ワルキューレコンビ&ペル&新キャラコンティさんのお話です。
栄養士さん?なコンティさんを書きたかったのでした、見切り発車ですみません(笑)
*attention*
ワルキューレコンビ&ペル&コンティさんのお話です
ラストでちらっとお医者様コンビ
ほのぼのなお話です
栄養士さんなコンティさん
好き嫌いが多いペルはこんな感じ(笑)
でも賑やかな昼食いいと思うのです←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
賑やかな、ディアロ城の食堂。
そこに来た一同……シュタウフェンベルク、ヘフテン、ペルは少しだけ困った顔をする。
もうかなりたくさんの人間が集まっていて、席が空いているかも良く分からない。
「うーん、これはすごい人ですねぇ……」
「後にするか……」
そう呟くシュタウフェンベルク。
ペルはそんな彼の言葉に少し眉を下げる。
「んぅ……あと……おなかすいた」
少ししょんぼりした表情のペル。
元々はあまり食事をとらなくても良い体質のはずのペルだが、シュタウフェンベルクたちに出会ってから食事が好きになった様子の彼は、"おなかがすいた"とか"ごはんがたべたい"とか、言うようになったのだ。
年齢としては自分たちと然して変わらないのだけれど、幼く見えるペル。
シュタウフェンベルクやヘフテンはそんな彼を存分に甘やかしてやりたいと思っているのだった。
「じゃあ、空いている席を探しましょうか」
多分あるでしょう、と言ってヘフテンはずんずんと奥に向かっていく。
シュタウフェンベルクは左手でペルの手をそっと握って声をかけた。
「はぐれないようにな、ペル」
「ん、クラウス兄さん……」
ペルはシュタウフェンベルクの言葉に頷いて、彼の手をしっかりと握り返した。
城の中、食堂の中とは言え大分広いし、はぐれるともう一度会うには一度外に出た方が早くなってしまう。
そのことを二人ともしっかり理解しているため、そうして彼の手を握っていたのだった。
「大佐、ペルさん、此処空いてますよー!」
上機嫌なヘフテンの声。
それを聞いて、二人は彼の声が聞こえた方へ歩いていく。
ちょうど騎士が食事を終えたようで、テーブルが空いていた。
「有り難う、ヘフテン」
シュタウフェンベルクは彼に礼を言って、帽子を椅子の背もたれにかけた。
ヘフテンも彼と同じようにしながら、"おなかすきましたねぇ"と笑う。
ペルも彼の言葉に頷いてから、言った。
「ごはん……食べに、行こう?」
そういうペル。
城での食事の形式は、ビュッフェ形式だ。
自分の食べたいものをとってきて、自由に食べる形。
だから、とりあえず席を確保してからは、自分で食事をとりに行かなくてはならないのだった。
「あぁそうだな……私はあまりゆっくり食べている時間がないのだけれど」
軽くでいいか、とシュタウフェンベルクは呟く。
"大佐はこれから会議ですもんねぇ"とヘフテンもいった。
どうやら今日は、シュタウフェンベルクは会議があるらしい。
「あんまりゆっくり出来ないんだね……あ、おいしそう」
ペルが目を留めたのは、料理が並んだ一角。
そこに並んでいたのは、物珍しい料理だった。
「これは確か東の方の料理ですよね……テンシン、でしたっけ」
「シューマイ……前に、一回だけ食べたこと、ある」
ペルはそういいながら並んでいる料理を見ている。
しかし、何処かしょんぼりした表情だ。
「どうかしましたか?」
不意に聞こえた声にペルは顔を上げる。
そこにいたのは、灰茶色の髪の男性。
前髪を三つ編みに編んでいるその男性はこの城でも良く見るようになった親衛隊の制服の上から、白いエプロンをつけている。
「……?誰?」
ペルはきょとんとした顔をする。
見慣れない人物だった。
そもそも、食事をとる場所にこうして立っている人がいたこと自体に、驚きなのだ。
いつもは、空いた皿を片付けるメイドが居るくらいだったから。
「あぁ、申し遅れました……
私はレオナルド・コンティ。
此方の城の食堂で栄養管理をさせていただきます」
そういう彼。
栄養管理、と呟くペル。
そして彼は改めて、食事の方へ向けた。
「だから、いつもとちょっと、雰囲気違うんだ」
ペルはそういう。
シュタウフェンベルクも"言われてみれば……"と小さく呟く。
確かに、並んでいる料理は少し、いつもと雰囲気が違っている。
騎士たちが好むような肉料理が多いのは相変わらずなのだけれど、いつもより幾分野菜の量が多い。
そして、肉料理や魚料理にもきちんと、付け合わせの野菜が付けられていた。
「栄養バランスに少々問題があったりもしますから。
それに、自分でとっていく形では、バランスが偏ってしまいかねませんからね」
ある程度の騎士(皆さん)のデータはいただいています、とコンティと名乗った男性は言った。
なるほど、栄養士か。
だからこんなところにいるんだな、と思いながらペルはもう一度料理……東国の料理であるシューマイを見た。
やっぱり何処かしょぼんとした表情で。
「どうかしたんですか、そんな顔をして。
食べたいものがあるのなら、取って差し上げますが」
コンティはペルにそういう。
それを聞いて、ペルは小さく息を吐き出す。
ヘフテンも不思議そうに首を傾げた。
「おいしそうですよね、どうかしたんですかペルさん」
「……グリーンピース」
小さく呟く、ペルの声。
それを聞いて、シュタウフェンベルクもきょとんとする。
「グリーンピース?」
兄の声にペルはこくんと頷く。
それから、小さな指先を服の袖から出して、シューマイを指さした。
「なんでグリーンピース……乗ってるの……?」
そう言う彼は、何だか涙目だ。
……どうやら、グリーンピースが嫌いらしい。
「栄養、大事……?」
そう言う意味で乗せてるの?
しょんぼりした表情でそういうペル。
コンティは彼の言葉に"それはちょっと違いますね"といった。
「栄養云々は置いといて支給の時に数を数えやすいからです」
ほら、と示すコンティ。
彼はトングで器用にシュウマイをとりわける。
珍しい料理だからか、単に食べ過ぎは良くないという意味だからか、一人幾つという数が決まっているらしかった。
1,2,3、と数を数えるコンティ。
その様子を見つめていたヘフテンは小さく首をかしげ、訊ねた。
「でもない時と数えるときの速度たいして変わんないですよね」
見えなくても変わらないでしょう。
普通に数は数えられますし。
ヘフテンはそういう。
シュタウフェンベルクも"確かにな"と小さく呟いた。
少し見た目が良くなるような気はするが……
べつに、数えるスピードに大きな違いはなさそうだ。
そんな二人の声にペルは二人の顔を見る。
それから、コンティの方を見て、涙目のままに、言った。
「ならグリーンピースいらない……?」
要らないっていって、といわんばかりの表情で見つめられて、コンティは"う……"と言葉に詰まる。
それから彼は小さく息を吐き出して、言った。
「……そうです、ね。今度から抜きますが今日は食べてください」
はい、といいながら給仕するコンティ。
とりあえずシューマイは食べたかったのか皿を受け取ったものの、ペルは"うぅううう"と唸っている。
そんな弟の姿を見て、シュタウフェンベルクは小さく笑う。
それから、手近にあったパンと、コーヒーだけをトレーに乗せる。
「大佐、それだけですか」
目敏く、彼を見つけたコンティがそう声をあげる。
シュタウフェンベルクは動きを止めつつ、"あまり時間が無いんだ"と呟いた。
しかしそれを許す様子もなく、コンティはサラダと主菜のプレートを彼のトレーに乗せた。
「時間がなくても食事はちゃんととってください。
食べ過ぎも問題ですが、食べないのも問題です」
きっぱりとそういってのけるコンティ。
シュタウフェンベルクはそんな厳格な栄養士の様子に苦笑を漏らしつつ、"わかった"と言ってそれを受け取った。
ヘフテンも"確かに大佐は食べなさすぎですよねぇ"といって、彼の言葉にむくれる兄を見て、ペルも小さく笑っていた。
そんな彼らの様子を遠目に見るのは、白衣姿の二人組。
彼ら……ジェイドとメンゲレもちょうど昼食を取りに来たのである。
「随分きちんと管理してくれているようですね、彼」
ジェイドは何所か満足げにそういう。
そんな彼の隣でパンを口に運んだメンゲレは苦笑を漏らして、言った。
「怖いですよー、あの人は……」
そういうメンゲレ。
ジェイドはそれを聞いて小さく笑う。
「怖いくらいでいいのですよ。
好き勝手にものを食べる子が多いですからね」
そういいながら彼は悠々と紅茶を飲む。
メンゲレは"それはそうですけどねぇ"と言って小さく笑う。
賑やかな、ディアロ城の食堂。
それがいつもよりも更に、賑やかになりそうな予感だった。
―― Launch time ――
(賑やかな、昼食時。
楽しいのも勿論ですが、栄養バランスも大切ですよ)
(わかってるけど、嫌いなものは嫌いで。
出来る事なら食べたくないなぁ、なんて)