僕達はきっと対極に存在するものどうしなのでしょうね。
対極に存在するからこそ、気になり、構ってしまう―――。
僕はこれでもそれなりに君の事を心配しているのですよ?
「沢田綱吉、聞いてるんですか?!」
「―――あぁ、骸どうしたの?」
「あぁじゃありませんよ!!先程から書類を整理して下さいって言っているじゃないですか!!」
「………疲れたんだもん」
「仕事です投げ出さないで下さい。」
「………ケチ」
「えぇ、ケチでいいです。なので口では無く、手を動かしてください」
「……仕方ないなぁ、じゃあ後でご褒美頂戴ね、骸」
「……はぃ?おっしゃっている意味がよく飲み込めないのですが」
「骸そんな事も分からなくなったの?頭…大丈夫??」
「―――貴方に言われたくありません。僕はただ、僕が貴方にご褒美を与える理由が見当たらないと言っているだけです」
「……そんな細かい事気にしない。」
「決して細かくはないと思いますが?」
「細かい事だよ。俺の目の前にある膨大な仕事と比べたら」
「………(確かに。)」
「骸も認めてくれた?じゃあご褒美ね」
「結局そうなるんですね……」
「そこは譲らない。楽しみがないとやってられないよ、こんな量」
「………ハァ、仕方ないですねぇ。それでは仕事が片付いた暁に君の望むモノを一つ言ってください。僕が叶えられるモノなら差し上げますよ」
「ほんと?!」
「はい、僕は嘘をつくなどというそんなつまらない事はしませんよ」
「あはは、骸。嘘臭い笑顔」
「……前言撤回しますよ?」
「ごめんなさい!!」
「分かったならとりあえず手を動かしなさい。いい加減にしないとドアの向こうでこちらを伺っいる赤ん坊にどやされますよ?」
「あぁ、やっぱり骸もそう思うか……やる、よ」
「初めから素直に従えばいいんですよ、綱吉君」
「……だってつまらないじゃない。じゃあ骸、半日程で頑張って片すからちょっと待ってて、」
「……君は僕に仕事をさせる時間を与えないつもりですか?」
「―――何言ってるの?骸の今日の仕事は俺の監視じゃないの?」
「何処でそれを?」
「…うーん、強いて言うなら超直感?」
「………便利ですね、」
「でしょう?」
「ふぅ、そこまで知られているのでしたら隠す必要もありませんかね」
「だよ、だから久しぶりにソファーでゆっくり休息とりなよ?骸」
「…………綱吉君?君――」
「きにしない。んでとりあえず休む!!身体はね、大事にしなきゃいけないんだよ、側に心配する人が居てくれる限り……」
「わざとでしたか。それではお言葉に甘えて少し休ませてもらいます。ちゃんとした睡眠が取れるのは一週間ぶりでしたか」
「おやすみ、骸いい夢見てね」
「おやすみなさい、綱吉君、ありがとうございます。」
「うん。」
ずっと、ずっと遠くから守ってくれる陰がいた。
陰故に光の為に尽くし、身を削り―――。
でも俺はそんな関係を望んでなんていないんだ。
だから決めた。
俺に出来る事はなんでもしようって。
貴方が壊れる前に、俺が貴方の防波堤となる。
だから、だからまだ側にいさせてね?
―――骸。
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―――――――――。
END