アスファルトで漂っていた逃げ水が。
空を泳いで雷鳴と雨粒を連れて来る。
バケツを引っくり返した様な雨の中。
白い稲妻で曇天に亀裂を入れながら。
雷鳴が巨大な音の獣と化し咆哮する。
地上の生き物は畏怖の色で注視する。
もし白い稲妻が光を帯びた爪となり。
切り裂き貫かれぬ様にと軒先に募る。
傘花が閉じた街は獣の独壇場となり。
地上の眼差しを受け流して翔け回る。
雨粒は風に流れる曇天から降り注ぎ。
蒼空と陽射しを垣間見ても止まずに。
地上に散らばる光の滴となって輝く。
いつしか曇天が千切れ始めた夕刻に。
暴れていた雷鳴と降り続けた雨粒は。
遠雷と虹の翅となり蒼空へと還った。
◇
帰宅途中にて。太陽と晴れ間の覗く曇天から降り注ぐ雨粒が、キラキラとしてして、とても幻想的だったので。雨に打たれた木々が、光の滴を降らせているかの様に、凄く綺麗でした。短い時間でしたが、ほんの少しだけ虹が見られたので、僥幸です。
西日の差している反対側で稲妻が走る瞬間を見た時は、妙に心がざわつきました。
自然界の魅せる力には底が無いですね。
ではでは、今回はこの辺で☆
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