでしょうけど。こうして、ファンの人も出来たわけだし」
「ん。満足満足」

大きく何度も頷く寺田。隣の鷹野君も少し嬉しそう。

「うぃーっす!」

タイミングを狙ったかのように楽器部の部員が入ってくる。確か、先輩で商業科の人だったはず。私の時間的にも丁度良いわね。

「じゃあ、私はもう行くわ。先輩も、お邪魔しました」
「お疲れ」
「プリント、わざわざありがとな」
「どういたしまして」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

颯爽と出て行く生徒会長。
正直、かっこいいです。まぁ、ちょっと彼との関係が気になりましたけど。

「あ、あの、僕も失礼しますね。ありがとうございました」
「いいえ。気を付けて帰りなよ」
「はい!失礼しました」

ひらひらと手を振る彼、と先輩方に頭を下げて、静かに部屋を出ました。周りに注意しながら階段を下りて、下駄箱まで小走りです。このウルサい心音を誰にも聞かれたくはありませんでした。
顔、弛んでませんかね?

「…ぁ゙」

しかし、無事に下駄箱に着いて、靴を履き終わった所で思い出しました。

「ありえないぃ」

自己紹介、してませんでした。
生徒会長がテラタと言ってました。恐らく名字です。ですが、下の名前やクラスも聞けませんでした。折角逢えたのに、次は何時逢えるか分からないのに。僕を知ってもらう事もしませんでした。

「…はぁ。次の機会かぁ」

早く次の機会が来ますようにと願いながらも、僕の足取りは家に着いても重かったのです。
ですが、次の機会は案外早くやってくるとは微塵も思いませんでした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

オマケ

「だれ?」

「生徒会長様と」

「俺のファンになった後輩君?」

「…ぶふっ」

「笑われた」

「しょうがない、こういう人間だもの」

「お、お前に…ぶっふっ、くくくくっ、あり、ありへ(え)ん!」

「(ものすごく叩きたい)」

「我慢我慢。なんだかんだで、部長も同じ反応だろうしねぇ」

「読まれた!」
前の記事へ 次の記事へ