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生きる 斎時





夜だった。家から少し行った小高い丘の上で、斎藤は膝の上の幼子と星を見上げた。


「ととたま、ととたま」
「…ああ」


胡座の斎藤の腕を掴み、まだ呂律の回らない彼の幼い息子は満天の空をも掴もうと手を伸ばす。

俺にもこんな時期があったのだろうかと、斎藤は息子を見て物思いに耽る。全てを掴めると、全てを夢見ていた日々が。

夜空を仰いだ。
天はどこまでも高い。
今自分が在するこの世界とあの星々がどれだけ離れているのかという正確な数値を、斎藤は知らない。
斎藤だけでない。知らない人間の方が多いはずだ。それでも連綿の営みは続いていくし、自分たちは世界に生きている。

ただ、手が届かないことのみを。
知っているだけだ。


「…冷えますね」


少し後ろに佇んでいた彼の妻が呟いて、自分の肩をさすった。少し薄着をしてきてしまったかもしれないと笑い、勉はいいね、と彼の―そして彼女の―息子に笑いかけた。


「父さまは暖かいでしょう」
「おいおい、俺は湯湯婆か」
「勉が風邪を引かないようにだけ、」
「わかってるさ」


妻が斎藤の傍らに腰を下ろし、その体を斎藤の肩に預けた。


「五郎さん」
「……ああ」
「私は」


かかさま、と呟き、今度は妻に手を伸ばす息子。彼女は母親の顔でその小さな手のひらをそっと、握った。


「あなたと、生きております」


今は気づいてしまっていた。己の腕の届く範囲で手に入れられるものなんて有限であって、むしろ零れ落ちていくものを数えることが無駄であることを。

それでも。

手に入れたものは。吠えて噛みついて傷だらけになってやっと、やっと手に入れたものだけは。


「時尾」
「はい」
「愛している」


数えていたいと斎藤は柄にもなく思い。
赤面する妻とそれを不思議そうに見上げる息子とを、満天の空のもと、抱き締めた。












*

完全に創作の域ですけど、幕末を駆け抜け斎藤一と呼ばれた男が事切れるその瞬間までずっと一緒にいたこの夫婦と家族が大好きです。

しかし斎藤って呼んでる癖に時尾さんは五郎さんって呼んでるあたり、私は本当にるろ斎厨だなあ やっぱりるろ斎好きです





 

面白いバトンがありましたので



小説書きさんに深くツッコんでみるバトン


【小説書きさんに深くツッコんでみるバトン】

・お名前は?
黒澤です。
鏡良という下の名がありますが読めない上に長くなるので黒澤で統一しています。カネヨシと読みます。

・小説書きはじめて何年?
小六の時から片鱗は見えてました。
本格的に書き始めたのは中三だったかな

・きっかけは?
まあ漫画ですよね
夢書きなのでBLは書いてませんでした
(夢サイト探さないでね 見つけても黙っててね>オフ友)
BL書くようになったきっかけは多分キャラ萌えしすぎてそのキャラなら何でもよくなってしまったから

・書くのは早い?遅い?
思いつけば早いですが、それまでが遅い
但し歴史物やSFを書くときは遅くなります

・その理由は?
好きって気持ちだけではやっぱり書けないです。
書いた知識が間違っていたらやっぱり恥ずかしいし歴史物なんかだと申し訳ないので
結構調べるのに時間かかります。

・プロットはたてますか?
立てません。

・その理由は?
プロット通りに文章が纏まったためしがないので諦めました。
頭の中で組んだ方が自分的にも整理しやすいので

・何で執筆してますか?
媒体ですか?携帯電話が主です。
時にルーズリーフを使うことも

・理由があればどうぞ
今や一番身近にあって一番手っ取り早い記憶媒体じゃないですか
パソコンは立ち上げに時間がかかるし紙は平面がないと私は書けないので…
ルーズリーフは時間の余裕があって紙に字を書くことが楽しめそうなときに

・文章の作法は守っていますか?
全然

・理由や考えがあればどうぞ
作法を守ることに縛られて自分の書きたいものを見失うことが結構あったので
自己満足でよいのだと開き直ってからは文法も起承転結もガン無視です。

・執筆のお共があれば教えて下さい
強いて言うなら愛ですね。
今日初めてふざけました

・音楽を聴きながら執筆するタイプですか?
聴きます。
聴いてなくても勝手に頭に流れます。
その音楽をテーマに書いたり、書いてるうちに合う音楽を見つけたり、色々ですね。

・違う方は理由をどうぞ。聴く方はどんな音楽かを教えて下さい。
合った曲を聴くようにしています。
暗いものなら暗い曲、明るいものなら明るめのものを。
ジャンルには特にこだわりませんが、個人的興味でエレクトロニカや邦楽ロック、クラシックが多いです

・作中で工夫している所や、気をつけている所があれば、細かく教えて下さい
登場人物に対して失礼じゃないか?心理描写は欠けていないか?
とりあえず登場人物の人間に敬意を払うようにしています。

・例えばどの作品のどこで、どんな工夫を?
「夜鷹の夢、不可視の幻」では、サイトーさんのクールなキャラを崩さずにいかに苦しみを描けるかにかなり苦労しました。
表れているかは別として、自分としては満足です。

・影響を受けた作家さんはいますか?
読んだ本全てに影響を受けていると思うので割愛。読書家!ってほどではないですが、やっぱり書ききれないです。

・影響を受けた同人サイトさんはありますか?
かなりあります。

・憧れる作家さんはいますか?
同人作家さんでしょうか?
同人誌とかはあんまり買わないのでわかりませんが、ネット上にはいらっしゃいます

・憧れる同人サイトさんはありますか?
かなりあります。
リンクさせていただいてるサイトさんは皆さん憧れですよ

・スランプになった事はありますか?
ありますが、スランプなんて大それたものでは…月の始めは書けないことが多いです。

・ある方、どうやってスランプから抜け出していますか?
しばらく離れます。書きたくなったら書くの繰り返し。

・どんな小説を目指しているか教えて下さい
「人間」を描ける小説が書けたら。

・自分の小説好きですか?
好きですよ。

・例えばどんな所が?
至らないところはたくさんありますけど、どれも執筆当時の自分の精一杯なので。私こんなこと考えてたのか、とか。愛おしいです。

・裏話的なものがあればどうぞ!
感想をいただいてもロクな返事が出来ないのですが、非常に喜んでいます。
あと感想へのお返事が遅れることが多いですが、それは忘れているのではなく、すぐに返事したら気持ち悪いかなあ…と考えた結果、いつの間にか時間が経っているためです。すみません。

・あなたにとっての小説とは?
自分が真に自分でいられる世界
ですね。これに尽きる。

・お疲れ様でした。深くツッコミたい小説書きさんに自由に回して下さい
回したい方はたくさんいらっしゃいますが皆さんご多忙でしょうし、お好きな方、ご自由にどうぞ。



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そんな夢なら見なくて良い 電気羊







「デッカード」

言い争いの前まではあれほどにお互いを思いやり讃えあい、信頼すらしていたというのに、今は口をきくことさえしようとしない。
そんな気まずい車の中で、静寂を真っ先に破ったのはレッシュだった。

「フォークト・カンプフ検査の結果、おれはアンドロイドじゃあなかった」

間違いを蒸し返されたようで気分の悪いリックはその呟きにうんともすんとも言わなかった。
実際レッシュが言葉の裏に隠していたのはそんな意地悪な意図ではなかったのだが、リックはもう疲れ果てていて、それ以外の可能性を探ることに飽き飽きしていた。

「デッカード、聞いてくれよ」

が、レッシュのやけに悲壮な声におや、とリックは首を傾げた。自身の知る限りのレッシュは―といってもまだ会って一日も経ってはいないが―やけに自信に満ちた男だった。
運転席で前を見据えていたリックは路肩へ車を寄せると、ため息をついてレッシュへ向き直った。

「レッシュ、きみは確かに正しかった。だけど何もおれをそこまで責めることは―」
「おれがアンドロイドだったら、」


レッシュはひどく落ち着かない様子で、膝に置いた自分の指先だけを見ていた。リックは不審に思いながらも、レッシュも疲れているのだなと呑気に考えていた。

「デッカード、おれは―」

一旦会話が途切れる。
レッシュが浅く息をして、瞼を下ろす。

「アンドロイドだったらおれを抱いてから殺してくれないか、って、そう頼むつもりだったんだ」


一気に言い切ってしまうと、レッシュは自嘲気味に微笑み、それからジョークを聞いたときのように喉を仰け反らせて笑った。

「馬鹿だよな、わかってる。全く本当にどうかしてるよ。あんたみたいな奴に抱かれようだなんてさ」


リックは車を発進させた。一言も口にしなかった。ただ疲れているであろうレッシュの為に、一刻も早くモーテルに入ろうと、そう思っただけだった。








*

普段活字系では妄想せんようにしてるんですが、障気に当てられて珍しくこんなことをしてみた訳です。

この二人、会話からして絶対普通の関係ではいられないよな、なあんて読んでて思ったわけですが、生憎同志はそう多くないようで。

 

ギャーッ!!!




あーそろそろ更新しなきゃなーでもネタないんだよなー

と思っていたらもう四月も末。
慌てて自身のブログ見返したら、三月の初めから更新してないという驚異的なずぼらさ…いやはや


お久しぶりです。黒澤は元気です。


大学生活にもやっと慣れ始め、友人もちらほらどころかドバーッと出来てまいりました。
最近はtwitterやmixiでわあきゃあ言うとります。はい、リア充しております。


そろそろPW発売ですね。
私はPSP持っていないので買うに買えないのですが、コンビニ勤務の友人に廃棄寸前だったポスターだけいただきました。ありがとう友人。

MGSからサントラ以外のCDが出るなんて思ってもいませんでした。今や立派な抑止力中毒者です。


そんなこんなで元気でやってます。
またリアルでの鬱憤が溜まりに溜まり、三次元からログアウトしたらお会いしましょう。



追伸:斎藤一が好きすぎます。


 

その花を君に ラテンとオカマ+α






僕が真夜中のリンクで熱情を持て余していることなど、彼が知る由もない。


エッジが氷を削る音は好きだ、
夜の静けさを無心に過ごせるよう、僕を世界から切り離してくれる。
そうでなくてはきっと僕は。


「私ならさっさと終わらせてしまう」
「彼を壊してしまうのが怖いんですよ」
「君は善い男だからな」


良い意味でも悪い意味でもと悪戯っぽく笑った皇帝に、見てたんですかと苦笑する。全く、苦笑ばかりが巧くなる。


「だからって彼を独りきりにして自分は滑る、なんていうのは感心しないな」
「返す言葉も無いです、しかし他に愛し方を知らないのですから」
「不器用である、と?」
「そう取って頂いて構いません」


今彼は一人で何をしているのだろう。
女々しい様に見えて強かな彼のことだ、友人と電話をして気を紛らわせているかもしれない。
或いは強かに見えて女々しい彼のことだから、もしかしたら枕を抱いて泣きながら眠っているかもしれない。


「もう香水は貸さないよ」
「その必要は…もうないかもしれせん」
「煙草も、やっぱり君には似合わない」


こっちの方がお似合いだと今度は晴れやかに笑った皇帝が投げて寄越したのは、一輪の白い薔薇だった。






*

女抱きに行ってくるって嘘ついて家を出て若い劣情をリンクで晴らすラテン系と、本命じゃないんだと思って家で一人枕を涙で濡らし帰りを待つ健気なオカマ天使
ゲストに綺麗な宇宙人をお迎えしました

ラテン系の彼もオカマ天使ちゃんも、お互いに好き好きすぎるのに素直になれなくてギクシャクしてる感じが好きです。
皇帝は二人が好き同士なの知ってて早くくっつけって思ってる。


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