以前

花を作って
売って
飾るまでの全てを
代々手掛けているという

ヨーロッパの花屋さんが



「花は枯れても美しいんだよ」

と言っていたのを聞いて
衝撃だった


そんなふうに
花を
愛でたことがなかったから

今まで私は
なんてことを
していたんだろうと

胸がギュッとなった



その花屋さんが活けていた花は確かに枯れても愛されて美しかった




バレンタインの頃
薔薇のアンケートのお礼に
一輪のチューリップを
いただいたので



台所に活けて

ずうっとみてきた






可愛らしい蕾から
綺麗に咲いていく
チューリップはまるで

造花のようでもあったけれど


いわゆる
花の盛りを過ぎて

花屋さんでは
もう見かけない姿になってから


毎日まいにち

新しい発見があった



花と共に過ごす時間が
いとおしく思えた


同じ姿でいる時は
1日もないのだ…



朝日が当たる
窓辺で
花びらが透けていく



今日は
花びらがふたつ


落ちていたのを
手のひらに乗せたら


なかなか
味わいのある
ハート形になった